「いつでも夢を」 036

まず楽譜のシンプルさに驚かされますが、このシンプルな音楽が昭和37年の日本レコードグランプリ大賞をとったのですから当時の人々の心を動かす何かがあったのでしょう。こんな四分音符だけの楽譜というのは今どき子供の童謡でも中々みられません。しかし、それだけ歌い手の実力が試されるのかもしれません。
この楽譜にはModeratoで2分の2拍子と書いてありますが実際に音源を聞いてみるとAndanteくらいの感じなので、ゆっくりなりすぎないようにしましょう。縦のリズム感よりは前に進んでいく積極的なビート感があるとよいかも知れません。
またこれを歌っている橋幸夫吉永小百合も大きな声で強く歌っている感じではないですが声の鳴りがないわけではないのである程度の強さが必要かもしれません。軽い声というよりはよく響く胸の声が必要な曲だと思います。(♭Σ)

おそらく60歳以上の人には懐かしい曲ではないでしょうか。最近の曲とは違い、戦後の高度経済成長期に発表された曲ならではの、前向きになれるような力のある詞の曲だと思います。
「さびしいことがあっても、悲しいことがあっても、いつでも夢を持とう。」という内容の詞から得られる力みなぎる歌になるように歌いましょう。実際に詞の内容・情景をイメージしながら歌うと、表現が伝わりやすくなると思います。最初の「ほしよりひそかに」の部分は「ひそかに」歌いましょう。「あめよりやさしく」は「雨よりも優しいという優しさ」をイメージして歌いましょう。「あのこはいつもうたってる」はどんな子でもいいですので、誰かが歌っている様子をイメージしながら歌いましょう。「こえがきこえるさびしいむねに」はその子の歌っている声が自分の胸に染み渡っているようなイメージで歌うといいと思います。「なみだにぬれたこのむねに」とありますので、悲しいことや辛いことがあったのでしょう。その胸に、歌っているこの声が染み渡るのです。「いっているいるおもちなさいな」ここで何を歌っているのかが見えてきます。「いつでもゆめをいつでもゆめを」ここでようやく歌っている内容が出てきます。
ですので、この「いつでもゆめを」という言葉を大切に歌うと、魅力的な歌に仕上がって行くと思います。2番以降も同様に歌詞を感じながら歌うことを心がけましょう。(♭Я)