「おはなしゆびさん」072

「あめふりくまのこ」と同じく、湯山昭の作曲です。「あめふりくまのこ」ほどではありませんが、スキップのリズムが多用されて軽快なテンポなので、とても楽しい曲ですが、実際に演奏するには、なかなか難しい曲です。歌の4小節目は、曲中では唯一、スキップのリズムが入っておらず、また、8分音符だけが並んでいる、規則正しいなだらかな上行音型になっています。この部分を際立たせるためか、1,2,5小節目は、スキップのリズムが多いだけでなく、音の進行も軽い跳躍が多く、なだらかではありません。さらに、3小節目1拍目と、5小節目の終わりからと6小節目への、それぞれの下降跳躍は、1オクターブやそれに近い7度になっているので、音程感覚にあまり自信のない人には、簡単な練習では、歌いこなせないかもしれません。
まずは、速いテンポという壁を取り払って、ゆっくりのテンポで、音程をしっかりはめて歌う練習を、納得がいくまで積み重ねましょう。ゆったりとしたテンポで歌ってみると、跳躍の部分だけでなく、4小節目のなだらかな上行音型も、意外に難しく、ていねいに扱わないと、きれいに歌えないことにも気がつくでしょう。([E:#x266D]Ξ)

とてもかわいらしい曲ですね。歌詞からもイメージはわきますがメロディのリズムも伴奏のリズムも軽快なリズムを終始たもっているのでかわいいイメージを崩さず軽快に歌えるとよいと思います。
ヴォイストレーニングとしては、リズムを軽快にだしつつ、言葉や声の輪郭はしっかりとなることが重要です。跳ねすぎると言葉が不鮮明になることがあるので注意しましょう。強弱記号も強い表現しかないので元気に歌うことが重要です。
表現としては5小節~6小節にかけては一番から五番までの歌詞の内容を考えて表現できるとよいと思います。時には声色を変えてもいいでしょう。声色を変えないで言葉の強弱、柔軟さで表現してみてもいいかと思います。8小節の「する」の言い方もそれぞれのキャラクターの表情がでるといいなと思います。このあたりは表現者として、さまざまなパターンで歌ってほしいものです。
([E:#x266D]Σ)

テレビの幼児番組などでもおなじの曲です。歌のおにいさんやおねえさんが歌うように、さまざまな表現の違いをつけられるようにしていくといいでしょう。そのような課題の練習曲として用いるのに適していると思います。キャラクターのヒントになるのは歌い出して2小節目です。体型や性格などがこの部分に出ています。この部分の特徴を捉えて、3~4小節目の部分でそのキャラクターの特徴を表現しましょう。1番はパパですね。太っているようです。太ったお父さんが歌っているような特徴を出しながら歌うようにしましょう。2番はママですね。怖いのではなく、やさしいママだそうです。3番は大きい兄さん。4番はおしゃれなねえさん。5番はよちよちの赤ちゃん。それぞれの年齢や体型、性格、特徴を考え、3~4小節目で表現する練習をしましょう。全てが同じように聴こえるようでは、差をつけられていません。照れずにそれぞれのキャラクター設定をしっかりしましょう。明るく楽しく歌えるといいと思いますが、付点のリズムで無意味に跳ねすぎないこと、そして、名詞はしっかり伝えることを大事に歌うことでしょう。([E:#x266D]Я)