「江戸子守唄」069

これは、江戸時代に、江戸(厚木市?)で歌われていた子守唄が、参勤交代などで各地に広まったようです。歌詞は、いろいろなものがありますが、編曲者の山田耕筰は、少し趣の違ったものにしたようで、一般的に広まっているものとは異なり、リズムもやや格調高く、また、メロディも少し違うようです。ただ、本来はこのような形だったものが、今のように変化して伝わっているのかもしれません。キーは、かなり高めに設定されていて、声楽家にとっては扱いやすい音域になっていますが、一般的な女性(母親や子守をまかされる若い女性)には、地声では歌えない高さになっています。女性が、地声で優しく歌うには、5度以上キーを下げて、メロディの開始音を、「ファ」の辺りにしてもよいでしょう。声楽で歌うなら、山田耕筰が細かく指示しているように、楽譜通りのデュナーミクで歌えるようにしましょう。なかなか難しいですが、チャレンジすると、さまざまなテクニックの習得に、役に立つことでしょう。([E:#x266D]Ξ)

難しい歌ですね。このキーで歌おうと思うと大変だと思います。子守歌と思うと大きく豊かな声で歌うのも変ですが、エチュードとして使用するなら、あまり内容は考えず声のトレーニングと割り切って歌うとよいと思います。
注意すべき点はテンポだと思います。イメージだけでいくと遅くなります。あまり遅くなりすぎないでメロディーのラインを前に進める意識でトレーニングしたほうがよいでしょう。
基本的には寝かしつけるための曲ですから、遅くなりやすいのは当たり前なのです。7小節からキーが突然低くなりますので注意しましょう。声そのものを下げると怖くなりますし、上で保ちすぎると音量がでません。適切な発声のラインを崩さないようにしてトレーニングすると、いいトレーニング教材になると思います。日本的な旋律ですのでソルフェージュ的な訓練にもよいでしょう。([E:#x266D]Σ)

子守唄としてよく知られている曲です。旋律自体は耳なじみのあるものに近いですが、一部、異なっている部分もあり、歌詞はかなり異なっています。この曲自体が民謡であり、歌詞が多数あることが原因のようです。よく知られている歌詞は「ねんねんころりよ おころりよ ぼうやは よいこだ ねんねしな」ですね。始まりは、江戸のころであるといわれています。
この曲を楽譜に書かれているとおりに演奏するのは、かなり難易度の高いものになります。クレッシェンドとデ・クレッシェンドが多用されており、効果的に使えれば、歌いやすく、美しく聞こえる曲になるのですが、慣れるのに相当な時間を要すると思います。静かに穏やかに歌うことを心がけ、クレッシェンドを使って息を動かすように心がけるとよいと思います。強弱記号がp(ピアノ)とpp(ピアニッシモ)のみですから、息が動かないと苦しくなり、歌いにくくなります。クレッシェンドを効果的に使えるように心がけましょう。また、フレーズをできるだけ長めに感じて歌うことで、より滑らかに穏やかな表現で歌いやすくなると思います。美しく聞こえるようにがんばりましょう。([E:#x266D]Я)

「ねーねん ころーりーよー」で覚えた人もいらっしゃるのではないかと思いますが、この楽譜の歌詞は少し違いますね。いろいろな歌詞があるようです。この曲は山田耕筰によって作曲されたもので、難易度が高くなっています。楽譜を見てみると、p(ピアノ)やpp(ピアニッシモ)をメインに書かれており、且つ、間に<(クレッシェンド)や>(デ・クレッシェンド)を多用しているのが大きな特徴だと思います。
初心者にとっては難しい課題だと思いますので、中・上級者向けのアドヴァイスだと思って、聞いていただければ幸いです。ダイナミクスを、ただ単に大きくしたり小さくしたりするのでは、聞いている側にとっては面白くもなんともありません。多用されている<>について、「どのような気持ちで歌うか」ということを考え、優しさや言葉のニュアンスを表現する方法のひとつの手段として、これらのダイナミクスを目安に行うといいと思います。詩の奥深さや気持ちの表現方法の深い研究が必要です。([E:#x266D]Я)