No.350

BOOK

 

「漫画 香港デモ、激動200日!/ 扶桑社」

自由に物が言えて、国家や政府の批判も平気で口にできる社会で育った私にとって、言論が統制されることは恐ろしい。この本で、香港の若者たちがどんな危機感を抱いてデモに参加しているのかが、少しは理解できた気がする。

 

「官邸コロナ敗戦/乾正人

コロナ対策の初動の遅さは、習近平国賓来日を推進する人たちが関わっているのかな、となんとなく思ってはいた。未曾有の危機に、政府も頑張っているとは感じるが、中国の顔色を伺うのは、独立国としてどうだろう、と思った。著者提案の衆参両院の一本化、四年に一度の選挙の固定に賛成する。

 

「うつにならない習慣抜け出す習慣」 小野一之・著 石田淳・協力 すばる舎

3年前にうつ(らしきもの)を発症し、働くことさえできずに自宅療養を続けながらも、「何とか早く社会復帰したい」と考え、心理学、精神医学などいろんな書籍を読み漁りましたが、その中で唯一「これは役立つ!」と感じたのが本書です。

著者は精神科医ではなく、出版コンサルタントを営む軽症うつ経験者。協力者は人間の習慣を内面的(精神論的)にではなく科学的に変えてゆくための習慣管理手法「行動科学マネジメント」の第一人者。

まずは著者が軽症うつを「生活習慣病」と捉え、生活習慣の乱れによって自律神経の働きが狂ってしまうゆえの発症メカニズムを、自身の闘病経験を基にしてわかりやすく解説し、自律神経を整えるための生活習慣の改善ポイントを提案してくれます。

さらに協力者が、それらの生活習慣改善を内面的に進めるのには無理があることを前提とし、科学的に「改善し易くする手段」を考える手法として「行動科学マネジメント」の応用を提案しています。

薬に頼らないうつ治療を考える上で有力な参考書です。