クミコ「哀しみのソレアード~最後の恋」「祈り」「麗しき恋の物語」

3.11石巻で被災したあと、再出発。彼女とは銀巴里で会った頃、元気な若い女性というイメージしか残らなかった。それはその頃、私の求めていたものと違っていたせいで、彼女の実力とは関係ない。
松本隆が見いだした詩を歌う心、私は、日本人が日本語を使って、表現をするとこのようになるというバランス、つまり、ヴォリュームやインパクトやメリハリは最小限に抑えることでそれをみせるためにムリしてつけている声のくせをつけないで、歌う。それには森山良子や白鳥英美子のような美声が必要と思って思っていましたが、そういうものでもないのだと思い直したところです。
「麗しき恋の物語」は、フランスの奇才嬢バルバラのヒット曲ですが、過去の名曲のメロディのように古くならない、つまり新たに21世紀に通じる日本語をつけ変えることで詞の表現力を最大に活かすのは、クミコという歌手をもっとも強くアピールできる手法です。それは同時に、今の時代の日本語での歌のあけ方を考える上の大きなヒントとなると思うのです。