Q. コンコーネ50の2番の歌い方について教えてください。

A. テンポは、1番と同じModeratoですが、1番では最低音から最高音まで、順次進行(全ての音を歌って)です。4小節で昇りつめたのとは正反対に、4小節で、中間の主音から第三音までしか上がらず、歌う音符としては(記譜としては6個ですが)4個しかありません。

1番では、音程が動き回る中で、どれだけ声を安定させられるかが、課題の一つでしたが、2番では、一つの音程で、どれだけ長くきれいな声を安定させられるかが、課題になっています。

2小節目の第二音と、3小節目の第二音は、もちろん同じ音程ですが、いい加減に歌ってしまうと、微妙に違う音程になってしまうことは、珍しくありません。音質も統一できるように、慎重に歌いましょう。

ほとんどの部分が順次進行なので、上行ではしっかり正しい音程まで上がるように、下向では、ルーズに音程が下がり過ぎないように、気を付けなければいけません。ほとんどの休符が4分休符だということも忘れずに、音を伸ばし過ぎて8分休符になってしまわないようにしましょう。特に、四段目4小節目の4分音符は、伸ばし過ぎないようにして、この音符の表情で、この曲の雰囲気が変わるので、大切に扱いましょう。

スラーは一つもないので、レガートに一切しないというのも、一つの選択肢です。記載されているデュナーミクを練習するために、これらのことをいい加減にしてしまうとしたら、残念なことです。(♭Ξ)

 

A. この課題は音をキープすることがとても難しいです。楽譜上にはクレシェンド、ディミヌエンドが多く書いてありますが、初心者はあまり気にしない方がよいです。

それよりも伸ばした音に自然なクレシェンドがかかっているくらいのほうが良いと思います。

6小節のドの音を息でおさない。自然に上昇していくつもりで歌うと音程定まってきます。

6小節のブレスは静かに優しく吸いましょう。

6小節~8小節は下降形なのでドの響きをキープしたまま低い♯ファの音に降りてきましょう。♯ファの音を鳴らしすぎないように。

9小節~16小節までの上降形は押さずに、音量が増すのではなく響きが高くなっていくと思ってください。大声でごまかさない。

17小節のレの音はその前で高い音を出してブレスを吸う分響きが下がりやすいので注意が必要です。(♭Σ)

 

A. 2番の主な課題はロングトーンと、フレーズ内でのクレッシェンド デクレッシェンドと言えます。クレッシェンド デクレッシェンドをつけるにあたり、ただ小さい声から始まり大きくしてまた小さくする、という捉え方だと息が安定せず、声もうねって聴こえるのでよくありません。

最初はまず、全部の音をしっかり歌う練習をしましょう。その後で、ロングトーンで息を流すことを試みてください。

ポイントは1拍目からしっかり歌い出し、途中で息の流れを増やすことです。息の流れが増えることで、聴き手にはちゃんとクレッシェンドに聴こえるのです。

また、本来なら音が上がるときにクレッッシェンドするのが自然の流れですが、この課題では音が1度上がっているのにデクレッシェンドを求められています。勢いにまかせて声が膨らまないよう(強くならないよう)フレーズ末尾までしっかり身体を支えて歌うよう心掛けてください。(♯α)

 

A. この曲も、1番と同様に音があまり跳躍しません。ほとんどの音符が2度で移動しています。

いちど声のポジションを決めて、声の響きを掴んだら、そこから音を離さずにキープしながらディナミクスを作っていきましょう。1本の線上に、丁寧に音を並べていく感じは1番と変わりません。

声をコントロールするポイントは、最初の声を出すときが肝心です。例えば、針に糸を通すくらいの意識で丁寧に歌うこと。

最初に雑に声を出してしまうと、同音からのクレッシェンドからディミヌエンドが自由にできません。声を出す前から自分の声を良くイメージしていきましょう。曲の構成は、和音構成がだんだん変わっていくごとに、そのフレーズの和音のカラーを意識できればおのずとできあがります。

まずはのびやかに歌いましょう!(♯Δ)

 

A.この課題曲は、ほとんどがロングトーンで構成されていること、音型が順次進行で上がったり下がったりしながら、中間部では3度の跳躍で上行していること、クレッシェンドとディミヌエンドを多用していることが特徴です。一見するとシンプルなのですが、シンプルゆえにつぶしがきかない曲でもあります。

