「さくら さくら」 049

Simple is Bestというべき課題ですね。この課題でトレーニングすることは大きく見ると2つです。
1つはたっぷりとしたレガートで歌うこと。2つめは言葉をしゃべりすぎないこと。この二つです。この歌の子音をたてすぎるととても滑稽な歌になってしまうのでどれだけ母音をつなげるかという方向でトレーニングするととても効果が高い曲だと思います。
ブレスの訓練にもつかえると思います。
まず2小節ごとに歌っていただいてかまいません。これになれたらフレーズによってブレスの長さを変えてみましょう。「さくら さくら やよいの 空は」がひとつ「見渡す かぎり」がひとつ「霞か 雲か においぞ いずる」がひとつ「いざや いざや」がひとつ「見に ゆかん」がひとつこれで歌ってみると呼吸の配分や詩の内容がはいってきやすいと思うのでお勧めです。
でも大きなトレーニングのくくりとしては上記の2つです。今は外国では日本の歌というとアニメの主題歌のほうがしっくりきますが昔はこのような曲が日本の代表曲でした。日本人として歌えるといいなと思う曲の一つですね。
(♭Σ)

「日本古謡」と言われていますが、もともとは、江戸で箏の入門曲として作られたものです。「都節(みやこぶし)」と呼ばれる日本の音階で作曲され、箏の調弦方法として最も普通で基本的な「平調子(ひらぢょうし)」の開放弦だけで弾くことができます。
なお、この曲はイタリアへ伝わり、G.プッチーニが作曲したオペラ「蝶々夫人」の第一幕で、没落藩士令嬢の蝶々さんが、夫となるアメリカ海軍士官のピンカートンに嫁入り道具を紹介する場面で使われています。蝶々夫人が上演される場合はこの曲の部分も演奏されるわけですから、世界的にもこの曲を聴いたことがあるという人が多いもしれませんね。と考えると、大変興味深いです。
音楽的に見てみると、五線の楽譜の中の上の部分を主に使って書かれているところと、下の部分を使って書かれている部分がわりとはっきりしています。このときに音の高低を意識しすぎると歌いにくくなってしまうと思いますので、言葉をしゃべるような部分を大事に、そこからあまりにもかけ離れた(無理をした)声でうたうことがないように注意するとよいでしょう。何度か言葉読みをしてから歌うほうが良いかもしれません。(♭Я)