「リンゴの唄」 029

戦後復興の象徴ともいえるべき曲だと思います。この曲に対しては年代で感じ方が違うと思うのであくまでも声のみにしぼってかきます。
この曲はリズミックに歌いすぎるとメロディが崩れてしまうので4小節が一つのフレーズだとおもってそこまでをなるべくレガートに歌うと効果が高く声の勉強にもなると思います。言葉を聞かせるためには子音を立てすぎても変ですしリズムがたちすぎるともっと何を言っているか分からないのでレガートの訓練が必要です。
P317の3段目には高い♭ミがありますがこれを「ん」で歌うとは結構大変ですし喉が詰まりやすくなるので最初のうちはリンゴの「り」をドの音で歌った後、イの母音のまま♭ミを歌ってレの音の寸前でンをいう練習をしたほうがいいと思います。それで体と息の流れを覚えさせてから「ン」にしたほうがいいと思います。
レガートの訓練のためには息の流れが重要になってきますから声を歌う前にブレスの訓練を多めにやっておくといいと思います。
(♭Σ)

歌いだしの「あかい(ソドレ)」のあ━かは5音下がった後、いで1音上がった箇所は音程に十分気をつけて歌いはじめましょう。「リンゴ」はアーフタクトのリズムですが慌てないで歌いましょう。「くちびるよせて」のメロディーはなだらか山になっているので歌いやすい箇所です。「だまってみている」音程がジグザグしています。音程に気をつけましょう。「あおいそら」も比較的歌いやすいメロディーです。「リンゴはなんにもいわないけれど」細かい音符で構成され、「りんーご」のんーの箇所と「いわーない」のわーの箇所は2音の音をきちんと歌いニュアンスを出しましょう。続く「きもちーは」も細かい音の動きをとらえてうたいましょう。「リンゴかわいや」「かわいやリンゴ」言葉遊びのような感じです。「リンゴかわいや」(リンゴかわいいでしょう?)「かわいやリンゴ」(本当にかわいいリンゴだ)のように表現を少し変えて歌ってみましょう。(♯μ)

「赤いリンゴに唇よせて、だまって見ているあおい空」。いったいどんな情景なのでしょうね。空がリンゴに唇をよせているという、非現実的な情景をどう表現するか、各々色々試してみて下さい。表現創作の課題として、良い勉強になると思います。
「あーかーいーリンゴにー くちびーるよーせーてー」の部分は、自分の中に「赤いリンゴ」を思い浮かべて歌いましょう。また、自分でもいいですし、他人でもいいので、リンゴに唇を寄せている情景をイメージして歌いましょう。「だまーってみている
あーおいーそらー」は実際の空でもいいですし、空が黙ってそれを見ているという情景を思い浮かべてみましょう。
「リンーゴはなんにもいわーないけれど」「リーンーゴのきもちーはーよーくわーかーるー」の部分も同様に。
「リーンゴーかわいやー かわーいやリーンーゴー」の部分は、リンゴを愛でるようなイメージを持って歌うとよくなると思います。
何も思い浮かべずに、歌詞の字面だけを追って歌うと、非常につまらない歌になってしまいます。せっかく、各々の表現を試せる曲だと思いますので、歌詞の内容を思い浮かべて歌ってみましょう。
以上のような表現に気をつけることと、音楽的には、一つ一つの音を意識しすぎず、フレーズ感を大事にしましょう。上で「」で括った部分を1フレーズに思って、そのフレーズ歌詞の内容を考えて大事に歌いましょう。
歌詞の内容を表現することと、フレーズ感を大事にすることを心がけ、朗々と歌ってください。(♭Я)