7.日本の名曲の歌唱ポイント

「われは海の子」058

1910年(明治43年)に発表された曲で歌詞の中には現在あまり使われていない単語や言葉遣いが入っているが、七五調の詩で作られ、“ターン・タ・タン・タン”と、“タン・タン・ターン・タ・ターン”で構成されているメロディーはとてもリズミカルで明るい性格で…

「たき火」057

歌いだしから8小節はまず大きな声で歌うことを大事にしましょう。おそらくこの8小節よりもその後の4小節のほうが難しいはずです。「あたろうか」の部分はpと書いてあるので音量はおさえつつそれまでよりも流れるようにレガートを意識して「あとろうよ」はよ…

「叱られて」056

基礎的なテクニックがとても重要な曲ですね。厳しい指導者ならば歌いだしの4小節だけで数回のレッスンが終わってしまうのではないかと思います。低音をゆっくりなテンポで歌うというのは呼吸、声量、支えのバランスがうまくいかないとビブラートがかからなか…

「浜千鳥」055

曲は知っていましたが始めて楽譜を見ました。実際に楽譜を歌ってみて最初に感じたことは「何て難しい曲」でした。単純すぎるのです。発声だけの目的で使うのであればコンコーネの1番~5番までに近いものがあります。しかしこの曲は伴奏が加わると突然名曲へ…

「埴生の宿」054

この曲の特徴は付点のリズムとその後の伸ばす音だと思います。跳ねるリズムの後のロングトーンは案外声のコントロールが難しい意のでブレスのコントロールに注意しましょう。P261の2段目と3段目は案外ゆっくりになったり伸ばす箇所が多いので支えとブレスの…

「七つの子」053

いわゆる童謡と呼ばれる歌なのでしょうが基本的にこの時代の音楽は歌い方や歌い手の技量で童謡にも芸銃的な歌にも子守唄にも変化する面をもっています。この曲もそのような歌だと感じます。この歌の特徴の一つは伸ばす音が多いことです。これらの音がしっか…

「ドレミの歌」052

これを知らない人はいないんじゃないですかね。というよりもミュージカルの楽曲でこれだけ市民権を得ている歌もなかなかないと思います。この曲は多くの人が歌ったことのある「ドはドーナツのド~」というフレーズよりも前から載せてあります。案外この部分…

「茶摘」051

尋常小学校唱歌と中の一曲ですね。この曲は名曲だと思いますがそれ以上にとても歌いやすいです。ある程度スピード感もありますしリズミックなので日本語のテキストとしては声をだすためのエチュードとしても適した楽曲だと思います。二小節が一つのフレーズ…

「花の街」 050

團先生の名曲の一つですね。本来は合唱曲ですが一人で歌う場合はそれぞれのレッスンでアドヴァイスいただいていることを意識しつつたっぷりとしたイメージをもって大きな広い感覚をもって歌っていくとよいと思います。伴奏に合わせて歌うというよりは歌に伴…

「花の街」 050

團先生の名曲の一つですね。本来は合唱曲ですが一人で歌う場合はそれぞれのレッスンでアドヴァイスいただいていることを意識しつつたっぷりとしたイメージをもって大きな広い感覚をもって歌っていくとよいと思います。伴奏に合わせて歌うというよりは歌に伴…

「さくら さくら」 049

Simple is Bestというべき課題ですね。この課題でトレーニングすることは大きく見ると2つです。1つはたっぷりとしたレガートで歌うこと。2つめは言葉をしゃべりすぎないこと。この二つです。この歌の子音をたてすぎるととても滑稽な歌になってしまうのでどれ…

「風」 048

あまりにもシンプルな楽譜で時代を感じてしまいますが、案外このシンプルさというのは現代の人にとっては難しいかもしれません。この時代の音楽は楽譜だけみても現代の楽譜ほど複雑ではありませんし、リズムがシンプルです。綺麗な楽譜といってもいいでしょ…

「雨降りお月」 047

子供のための歌なのかもしれませんが楽譜だけみると案外音域も広いですし、童謡というよりはどこか演歌調の曲な感じすらします。曲の感じとこの音域の広さを考えるとあまり重くならずに歌いたいですね。八分音符と四分音符でリズムの感じ方を変えてもいいか…

「里の秋」 046

声楽的な目線で楽譜をみると歌い辛い曲だなという印象です。理由は音の跳躍が多いことが一点、高い音よりも低音に下がってくるほうが印象的なことがもう一点でしょうか。上昇形というのはある程度勢いやパワーでもっていきやすいのですがそれよりも下降形の…

「夕焼小焼」 045

誰かに教わった記憶も楽譜をみたこともないですが何故かしっているという不思議な歌ですね。この曲は上手に歌う必要がないと思います。楽譜に正確に歌うということや、いい声で歌うということも大事だと思います。なのでソルフェージュ的に正確に歌うことを…

