5.「はじめてのテープレコーダー」

幼い頃、私は、自分の小さな力が他のものに大きく働くことがとても驚きでした。たこあげ、独楽まわし、おもちゃの車、ゴムで動く糸車や水鉄砲もありました。

しかし、それは同時に脅威でもありました。両親や大人の世界のまねごとが好きなのは、そのせいかもしれません。ロボットなどの遠隔操作が好きなのも、自分の力が大きく働くからですね。

それと同じように、自分の声が大きく聞こえるのは、さらに興味を引くことでした。下じきに声を震わせたとき、何とも恍惚の中にひたったものです。