KOE-001 カラオケ採点の進化

 機器メーカー各社が取り組んだのが、音程の正確さだけでなく、歌い方の技術を採点基準に取り入れる方法。音をふるわせる「ビブラート」や、低い音から歌い出して本来の音程に上げていく「しゃくり」といった歌唱法を使うと、点数が上がる。
 歌声が発する音の波形や声量の大小の信号から、ビブラートやしゃくりに特徴的なパターンを機械が自動検出する。もはや音程が正確なだけでは、高得点を狙えなくなった。
 第一興商も「しゃくり」「ビブラート」「抑揚」「タメ」の有無の項目も加えた採点法を導入。歌唱力のある社員が社内の専用スタジオにこもり、声質を変えたりして様々な歌い方の歌唱サンプルを収集する。これまで集めたのは約三百種類という。各サンプルを人が実際に聞いたときの感覚と、機械が採点した結果とのズレを修正して採点プログラムを変更する地道な作業だ。