No.264

<CD>

 

「I don't want to miss a thing」

Aerosmith映画「アルマゲドン」のテーマ曲です。壮大なイメージがあり、ドラマ性を高めるため、テレビでもBGMとして使われることが多い曲です。ただ、イメージとは違い、ただ単に歌うだけでは薄っぺら意曲になりがちで、表現が難しいです。Aerosmithが歌うものとほかの人が歌うものを聴き比べると勉強になるでしょう。

 

<DVD・CINEMA・TV>

 

セデック・バレ

日台合同製作。戦前の植民地支配があったときの台湾で起きた霧社事件(多くの日本人が台湾先住民に殺害された事件)を題材にしている。

視点が複合的でそれぞれの立場の苦悩が丁寧に描かれていると思う。主な出演者がプロの俳優ではないのにもかかわらず非常に存在感がありとても魅力的に感じた。特に主人公を演じた方は本業が牧師で映画初出演とのこと。映画を見終わってからその事実を知り衝撃的であった。生き方がしっかりしているとおのずと画面に現れてくるのだと強く感じた。

 

「カルテット人生のオペラハウス」

以前に「題名のない音楽会」で紹介されていたヴェルディがミラノに作った音楽家達の養老院にヒントを得てダスティホフマンが監督をした。映画の養老院は林等がある広い素敵な庭があり、建物も立派で食事が美味しそう。お金持ちが入れる養老院だ。認知症があったり、いろいろな老人の問題や事件を色っぽい介護士が面倒を見ながら日常が過ぎていく。主なストーリーは「椿姫」のリゴレットのカルテットを往年のメンバーで復活するということだ。ただ、これは宣伝でも決して言っていないことだが最後の発表の日、建物を遠景にしてリゴレットが聞こえたが4人の舞台姿がないことだった。「それはないでしょ、ダスティン・ホフマンさん!」それを楽しみに最後まで待っていたんでしょ。この4人は俳優でクラシック畑の人ではないようだが他の出演者(老人)は演奏家がほとんどだった。オペラ通の友達によると吹き替えの口が合わないのではないかと言っていた。会わなくても緊張や喜びの表情を見たかった。これがありきたりでない粋な演出っていうものでしょうか?しかし色々なオペラの曲が挿入されていて娯楽作品として楽しめた。

 

NHK土曜ドラマ「島の先生」 仲間由紀恵主演

鹿児島県奄美諸島の美宝島の学校には、各地から問題を抱えた子供たちが留学してきます。都会の学校で、受験や、人間関係に悩み、傷ついた子供たちです。

そんな子供たちは、里親の文三石坂浩二)の家で生活しながら、千尋先生(仲間由紀恵)の授業を受けて学びます。大塚校長(左時枝)、文三の息子彰芳(井浦新)、出産を控えた彰芳の妻奈美子(青山倫子)など、周囲の温かい大人たちに見守られながら、子供たちは家族のように、助け合って生きてゆくことを学んでゆきます。

かつて「ごくせん」でヒロインの熱血高校教師”ヤンクミ”を演じた仲間由紀恵さんが、今回は自身も辛い過去を抱えながら、子供たちを優しく労り、それでいて自分の力で生きてゆけるように育ててゆく、慈愛溢れる教師を演じています。

その他にも、温和な中にも深い見識を備えた里親文三を演じる石坂浩二さん。

かつて時代劇「逃亡者おりん」のヒロインを演じた青山倫子さんが、これから経験する出産後の育児に不安を感じながらも、里子たちを我が子のように可愛がる優しい女性奈美子を演じたりと、キャスティングも見どころ満載です。

きっと、観ている私達に、素直な心を取り戻させてくれる、そんなドラマだと思います。

 

<EVENT・その他>

 

「武術研究家 甲野善紀師範の「体を割って使う」武術 」

既に相手の剣で手元を封じられ、通常なら対応ができない危険な状態にもかかわらず、師範の腰から抜けた刀は何の妨げにも遭わず、スラリと抜けたかと思った瞬間には、逆に相手の正中線を斬っている。

師範曰く「普通に右手で鞘から刀を引っこ抜こうとすれば、その瞬間に動きを捉えられ、右手は切り落されます。手を使わず、上半身を左右に割って、互い違いに使えば、相手はこちらの動きを捉えられず、逆にこちらの刀が相手の正中線を抑えることができるのです。これは他のどのような武器を使っても、或いは武器を持たない体術(又は柔術)でも同じです。最近では、この武術の動きを、従来大変な重労働と考えられてきた介護術にも応用することで、介護者の負担が大幅に低減できることがわかってきました。」

体の一か所に偏らず、体全体が個別に、しかも一度に動き、それが一つの調和になった時、相手に見えない自然な動きとなる。それこそが古の達人たちの術だったと考え、それを究極の目標とすべく、甲野師範は今日も武術の真の姿を追い求め続けています。

 

桂歌丸独演会 」

さらっとしていて、テンポよく、聞きやすかったです。余計なことを考えずに最後まで聴けたのは、芸の力だと思います。素直に楽しかったです。「紙入れ」のおかみさんのくだりは、女性の表情・しぐさに見えました。「ねずみ」は最後の下げをちょっと言いよどみ、ご本人は間違ったと思われたようで、改めて小噺で納めとなりました。ライブならでは、でした。