2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

大竹伸朗

芸術は果てしなく難しい見えないものを見えるものにする作業。 求めるものの深さ、そして自由を知れば知るほど、 この社会の中で、個々が生む芸術の意味、責任や試練も大きい。 作者の心の問いかけ、迷い、その半生の旅を見た気がする。 隙間もなく紙面上を…

武満徹

作るのではなく、聞こえてくる音を取り出すという考え、命や自然を聴くということに生涯をかけ、彼にしか聞こえない音、発見できない音、宇宙の音と評されるほどの独創的な音楽観、作品で、世界的に音楽界に新たな大きな発見と衝撃を与えた作曲家。「戦争が…

ビオレータ・パラ

“すべての人の歌 それが私自身の歌 人生よ、ありがとう” ラテンアメリカ、チリを代表するシンガーソングライター ビオレータ・パラの歌 “GRACIAS A LA VIDA”。 1964年、愛する人が去った絶望の中、自らの身を絶ってしまった彼女。 しかしこの歌は、その後不思…

オードリー・ヘップバーン

若い時のヘップバーンは“妖精”という形容詞がピッタリである。晩年に近い彼女は、気品ある一人の女性として、最も美しく見えた。万人に愛され、綺麗なだけの人形ではなく、意志や信念を持った大人の女性として行動した。自分さえ良かったらいいという人達が…

セルジュ・ゲンスブール

入り口は少年ふうで、幼くもどこか一片だけ妙に成熟している。 ロリータ風のジェーン・バーキンが写っているジャケットがオシャレ。 これを見れば、ゲンスブールがカリスマ的存在であろうことは伺い知れる。 アメリカは娯楽で軽薄で、ヨーロッパの方が奥が深…

ビル・エヴァンス

17世紀はクラシックもJAZZのように即興演奏が主だったが、録音技術がなかったため、楽譜をどう解釈するかになり即興的側面はなくなった。今やJAZZも同じ道をたどりだしている。JAZZを形式として考える人がいるからだ。クラシックは1分の音楽を3ヶ月かけて作…

ジョン・コルトレーン

より高く光輝な場所へ、誰よりも高い山を登り続け、 遥か高く見えないところで消えた伝説のサックス奏者ジョン・コルトレーン。 時代の先の先を走り続け、誰にも創造できない世界を築きつづけた男の本性は、 好奇心に満ち溢れた極まりなく真面目で、最高の芸…

高橋竹山

名人・高橋竹山の演奏を聴けてよかった。「岩木」が一番好きだ。 曲の始めにベベン!と鳴らした時、うわぁすごい音だと思ったのが調弦だった。 張り詰めていて、澄んでいて深くて厳しい音。 竹山の人生があの音のような人生だったのだろうと思う。 竹山は明治…

ジミー・スコット

憂鬱だからといって、歌を口ずさむ心をなくさないで下さい。音楽はこの世で最も大きな“いやし”の力なのです。音楽には愛と思いやりが満ちているのです。旋律の魅力だけでなく、人生の物語を感じさせる歌詞にひかれる。そういった楽曲を、ジャズの様式に再構…