KOE-009 世界で100人以上が自殺した「暗い日曜日」

 「暗い日曜日(Groomy Sunday)」は、1936年、ハンガリーの作曲家シェレッシュ・レジェーによって作曲された曲である。その旋律と歌詞は、第二次世界大戦を目前にした欧州の空気を象徴する。元々シェレシュ自身の大失恋を主題とした曲であった。
 当時のハンガリーでは少なくとも17人が自殺し、世界では100人以上がこの歌に関係して自殺したと言われる。また相次ぐ事件を受け、「暗い日曜日」は英BBCほか世界中にラジオ局で異例の発禁処分となった(今なお、その禁は解かれていない)。一体何故かくも多くの自殺が起きたのか。その理由を知るのはおそらくシェレシュだけであろう。しかし今となってはそれも叶わぬことである。1968年1月13日の日曜日、作曲者のシェレシュ自身、突然アパートの窓から飛び降り、自殺してしまった。