おすすめアーティスト・作品 No.392

「PERFECT DAYS」(映画)

役所広司カンヌ映画祭で男優賞を取った映画です。東京の公園清掃員の主人公は安アパートに1人暮らし。一見負け組のような生活ですが、仕事は完璧に行い、生活のなかで無駄なことは一切しない。自分が必要だと思うことだけをし、自然の恵みに感謝し心豊かな日々を送っています。

やるべきことをきちんとする、そして満足することを知り、自分の人生を生きている主人公の生活に清々しいものを感じました。

 

「燈火(ネオン)は消えず」(映画)

香港といえば、ネオンギラギラの夜景、と思っていた。少なくとも十年前、広東語初学者の自分が訪れた香港はそうだった。ところが今や、そのネオンの九割が撤去されているという。2010年の建築法等改正の法律が出来たためだという。ネオン職人だった亡き夫のやり残した仕事、最後のネオンを完成させようとする妻と、その回りの人々の様々な葛藤、奮闘、困惑。映画のエンドロールには実際のネオン職人たちも登場する。香港独自の文化を消したくないという想いが伝わってくる。久しぶりに、広東語の響きを堪能した。北京中国語とは全く違う、この言語は音楽的だ。この映画を見たときは、肉親の病状が悪く、かなり落ち込んだ気持ちだったけれど、映画の二時間、作品の世界に浸ることが出来た。役者も脚本も映像も良かった。映画ってすごい。自分も歌の中に、他者に働きかける力を養わなければ。

 

「キッチン」吉本ばなな(本)

数年前に読んだ小説を読み返してみました。子育てを通して、自分自身の世界の見方が変わったことを感じました。

 

「ポトスライムの舟」津村記久子(本)

主人公は29歳、女性。工場の生産ラインで働きながら、カフェやパソコン教室でバイトもしている。そんな生活をしている自分が嫌になったりもするが、ある日、世界一周のクルーズの費用が自分の工場勤務の一年分の稼ぎと同じ163万だということを知り、お金を貯め始める。友達のために予期せぬ出費をしたりしながら、ついに163万貯める。このときの解放感は希望の光が見えたようでとても嬉しくなりました。毎日コツコツと働くのも無駄ではないんだ、と感じられる小説です。

 

歌劇団のオペラ」(TV)

テレビで見て、案外と口まわりはリラックスしているものだ…と思ったところだった

ハリウッドの役者が歌手なのかと思うぐらい、すごいエンターテインメント性の高い演技力の高い舞台で驚いた

 

「モネ連作の情景」(美術展)

モネの作品だけが展示されている美術展でした。芸術家というと才能というイメージでしたが、自分の描きたいものをとことん追求する姿勢や世間に認められるための努力など並大抵ではないと改めて感じました。