「世界の約束」087

「いつも何度でも」の作曲の木村弓と、戦後日本の詩の巨人・谷川俊太郎の作詞による、ジブリ・アニメの挿入歌です。とても印象的な曲だけれども、とても歌いにくいと評判だった「いつも何度でも」に比べると、リズムなどはとても解かりやすく、歌いやすいものになっています。ジブリ・アニメの数々の名曲を手掛けた、久石譲の編曲ということが、多少とも関係があるのかもしれません。ただし、ほとんどすべてのフレーズに、5度や6度の跳躍が、上行・下行を問わず組み込まれているので、ソルフェージュ力に自信がない人は、しっかりと音取りをする必要があります。幸い音域は、1オクターブ半に収められていますが、その幅をフルに活用するようにフレーズが作られているので、低音から高音まで、まんべんなく良い声を出せることが、大切になってきます。また、2番括弧の6小節目の3拍目の音が、曲の中で唯一、臨時記号が付けられていて、音階の音より、半音高い音になっています。伴奏をよく聴いていれば、それほど難しい音ではないのですが、特徴的な音で、その効果に思いを込めて作曲されているものなので、的確に歌えるように、慎重に取り組みましょう。([E:#x266D]Ξ)

最近の曲の中では比較的新しい部類の曲です。しかし、どこか懐かしさも感じられる曲ですので是非歌っていただきたいと思います。1フレーズがとても長めなのでリズムの要素が強い曲に慣れている人には歌いづらい曲ではないかと思います。昨今の歌手をみているとこのようなフレーズがない曲を歌う歌手は声が柔らかかったり、裏声を多用する歌手が多いです。このような曲を深い声、力強い声で歌うのはとても難しいのですが、そこに外国人の声との差ががあるように感じます。歌詞の内容的にも決して張り上げるような歌ではないのですが声そのものの力がないように歌っても声のトレーニングとしてはあまり意味をなさないように思います。
音域もそんない高すぎない曲ですので張り上げず、しかし深い声をキープしたまま歌っていけると声のトレーニングとしてはよい効果が期待できる曲だと思います。伴奏も単純ですから声のよしあしがはっきりとする曲です。このような曲で声のポテンシャルを上げていきましょう。([E:#x266D]Σ)