声を押したり硬くしたりしない状態で音を伸ばす訓練、音を大きくしたり小さくしたりという強弱を自在に操るための訓練、順次進行で特に下降系で音程が狂いやすいタイプの人への矯正の訓練として用いるとよいと思います。

ロングトーンではとにかく声を押し出さないこと、硬い声にしないこと、クレッシェンドとディミヌエンドの練習も含めて練習すると良いと思います。喉ではなく体で制御できるように訓練しましょう。

音程が狂いやすい場合、ソルフェージュ的な部分よりも、発声に起因する場合が多いので、押した声、硬い声にならないで歌えることを一番大事にすると良いと思います。できるだけレガートに歌うことを心掛けると、その部分が改善されやすくなると思います。曲はシンプルですが、テクニックを重視して歌うと、いい意味で結構疲れると思います。ここでの課題はよりレガートに歌う感覚をつかみやすくする練習になると思います。(♭Я)

 

A.1番に比べると、全音符で伸ばすことが多くなります。四分音符が連なっていると、リズムに乗りやすいので歌いやすいのですが、全音符は、伸ばしているときの拍感がないと、とても歌いづらいうえに、音も止まって聞こえ、息も流れにくいです。全音符の4拍分をしっかり息を流して、4拍カウントしながら歌うように心がけてください。ピアノの左手のパートを聞きながら歌うのもいいヒントになると思います。

楽譜には一小節の二拍目くらいにクレッシェンドの山が来ていますが、ここで山を迎え、そのまま減衰するよりも、意識は二小節目までつなげるようにしましょう。

二段目の3小節目から三段目の終わりまでは音楽がずっと順次進行でレミファソシドレミと上行します。意識をここまでつなげて、フレージングを作りましょう。4段目からは下降しますので、レガートで下降音を降りてきますが、4拍目の四分音符の音で止まらないように、動かしながら歌ってください。(♯β)

 

A.あえて楽曲構成からのアプローチにします。まずト長調なので若々しく歌わないといけません。一般的にト長調の曲は14歳の少年のイメージです。若々しさを助けるかのような低音のリズム。モデラート4分の4ですが、遅くなりすぎないように演奏するとよいでしょう。

ABA’の3部形式の曲は一般的に中間部「B」の部分を盛り上げて演奏するとうまくいくことが多く、この曲もそうです。念のため、Aとははじめの8小節、Bは次の12小節、A’は最後の8小節です。

AとA’がほとんど同じなのは通常の3部形式のセオリー通りですが、この曲の最大の特徴はAとBも実はほとんど同じということです。

それぞれの後半4小節がほぼ全く同じです。

またAの3、4小節目とBの3、4小節もよくみるとほとんど同じです。

曲が始まってから5小節目の転調がものすごくショッキングなはずなのに、3回やるうちに和らぐ、というのがこの曲のポイントです。(♭∴)

 

A.ロングトーンディミヌエンドを勉強する曲です。どちらもお腹での支えができていないと難しい技術です。2ついっぺんにやろうとすると大変なので、練習の際には、はじめは強弱を一切無視して歌うのがおすすめです。

上行するフレーズはたった2つの長い音だけです。長く伸ばすうちに、息が止まって推進力が失われないようにしましょう。prrrr(リップロール)で歌ってみたら、息が止まると失敗するので分かりやすいです。引っかからずにできたら、次は母音か階名で、音の変わり目で急いで次の音に行きたくなるのをグッと我慢してください。ギリギリまでその音を保って。

問題なくできるようになったら、強弱の課題に移ります。

まず意識していただきたいのは、ディミヌエンド(デクレシェンド)は「小さくする」であって「弱くする」と思わないことです。小さく絞っていくのにはパワーが必要です。「弱くする」も間違ってはいいませんが、弱くしようと思うと、息が止まって支える力も抜けて、身動きがとれなくなる人が多いからです。

いいディミヌエンドをするためには、フレーズ頭の短いクレシェンドを躊躇なくやりましょう。ここで声の照準を合わせないと、その後のコントロールが効きません。「どうせ後で小さくするし」と思わず、短時間で大盤振る舞いを、それさえ決まれば、あとはお腹を使いつつ絞っていくだけです。(♯∂)               [1906]