「雨降りお月」 047

子供のための歌なのかもしれませんが楽譜だけみると案外音域も広いですし、童謡というよりはどこか演歌調の曲な感じすらします。
曲の感じとこの音域の広さを考えるとあまり重くならずに歌いたいですね。八分音符と四分音符でリズムの感じ方を変えてもいいかもしれません。八分音符は軽く、四分音符はたっぷり歌うなどのように緩急をつけるのも方法のひとつだと思います。
「シャラシャラシャンシャン」はあくまでの鈴の音なのであまり立派になりすぎずにしましょう。立派すぎると除夜の鐘のようになってしまうので鈴のイメージと自分の声の当て方、響かせ方を考えつつ歌うといいと思います。
拍子的にも四分の三拍子なので重くならないほうがかわいく歌えると思いますので是非一拍子にならないように三拍子の音楽で歌ってトレーニングしてみてください。(♭Σ)

「コドモノクニ」という児童雑誌に掲載され、大正14年に発表された曲です。当初のタイトルは「雨降りお月さん」でした。コドモノクニに掲載された「雨降りお月さん」と、改訂版となるのが「雨降りお月」というタイトルになります。変更点は、伴奏の前奏と後奏を華やかな旋律に書き換えられています。改訂版は「童謡小曲」第八集に掲載されました。現在普及しているのは、「雨降りお月」のほうではないでしょうか。
作詞者の野口雨情は、「雨」と「月」に対して特別な思いがあったといわれています。「雨情」と言う名前は「春雨がしとしと降る優しさ」という意味の「雲根雨情」という中国の言葉からとったようで、春の雨が好きだったようです。「月」に対しても、「様々なものを平等に照らしている」という点を気に入っていたそうです。
音域はあまり高くなく、比較的順次進行を多用しているので、音程を正確に歌う訓練に用いるのも良いかもしれません。子供向けに書かれた曲だけあって、歌詞の内容もわかりやすいと思います。一音一音丁寧に歌うことを心がけ、その上で、滑らかに歌うように心がけるといいでしょう。特に短い音符(八分音符や十六分音符を焦らないで丁寧に歌うことを心がけましょう。そして、歌詞の内容から子供の頃のような純粋な気持ちで歌うことを心がけると極にあった表現になると思います。(♭Я)