No.263

<CD>

 

「エッセンシャル」トニーべネット

鮮やかな声だと感じます。とてもはっきりしていて、世界を切り開いていくような感じがします。

 

「ENTER SANDMAN 」METALLICA

JPOPしか聞いたことがなかった時代にいきなりこれを聴いて衝撃を受けました。イントロから既に危険な雰囲気を感じます。まるで殺気。邦楽を聴いて満足しなかった訳がわかりました。世界中のあらゆるジャンルの良い音楽に触れなくては、自分の歌も作曲も器がせまいままだなと思いました。

 

「恋愛スピリッツ 」チャットモンチ―

とにかくこのヴォーカルは実力派で、ギターを弾きながら歌っているのですが、なかなか複雑な演奏をやっています。この曲を聴いた時、声に心の叫びが現れている気がしました。

 

<DVD・CINEMA・TV>

 

NHK「songs 」華原朋美

自分を歌姫に仕立ててくれCDの売り上げも上がりNHK紅白にまで出場したのにその大物プロデューサーに失恋した。自分の力で仕事をしていかなければならなくなり方向を見失い不安を精神安定剤睡眠薬に頼り、仕事も出来なくなっていった。ある時、薬の飲み過ぎで朦朧となっているところをタクシーの運転手に発見され、救急車で搬送され、精神科に入院した。絶対に出られない所に入れられしばらくは気持ちも荒んでいたという。そして何年か療養し、やっと歌いたいと思うようになったそうだ。手のつけようがない程暴言を吐き、一時は家族も離れざるを得なかったが又、家族に助けられ症状も軽くなり、テレビに再び出演するようになった。そしてとうとうあの曲に巡り合った。「こんなすごい曲歌っていいんですか?」とびっくりしていた。「夢やぶれて」・・・「レミゼラブル」でアン・ハサウェイが歌ったあの名曲だ。彼女の体験とリンクして鬼気迫る歌になったのではないだろう。「この歌を歌っていると絶望するんです。でも絶望しなければ歌えない歌なんです。」と言っていた。再びブレイクして、今度こそ大輪の花を咲かせて欲しいと思った。

 

<BOOK>

 

「 犬も平気でうそをつく」スタンレーコレン

犬にリズム感があるのかないのかは、ちょっと音楽がらみかも。犬に爆音を聴かせ続けると難聴になるらしいので、気をつけましょう。

 

「奇跡の脳 」新潮文庫

脳卒中になったアメリカの女性脳科学者の8年間におよぶリハビリおよび回復過程を自身で観察し記録したもの。以前Eテレの「スーパープレゼンテーション」で観て興味を持ったが脳の作用について詳細が描かれており実体験と理論とが結びついてよりリアリティを感じるものとなっている。

 

<EVENT>

 

「THE 抱き締めるズ 」

一度ライヴを観に行ったのですが、人が死ぬんじゃないか(演奏者側)と言うほど力を出し切っていました。ここまで見せられたら拍手を惜しむなどとんでもなく、翌日からの自分の生き方さえ変化してしまいそうです。

 

モーツァルト・マチネ 」

ミューザ川崎で年4回土曜日の午前11時開演のコンサート。モーツァルトの曲を東京交響楽団メンバープラスゲスト演奏家で。午前中1時間15分のコンサート、一回3000円。クラシック門外漢にも敷居が低く、気軽に行ってます。4/14のゲストは歌手でした。ソプラノのサビーナ・フォン・ヴァルター、バスのパトリック・シンパーがそれぞれ4曲ずつ。パトリック・シンパーはとても素敵でした。コミカルな歌は茶目っ気たっぷりに、眼鏡をかけて登場したり、厳かな曲はまた違う表情で。一番前例で見ましたが、レッスンで学んでいるように、お腹を持ち上げて後ろに声を出しているように感じました。サビーナ・フォン・ヴァルターは魔笛「ああ、愛の喜びは霧と消え」がとても素敵でした。はかなげな悲しみが糸をひくようにつながっていて美しく感じました。歌い手は声質だけでなく、キャラクターが曲に合うかどうかもあると感じました。バスの歌い手さんは、コミカルになったり、厳かになったり、自由な感じ。ソプラノは、美しさや清らかさ、あるいはドラマチックさを求められると思いました。

 

「赤坂大歌舞伎」

中村勘九郎が一人で3役を演じる舞台。時には2役を瞬間的に入れ替えて演じる場面もあったが、全く違う人柄の役を一瞬で演じ分ける。格好だけでなく表情や雰囲気まで瞬間的に変えてしまう事に驚いた。