彼は「ヴォラーレ」を聞いて想像していた通りの人だった。
スケールの大きな感じの声に似つかわしいヒゲを生やした陽気なおじさん。
初めて画面を通してみた彼は、そんな表現がピッタリだった。
ステージやセットなどが、前に見たジャンニ・モランディのものと似ていたので、
きっと同じ頃なのだろう。 この頃の映像は、
イタリアらしい陽気な感じと、遊びゴコロがあって見ていて面白い。
でも、やはり驚いてしまうのが、彼らの声のすごさだ。
話していると思ったらいつの間にか歌っていたり、
高音の部分になっても声が太いままなので、
ヘンにカッコつけて「歌をうたう」というのではなく、
自然に歌をうたっていると感じる。
しかも、メロディがきれいでスケールが大きいので、
聴いていて思わず感嘆の声が出てしまう。
ライブステージでは、彼の力強さと陽気さ、
そして大人のあたたかさのようなものが滲み出ていた。
個人的にも、彼のような太くてストレートな声質が好きだと感じた。(N)