「夏の思い出」 008

この歌は歌うこと自体はそんなに難しい曲ではありません。 むしろ情感豊かにたっぷりと歌うべき音楽だと思います。
ただ最後から3小節の「おぜ」という言葉はとてものどにきやすいフレーズです。ゼという言葉は、喉がしまりやすく浅くなりがちな言葉なのでどうしてもフェルマータには適しない言葉です。しかしそう指示してある以上そう歌わなければいけません。オにテヌートが掛かっているので少しのばしてオの口の形のままエという練習をくりかえしましょう。そうすることで美しいエができ上がると思います。
決して音量で張り上げないように。あくまでも丁寧に歌う曲だと言うことをわすれないようにしてトレーニングしていきましょう。
(♭Σ)

この曲は、中学校の教科書にも載っており、きっと一度は耳にしたことのある曲だと思います。
この曲を見ていくと、歌の部分が2小節で1フレーズになっています。この1フレーズずつを、一息で歌うつもりで滑らかに歌いましょう。一語一語切れないように、デコボコしないように。
滑らかに歌うコツは、「口の形をあまり変えすぎない」ということです。例えば、「なつがくーればおもいだすー」を一語一語はっきり口の形を変えず、最初の「な」をできるだけ縦に開いた状態で発声し、以後の歌詞をできるだけその口に近い状態で縦に開いた状態で歌えると、滑らかに歌いやすくなります。
「な」は母音で言うと「ア」なので、レッスンを始めて間もない方は、口が横に広がりやすくなります。できるだけ縦に開くことを心がけましょう。
以後の歌詞で「きり」の「き」や、「みずばしょう」の「み」など、イ母音は特に横に平べったくなります。慣れるまで、少し「エ」に近い発音をすると、縦に開いた状態でも綺麗に「イ」母音を発声できるようになります。
また、この曲は、後半で同じ音が連続する部分が多くあります。
同じ音が続いたら、滑らかに声を前に進めようと思いながら歌ってみてください。そうすれば、デコボコせずに歌えるようになると思います。(♭Я)

全体的に細かい音符(8分音符)で構成されていますが、尾瀬の自然、水芭蕉の花の香り、風や色・空気感を思い浮かべながら歌っている曲なので、リズムをはっきり刻んで歌うのではなく、ゆるやかな水の流れのように歌うようにしましょう。
出だしはmp(やや弱く)で始まります。「はるかなおぜ」の"尾瀬”はこの歌詞の題材の場所です。この二文字を丁寧に歌いましょう。「きりのなかに~」はpです。小さめに歌い、「やさしいかげ」の箇所は膨らませて歌います。水芭蕉の花は尾瀬の象徴です。「みずばしょうのはな」膨らませて歌い、「さいている」pp(とても小さく)はデリケートに、そして丁寧に。「ゆめみてさいている~」mf(やや大きく)しっかりめに歌い、「ほとり」一音一音確かめるように歌います。「しゃくなげいろにたそがれる」陽が落ちてきている様子です。静かに歌いましょう。最後の「はるかなおぜ」は思いを馳せるようにゆっくりと、"尾瀬”は丁寧にしっかり伸ばし、「とおいそら」はテンポを戻し静かに歌います。2番も同じように歌います。(♯μ)