「叱られて」056

基礎的なテクニックがとても重要な曲ですね。厳しい指導者ならば歌いだしの4小節だけで数回のレッスンが終わってしまうのではないかと思います。
低音をゆっくりなテンポで歌うというのは呼吸、声量、支えのバランスがうまくいかないとビブラートがかからなかったり、支えが浮いて声がゆれだしたり、または響きを保ちすぎると声が幼く、声量不足で喉もせまくなるという悪循環がおこったりします。
この曲は声楽家が歌うと立派な芸術歌曲になりますが、演歌歌手などが歌ってもまた違う味がでそうですし、童謡風に歌ってもそれはそれでよさそうないろんな側面をもつ曲だと思います。
この曲はいきなり歌う前にロングトーンや音を保つという訓練をたくさん行ってから歌ってみるといいでしょう。息と声のバランス無しにこれをトレーニング教材として使用するとかえって苦しくなって喉がつらくなるのでかなり上級者向けの教材だと思います。([E:#x266D]Σ)

詩の内容をみると、「誰が叱ったのか」、「なぜ叱られたのか」、など、なぞが多い詩ではあると思いますが、これは、正解は一つではなく、各々の解釈で表現することが求められていると思います。
音楽は非常に穏やかで、どこか寂しさが含まれている曲調ですので、穏やかに歌いつつ、クレッシェンドを活かしてたっぷり歌うことや、強弱でメリハリをつけると、この曲の持つ繊細さが表現できると思います。楽譜に忠実に演奏しましょう。([E:#x266D]Я)