「川の流れのように」 018

日本人の女性ではこの低い音域を持っている人自体が少ないと思います。
現在の日本人の声は薄っぺらいというか単純に弱い人が多いです。中低音がしっかりと鳴らない人がとても多いです。この音域をそのまま歌う必要はないと思いますし、難しいですがトレーニングの一環として自分が出る範囲でいいのでキーを変えて歌ってみることはいい勉強になると思います。
この音域は大きな声を出していっても出ません。むしろどれだけ喉が開いて息が流れているかということのほうが大事です。
メロディ的にも言葉的にもまた曲全体の雰囲気としても決して音量だけでごまかせる曲ではないです。単純な力ではなくもっと大きな、流れが必要な曲だと思います。一つ一つの音を歌うのではなくこの歌詞に息をのせてフレーズで歌えるよう勉強していくことが大事です。
発声的な問題でいうと喉が高い人、頭声の響きだけで歌っている人にはこの歌は歌えません。低音から高音までがよく響かないと困難な曲です。喉を下げるトレーニングの一環としてもよい教材だと思います。(♭Σ)

この曲は楽譜どおりの調性(原調)だとニ長調であり、尚且つ通常のト音記号内に表記される「レ」よりも1オクターブ低い「レ」から始まります。
ですので、移調して(キーを変えて)皆さんにあった調整で歌うように気をつけましょう。低すぎても高すぎても、その人の持っている音域に無理が生じる状態で歌うのは危険なことです。また、音域の幅もありますので気をつけましょう。
また、低い音域で、「低い声を作って」歌わないことも重要です。「低い」と思って声を出すと、喉が絞まったような無理した声に聴こえることがあります。その状態で歌うことは非常に危険なことです。とにかく、無理なく歌えるようにすることが重要になります。
まずは歌わずに歌詞を朗読するように読みましょう。この時点で発音・発声しにくい場合は、実際に歌うともっと無理が生じると思います。口の形や身体の使い方に注意し、寝ているときの呼吸のように無理していない状態で、声が流れるように読めるようにしましょう。
それができるようになってから、「オ」などの母音を用いて、その声の流れるイメージを意識して滑らかに声を流していきましょう。
特に、「でこーぼこ~」の「でこ」は1オクターブの跳躍があり、難しい場所だと思います。ですが、ここも跳躍と思わずに、とにかく声を流し続けましょう。「かわのながれの~」の「な」の部分も同様にこの音だけ急に浮いたり高いと思ったりせず、「かわのながれのよーにー」と1フレーズで声を流していくようなイメージが持てると、歌いやすくなると思います。(♭Я)