No.281

CD

 

アホの坂田のテーマ」作曲/キダタロー 唄/コメディNo.1

「アホ」といえば大抵は軽蔑の意味で使われますが、この「アホ」をトレードマークにしてしまったのが上方漫才コンビ、コメディNo.1坂田利夫さん。

事の起こりは、ある時漫才をしていて、相方の前田五郎さんが「お前、アホちゃうか?」と突っ込んだところ、坂田さんが何の気なしに「そうや、アホやで。」と応じたところ、大ウケにウケてしまい、「これだ!」とひらめいて以降、「アホ」キャラで売り出しました。

ついには1972年には坂田さんがメインボーカルを務める「アホの坂田のテーマ」がリリースされ流行しましたが、同じ「坂田」の姓を名乗る学生がクラスメイトからいじめを受けるなどの問題により、この歌の放送、レコード発売は自粛されてしまいました。

いつしか坂田さんは「アホ」を続けることに疑問を持ち、この芸風をやめようと考えましたが、そのとき、「アホ芸」の大御所、藤山寛美さんが声をかけてきました。

「アホいうもんは、優しい人間しかなれへんもんや。」

寛美さんにこう諭され、坂田さんは再び「アホの坂田」として活躍する一方、師匠として弟子の育成にも励み、上方お笑い界の重鎮として評価されるようになりました。

子供ができると「アホの子」といわれて負担を感じるだろう。そう案じた坂田さんは、生涯独身を貫いております。

 

 

DVDCINEMATV

 

「ギター弾きの恋 」

ウッディアレンのジャンゴを題材にしたドキュメンタリータッチの映画。音楽が好きになれる映画。

 

 

EVENT

 

「遠藤征志トリオ」銀座・ノーバード

ヴォーカルなし、ピアノ遠藤征志の繊細なピアノ、呼吸を読んでベース長谷川泰弘が入り、ドラム中谷啓之がサポートする。呼吸と間合い、これを土台に三者三様、時に激しく時にゆったり音楽を進め、リズムの切れ上がりはバッチリ。呼吸で音楽を作っていく感じが、聴いていてとても楽しく、心地よい。そして、ライブが終わって、自分の背中の力が抜けた感じに気がついた。多分、最近の私は、発声時のフォームや背中を意識し過ぎて日常でも背中に力が入り、それでこのところ体の感覚が落ち着かなかったのかもしれない。つまり、このライブはそれだけリラックスできた、良いライブだった。

 

 

<店>

 

「トラジ日本橋(焼肉)」東京

竹をあちこちに張り巡らせた内装で、雰囲気のいいお店。ただ、席ががらがらにも関わらず料理提供が遅く、肉も野菜も提供されてから焼くことになるので実際に食べるのはさらに遅くなる。肉の味・匂いが薄く、脂も乗っていない。国産牛らしくない国産牛、という印象。量も少ないので満足度は低い。ただ、締めに頂いた辛口の冷麺は喉越しもよく、スープ自体が非常に完成度の高い味だった。

 

 

An(日本料理)」神谷町

目の前で板さんの仕事を見ることができる寿司カウンターもある。店員さんはこまめに、そしてさりげなく席の様子を見ており、飲み物もなくなる直前にはきちんと聞きに来てくれる。家族の食事からデート、接待にも使われていたようで、用途は広い。

手鞠寿司は見た目に可愛く、三貫盛りのネタの一つには食用菊を出汁で煮たものがあった。旬ではなさそうだれけど、薄味の出汁と菊の花のほろ苦さは、三貫という限られた枠を埋める一種として盛り込むのに十分な魅力がある。場所柄、外国人のお客さんも多いようで、こういった寿司は受けが良さそうだ。日本人が食べても美味しく頂ける。総合的にレベルが高いお店。

 

「グラッシェル(アントルメ)表参道

 大通りから一本、小路を入る。人の気配がなく、そこに佇むお店の店内は、14時過ぎという時間にも関わらずほぼ満席。注文したのはどろぶたのリエット。添えられている野菜が量も種類も多く、新鮮でおいしい。リエットはバゲットにつけて食べるが、クセが少なくあっさりと食べやすい。メインターゲットが若い女性に設定されている。有名なのはデザート。特にアイスケーキに特化していることで知られる。アイスクリームとも普通のケーキとも違う美味しさがある。こういった専門店以外で、例えば普通のコース料理のデザートなどでアイスケーキを見かけることはまずないけれど、味としても見栄えとしても、もっと広く採用されていいデザートなのではないか。

 

「レジー(イタリアン)」六本木

ファーストドリンクがかなり遅い。最初の料理が出てくるまでに四十分以上、次が来るまでにそこからさらに十分以上かかった。ピクルスとレバーパテという、事前に仕込んであるものを盛り付けるだけの、時間をかけてはいけない前菜である。続いて、ホタテのソテーと鮮魚のソテーが間違えて運ばれてくる。アヒージョを頂いている途中で「ご一緒にバゲットなどいかがですか」という提案があった。実際に頼んだところ、バゲットはアヒージョを完食してから三十分後の提供となった。オイルも何も冷え切ってしまっているうえに、肝心のバゲットはなぜか焼きたてではなく冷めていた。

ピッツァは一時間以上たってから登場、しかもパスタと間違えられている。他にもソフトドリンクが注文から十五分以上。

お料理の味は普通に美味しく、お店は綺麗で、立地等考えると何よりコストパフォーマンスに優れている。それなのに、とても残念だった。