●KOE-011 煽りVTRの演出が各局とも同じテイスト(コラムリスト小田嶋隆)

 バラエティ番組では、ちょっとウケた企画は、たちまち他局がパクる。そのパクリをまた別の局がパクるものだから、ひとまわりして、どれがオリジナルだったのかわからなくなる。売れないオリジナルより、売れたパクリ、このパックマン精神がTV界の正義。
 でも、スポーツがそれでは困る。「世界柔道」、「綜合格闘技HERO-S」で気づいたのだが、選手紹介のVTRでナレーションを担当しているのがまったくの同一人物。「PRIDE」のVTRで大活躍していたあのダミ声の男性、立木文彦さんという声優。
 「亀田」「世界陸上」「世界バレー」と、声優は別人でも、煽りVの文体はまったく判で押したように同じ。これ、スポーツの総プロレス化ってことにならないか?「スポーツ報道」とは何なのか。TV局は再確認するべきじゃないだろうか。