2006-01-01から1年間の記事一覧
新聞紙を丸めて、声を拡大してみましょう。 インクの匂いと、両手の感触が今も、生々しくよみがえります。 メガホンがあれば、もっと声は大きくなります。 でも、新聞紙の包みの中を通る息、そのふくらみ、そして声、その振動を両手で感じてみましょう。
私がもっとも怖かったのが、中国のホラー(お化け屋敷)でした。 暗いところでヘッドホンの音を聞くのです。 ことばがわからなくても、そこでの風の音、物音、足音に、恐怖はつのりました。 ことばがわかったら、もっと怖かったでしょうか。 あるいは、たい…
耳は無防備です。目のように閉じません。 もちろん、両手で防ぐことはできます。 でも、遠くで鳴っている音でさえ、私たちの耳は、敏感にキャッチしているのです。 自分の意思とは別に・・・。
糸電話を使っても遊んでみましょう。 父親「もしもし、聞こえますか」 子供「何にも、聞こえないよ・・・」 父親「もしもーし、もしもし、聞こえますかあ・・」 子供「・・・ううん、何にも」 父親「もしもーーーし、もーしもし、もしもーーし・・・、おーい…
幼い頃、私は、自分の小さな力が他のものに大きく働くことがとても驚きでした。たこあげ、独楽まわし、おもちゃの車、ゴムで動く糸車や水鉄砲もありました。 しかし、それは同時に脅威でもありました。両親や大人の世界のまねごとが好きなのは、そのせいかも…
そういえば、現代の人間を殺す車の急ブレーキの音。 あれも耳を突き刺します。その音で助かった人もいるかもしれないから、静かに制御されたブレーキより、すぐれているといえるかもしれませんね。 「混んでいるところでは、ローでエンジン音をわざと立てて…
止まっていた心臓が電気ショックで生き返るのをみるとき、 止まった呼吸機能がマウストゥマウスで、 他人の息を吹き込むことで生き返るのをみるとき、 私は、“なんて人間は生ものなのか”と、思わざるをえませんでした。
動物の鳴き声は、声といってよいのかと迷うほどに、私たちにさまざまな思いをもたらせます。 古代人類は、猛獣の声に怯えたことでしょう。 狼に襲われた体験があれば、その遠吠えは、何よりもの恐怖だったはずです。 黒板やガラスのキィーという音を多くの人…
人々が声を愛するのは、そこに精神の奏でる音楽を聞くことからです。 人間はかつて、海の中にいました。そして、母親の胎内も海でした。そして、そこでさまざまな音を感じてきました。その波動を取り入れてきたのです。 そのリズムの中で心臓は息づきます。…