No.367

ショパンコンクールの演奏」小林愛実

ファイナリストの方々の演奏はそれぞれに魅力があり、ピアノの表現でここまで心を動かせるのかと初めて感じられた。今の自分にとってはほんとに輝いて見えた。特に小林さんは、自分の感性では、悲哀や苦しみのような表現が一番上手に感じ、心の動きをピアニッシモや繊細なタッチで弾く音に感情が揺さぶられてしまった。ピアノは表現の勉強になることを知る良い機会だった。来年度日本にショパンコンクールで入賞した方々がくるコンサートがあるらしく、チャンスがあればぜひ生で聞いてみたいと思う。

 

 

「あん」(映画)

樹木希林があん(あんこ)の作り方を教える。毎日がつまらない。そんな人にオススメの作品。樹木希林の演技も素晴らしい。変に力が入っていない。やろうとしてないのに役になっているところは、さすがだなといつも思う。歌にもこういうのが必要なんだと思うが、これ、1番難し。

 

 

デスノート」(映画)

 

原作は漫画。正義感の強いキラ(藤原竜也)が、突然、名前と顔だけで人を簡単に殺せる力を得る。ゆがんだ正義感が生まれて、どんどん人を殺していく。善か悪か。正論では、そんなの許されないんだけれども、観ていくうちに、一概に「悪」とも言えないと感じた不思議な作品。ドラマ版はキラを窪田正孝が演じている。また、藤原竜也の立ち振る舞いにも注目。姿勢がとてもキレイ。身体に余計な力が入っていない。ドラマ版の窪田正孝も撮影の合間などの映像(最近のドラマ)を見ると、やっぱり、身体の余計な力の抜き方がうまい。多分、無意識だけど、身体の中、身体感覚、声の感覚はどんな感じなんだろうと、無意識に目で追ってしまう。無表情無感情「L」は、演じていてとても楽だったと役者さんが言っていた。この役なら私にもできそうと思う。息が流れなくていいのだから。

 

 

ピアノの森一色まこと(漫画)

言わずもがなの名作。自分らしさ、楽しむこと、表現。点数などでは測れない正直な感覚。エンタメとは芸術とは秩序とは。色々考えました。

作品のテーマと自分が自分の体を通して経験したことをはめ込みオリジナリティが生まれる。自分の今までは作品。 勝負や競争という概念にとらわれることなく自分のピアノを表現する主人公にハッとさせられた。

周りが様々いう中で、自分の意図を持ったうえで意見を聞き本質を見失わないようにしたい。

 

 

「バナナフィッッシュ」吉田秋生(漫画)

日本にいるとなじみのない、マフィア等裏の世界の話。恵まれている自分の人生を実感するとともに、覚悟をもって決断をする場面を経て人は成長していくのだと感じた。経験をもっとして、人と話して傷ついたり喧嘩したり、笑いあったり、その一回がとてつもない価値あるもので、必要なものだと。対面して話す機会大事にしていきたいです。

 

 

マザーテレサあふれる愛」沖守弘 (書籍)

私が父に勧められて読んだこの本。私はマザーテレサが大好きになった。マザーテレサの本はたくさんあるけど、難しくないし、国語が苦手で読書嫌いなわたしでも読みやすかった。

これまでの人生の中で私の中には存在しなかった確かなものが、マザーテレサにはあった。例えば、私が北極にいるなら、マザーテレサは南極にいる。発想が全く逆だった。しかし、そこにはただただ「愛」があった。

国語得意な方なら、マルコルマルゲリッチ著のマザーテレサの本もオススメ。

 

 

「ビンボー病の治し方」しんのすけ(書籍)

著者は「ビンボー病クリニック」院長とか「お金の専門学校」学長というユニークな肩書を持っている投資家、起業家です。

こんな肩書を見ると普通は何か胡散臭く感じますが、この著者のYouTube動画を視ているうちに「割とまともなことを言っている」と感じました。

この方が発信しているものは「いかに上手に金儲けをするか?」とか「短期間で大金を手にするにはどうしたら良いか?」をテーマにしているのではなく、「お金は自分のやりたいことを叶える手段に過ぎない」と言い切り、むしろ「あなたのやりたいことは何か?」、「あなたはそれを叶えるためにどう実行するのか?」にフォーカスしているようです。

その他に、お金の使い方は投資(資産を買うこと)、消費(生活のための出費)、浪費(マイナスにしかならない出費)の3通りがあり、もっと投資にお金をかけなくてはならないと提唱しております。

本書で一番大切にしているのは「資産」と「負債」の違いを理解することで、「資産」とは放っておいても定期的に自分のお金を増やしてくれるもの、逆に「負債」とは放っておいても定期的または不定期的に自分のお金を奪ってゆくものと定義されているものの、日本では金融業者や会社経営者、ファイナンシャルプランナーでさえこの両者の違いを説明できないのが現実というのには驚かされました。

さらに著者は「お金よりも大切なのは時間であり、理由は、お金はなくなってもまた稼げば取り戻せる一方、時間は確実に減り続け、取り戻すことはできないのだから、時間の使い方の気を配れ」と警鐘を鳴らしております。

今までの人生観を見直す意味でも有効な書だと思います。

但し、そこから学んだものを実行しない限り、効果のほどは解りません。

 

 

「きみが来た場所」喜多川泰(書籍)

家族の繋がりなどを描いた小説で、その時々の登場人物の心情などがよく表現されていて参考になる。

 

 

「篁牛人展、昭和水墨画壇の奇才/大倉集古館」(アート)

孤独と酒を最良の友とした異色の水墨画家。特定の師につくことも美術団体に属すこともなかった。渇筆という技法で独自の世界を開拓した。印象は、大胆。迫力とかダイナミックというより、大胆と言ったほうがぴったり。枠のなかで大きく、というのでなく、この人には枠という囚われがない。だから大胆。小さな作品でも、大胆。大胆だけれど、激しくはない。日だまりのような温かさがある。世の中と距離を置いているけど、背を向けてはいない人だと感じる。自分が特に惹かれたのは、がま仙人の絵。仙人もがまも、絵の中で生きている。世に知られるようになったのは65歳ころ、援助してくれる人が現れるまでは、生活は困窮、放浪の身にあった。この才能を見いだして、援助した人もすごいと思う。今、私が絵を見られるのも、世の中に篁氏の絵を送り出す人がいたから。審美眼は磨いておかなきゃと思う。歌だけでなく、アーティストとして、いろいろなものを取り入れていかなきゃ。自分のためでもあるし、アートのある世の中を継続させるためにも。

 

 

「北浅川」

八王子市役所近くにあり、多摩川の支流の一つでもある一級河川。東京とは思えないのどかな風景の中にあるこの川は、およそ200万年前にあったメタセコイア林の化石がある。少年心をくすぐられ、行くたびに動物の化石がないか探してしまう。気の詰まったときに行くとなごみます。ちなみに、メタセコイアは1945(6)年に中国でみつかるまでは、絶滅したと思われており、今では日本でも中国からの派生で多く植えられているらしい。

日本で、メタセコイアは絶滅していたというのは驚きだった。