「花の街」 050

團先生の名曲の一つですね。本来は合唱曲ですが一人で歌う場合はそれぞれのレッスンでアドヴァイスいただいていることを意識しつつたっぷりとしたイメージをもって大きな広い感覚をもって歌っていくとよいと思います。
伴奏に合わせて歌うというよりは歌に伴奏があわせるような感覚が必要です。
この曲は基本的には長調(メジャー)の曲ですが3番になると突然暗い歌詞になるのでそのあたりの表情の付け方などは意識してかえていったほうがいいかなと思います。
伴奏がとても素敵な曲なのでこの豪華な伴奏の形にまけないようなフレーズ感や声の伸びが必要な曲です。案外強弱記号がはっきりとしているのでこの強弱をもっと意識してトレーニングしてみるととても美しい曲に聞こえてくるでしょう。この曲は素晴らしいピアニストと一緒に歌ってみたい曲かなと思います。([E:#x266D]Σ)

歌い出しのアーフタクト、落ち着いて歌い出しましょう。1番「なないろのたにを」ナ行が多いフレーズです。特に「ナ」は響きにくい音なので、舌の先をしっかり上の歯のすぐ後ろの歯ぐきにつけ、ハミングの時のように鼻に響かせて発声しましょう。2番「うつくしいうみを」はウ段が多いフレーズです。口の中が狭いと平べったい響きになり、あまり美しい響きになりません。口の高さを保ち少し唇を突き出して深い響きで歌うようにしましょう。3番の「すみれ」も美しいと同様です。1番「風のリボン」の〔ん〕特に響きにくい音です。唇を少し開けてハミングのように鼻に響かせましょう。1~3番「わになって、わになって」の撥音小さい「っ」言葉が切れないよう「わになぁって」と歌ってみましょう。そして輪が大きく広がっていくように、1度目よりも2度目を大きく歌い、続く1番「かけていったよ」、2番「おどっていたよ」、3番「はるのゆうぐれ」につなげましょう。最後のフレーズは輪が小さくなるように少しずつ静かに終わりましょう。([E:#x266F]μ)

歌いだしの「なないろ」や、続く「ながれて」は低い音域であることと、ナ行が響きにくい音なのでハミングのように鼻腔に響かせるようにすると良いでしょう。「リボン」の“ン”は最も鳴りにくい音です。同じようにハミングの要領で歌いましょう。
「わになって」の“わ”は口を開けたままで発音するよりも、ウの口で“わ”を発音するようにすると言葉がきちんと聞こえます。
この曲は全体的に流れるようなメロディーですが、8分音符で構成されているために、マルカート唱法になりがちです。1つ1つの音を充分に伸ばしてレガートに歌うように注意しましょう。「わになって わになって」の箇所は小さい輪から大きい輪になっていくようにクレッシェンドし、「かけていったよ」でしっかりと歌いましょう。
「はるよ はるよ」は少しずつディクレッシェンドし、最後の「かけていったよ」は遠くの方に行ったように収める感じで歌うと良いでしょう。([E:#x266F]μ)

1947年、終戦直後の混乱期に発表された曲です。NHKラジオの婦人部長であった、江上フジの委嘱によって作詞・作曲され、NHKのラジオ番組「婦人の時間」という番組の「婦人の歌発表」というコーナーで紹介・放送されました。中学校の音楽の教科書にも取り上げられているので、授業で歌ったことがある人もいるのではないでしょうか?また、ママさんコーラスなどの合唱曲としても比較的取り上げられることが多いです。音楽科の教員採用試験でも、弾き歌いの実技として取り上げられることが多いようです。詩を解釈するうえで、時代背景を考えると内容がわかりやすくなると思います。
音楽的には、あまり音域の幅がないので、初心者でも比較的歌いやすいでしょう。4小節ないし、5小節ひとまとまりと思って、そのまとまったフレーズをたっぷり歌う事を心がけると良いでしょう。冒頭の「なないろのたにをーこえてー」の部分を始め、ピアノの右手を見ると、スラーが書かれている部分が数多くあります。その部分をできるだけ滑らかに歌うよう心がけるとさらに良いでしょう。「わになってー~」からは長いクレッシェンドが書かれています。このクレッシェンドを効果的にかけていく事が、その後のフレーズを歌いやすくすることにつながります。([E:#x266D]Я)