「靴がなる」077

童謡を多く手がけた作詞者と作曲者による文部省唱歌です。前奏が、左手の4分音符の和音の連打1小節のみというのが、とてもシンプルでなるほどと感心しますが、あるいはこれは、伴奏する指導者への配慮なのかもしれません。
伴奏の右手は、歌のメロディをそのまま弾いていて、子供たちが歌うことへの、とても優しいサポートになっています。また、4小節1フレーズの、4フレーズで構成されていますが、1、2フレーズ目の1、2小節目は、どちらも最後が4分休符になっていて、歌うことに不慣れな子供たちでも、楽に息が続くように考えられているようです。
そして、すべてのフレーズの最後も4分休符で、3、4フレーズ目の2小節目の後には、ブレス記号も付けられています。さらに、高い主音から始まるということもあって、少しブレスが大変になる3、4フレーズでは、1、2小節は全く同じ音型、3、4小節も、リズムは全く同じに作られていて、ブレスの大変さをカバーしているようです。このように、歌うことに不慣れな子供たちに、とても気配りの効いた曲ですから、無神経にブレスをつなげたりせず、楽譜通りに休符を入れて、楽しく明るい歌に仕上げましょう。([E:#x266D]Ξ)

幼いころに耳にしたことのある人も多いのではないかと思います。手をつないで野道を行く様子を小鳥に例えたり、花を摘んで頭にさすという動作は、野花を積んではさすという動作を繰り返すと、はねているように見えたのでしょうね、それをうさぎに例えるなど、動作をいろいろなものに例えているのが特徴の一つだと思います。明るい内容の歌詞ですので、歌詞の内容に出てくる場面を思い浮かべながら歌うといいと思います。伴奏に変化が少なく非常にシンプルなので、歌で魅せることが重要になってくると思います。
歌の旋律も構造としてはシンプルです。それゆえに、淡々と歌ってしまうと、魅力的に伝わりにくくなってしまうと思います。4小節ずつを1つのまとまりと感じながら歌っていくのがいいと思います。特に歌いだしの小節とその次の小節などは、1小節ごとに感じるかもしれませんが、これだと短すぎてあわただしく聞こえると思います。
歌詞で読むと4小節ごとに区切りが来るように書かれていますので、歌う時にもその感覚を大事に歌っていくほうがいいのではないかと思います。シンプルな曲ほど、創意工夫が必要です。そういう意味では、いい練習曲になるのかもしれませんね。([E:#x266D]Я)