あの独特の太くて深くてしわがれた声。
彼はトランペットも同じように力強く吹き、吹きながら歌い、歌ってはまた吹く。
彼は話してもメッセージが伝わるけれど、
あの素晴らしいリズム感にのって歌い吹くことで、人々を感動へと導く。
これこそが、歌うことの意味だと思った。
華麗なキャリアの裏では、常に人種差別を感じ、それでも卑屈にならなかった。
そうなることは負けだと知っていたからだろう。
自分の気持ちはすべて黒人の気持ち…そう信じて、
彼は笑顔で肌の色を超え、黒人ジャズの素晴らしさを認めさせていったのだ。
何よりも一番苦しみ、そして、楽しんでいたのがルイだったからこそ、
聴く人々すべてに影響を与えられたのだろう。
自分がこれから歌っていくとき、どんなメッセージをもって歌っていくのだろう。
日々、強く繊細な心で世の中を知ること、
そして、人間に関わって生きていくことで、
何かが得られるかもしれないと感じた。(T)