「冬景色」 044

尋常小学校唱歌の一曲ですね。 まさに名曲といっていいと思います。作曲者、作詞者は不明なのですが尋常小学校唱歌としてずっと歌われてきた曲です。作曲家の源田俊一郎先生の「ふるさとの四季」という複数の唱歌を繋げた合唱曲の中にも登場します。全てが名…

「ふじの山」 043

譜面をみて尋常小学校唱歌を見てみるとなんてシンプルな楽譜だろうと思います。これと今のポップスの音の複雑さと見比べると違いに驚きます。基本的には小さくなり過ぎないというのが一番大事だと思います。イメージとしてはレガートな曲ではありますが「我…

「早春賦」 042

私も日本語のコンサートなどではよく取り上げられる曲です。尋常小学校唱歌の中の一曲ですがこの全集の曲はどれも素晴らしく美しい曲ばかりで全く色あせることがありません。中高年からご高齢の方の合唱団の多くはこの尋常小学校唱歌などをベースに歌われる…

「朧月夜」 041

とても声楽的な歌だと思うことが多いです。まずレガートで歌うこととある程度の音域がもとめられること、「はるかぜそよふく」などはけっこう嫌な音域なので決して歌いやすい曲ではありません。しかし元来「尋常小学唱歌」の中の一曲なので綺麗に歌うという…

「夏は来ぬ」 040

明治29年発表の曲ということで100年以上前の日本の歌としては少し面白い曲ですね。言葉の一つ一つに音符とリズムがついてテンポも少し速めなので曲の形としては現代曲、または現代のポップスの形が少し現れている曲ですね。ある程度アップテンポの曲のほうが…

「手のひらを太陽に」 039

作詞者は「アンパンマン」のやなせたかしさんですが聞きやすい、聞き取りやすい、歌いやすい曲だと思います。でも冷静に歌詞を読むとかなり深い歌詞だなと思ってしまいますね。「いきているからうたうんだ」「いきているからかなしんだ」なんてどこか哲学的…

「幸せなら手をたたこう」 038

この曲を聞くとどこか懐かしく子供のころを思いだしてしまいます。でも言ってしまえばオペラ歌手のような声をだしたりといった極端なことを考えなければ誰でも気軽に歌えるから色んな場所で使われているのだと思います。今回初めて楽譜としてみましたがこう…

「こんにちは赤ちゃん」 037

私の感覚ではこの曲をポップスと言っていいのかすら難しい感覚なのですが昭和38年のレコード大賞なのですから今の時代のAKBの楽曲のような感じだったのでしょうか。サビの部分「こんにちは赤ちゃん」だけ聴くと童謡のような雰囲気もするのですがP124、1段目3…

「いつでも夢を」 036

まず楽譜のシンプルさに驚かされますが、このシンプルな音楽が昭和37年の日本レコードグランプリ大賞をとったのですから当時の人々の心を動かす何かがあったのでしょう。こんな四分音符だけの楽譜というのは今どき子供の童謡でも中々みられません。しかし、…

「テルーの唄」 035

音域も低めですし、ゆっくりなテンポなので声のトレーニングにはとてもよい課題だと思います。ましてや前半部分がアカペラなので色んなものが試される一曲だと感じました。ただ歌詞は歌いづらいといいますか注意しないと聞いて認識しづらい言葉が多いです。…

「言葉にできない」 034

この曲は、小田和正さんという持ち声の人が歌うから成立する曲だと感じます。実際にこのキーを小田さんのように柔らかく歌うというのは困難です。小田さんは生まれつきかなり声帯が短いか薄いのだと思います。最近のJポップの男性はかなり声が高くなってきま…

「今日の日はさようなら」 033

最近のポップスの傾向からいくとちょっと違和感のある歌かもしれません。最近のポップスは声を聞かせるというよりもリズム、ビートが大事な要素になってきているので。この曲は早くもなく音も少ないとなると必然的に声を長く伸ばす時間が必要なので声の力が…

「青葉城恋唄」 032

この楽譜通りに歌うのであれば伴奏がとても単純の形になっているので声を聞かせる、鍛えるためにはとてもいい課題だと思います。またフレーズも長いのでトレーニングに適した課題だと思います。最近のJポップしか知らない人達にとってはこの曲はとても難しい…

「愛燦燦」 031

トレーニング曲としてはとてもすぐれたテキストだと思います。まずは音をつないで歌う必要があることからレガートの訓練にもなりますし高音がないので浮いたところで歌う必要がないので下地をつくるのにはいい訓練だと思います。レガートに歌うということは…

「秋桜(コスモス)」 030

この曲の楽譜を見ると「楽譜は絶対ではない」というある方の言葉を思い出します。「楽譜は作曲家が演奏したかったものの一番近い形、もしくはこうしか書けなかった形」メロディよりも歌詞が勝っているので楽譜ににしてしまうととても複雑なリズムに見えてし…