「さくら」 025

もしこの曲をトレーニングとして使用したいのならば1オクターブ下げて実声でトレーニングがいいと思います。この歌を歌う歌手が高音をファルセットに逃げているのでそのイメージで歌ってもトレーニングにはなりません。私自身もこの曲を自衛隊の音楽隊の演奏でパシフィコ横浜で歌ったことがあります。その時は全て実声で歌いました。
男性が歌っていますが、声が高めの女性が歌ってもいいと思います。昨今ファルセットに逃がす男性歌手が多くなってきています。これも時代の流れと言ってしまえばそれまでですが、声がひ弱なイメージがぬぐえません。表現の一部としてファルセットならば意味はわかるのですが音が出ないからファルセットにしているという風にしか見えないからです。
もしこれをトレーニングするのならば低音域から高音域までを同じ音色で歌う訓練をすることです。地声の部分とファルセットの部分が段差がつかないように丁寧に声の変わり目を訓練することが大事だと思います。(♭Σ)

この曲はリズムが細かく複雑です。譜読みが苦手な人は、音をつけずにリズムに慣れる練習をするとよいと思います。
「パ」や「タ」などの言葉でもよいですし、何かを叩いてもよいかと思います。まずは正確にリズムが取れるようになりましょう。
リズム読みに慣れたら、今度は音をつけて、「オ」などの単一の母音で楽譜どおりでありながら、できる限り、レガート(なめらか)に歌うことを心がけましょう。
リズムは細かいのですが、それに惑わされてしまうと、どんどん歌いにくくなってしまうと思います。そのために、最初は徹底的にリズム読みを行い、その先の課題として、それを活かしつつ滑らかに歌うということを段階を踏んで行いましょう。音を単一の母音で滑らかに歌うことに慣れてきたら、今度はその滑らかさを活かしながら、言葉だけでリズムどおりに読む練習を行いましょう。リズム通りでありながら、滑らかさは失わないように心がけましょう。
それに慣れたら、いよいよ歌うわけですが、「ぼくらはー~まってるー」までを1フレーズで、「きみと~ひびをー」を1フレーズ、「さくらなみき~うえーでー」を1フレーズ、「てをふりーさけぶーよー」を1フレーズと、フレーズごとに朗々と歌うように心がけるとよいと思います。その後も同様に2~3小節を1フレーズに捉えると、滑らかに歌いやすくなると思います。
「かすーみゆくー~うたがーきこーえーるー」までは、エネルギーを徐々に増していき、「さくら~」でたっぷり朗々と歌えるようにもっていくと、聴き応えのある歌が歌えると思います。(♭Я)