No.277

CD

 

「天樂」和楽器バンド

琴、三味線や尺八といった和楽器とギターやドラム ベースなど洋楽器がそれぞれにおいて頂を目指している。

その結果、それぞれを高め自己自我を出して形として結末としてその場所に一つにまとまったのを感じる。

この曲を聞くと、ボーカルさえも和太鼓やベースと同じく一つのただの立役者に過ぎないのだなと感じさせられる。

その一つ一つの音色が退(しりぞ)くことも退()くところもない主役なんだと感じさせられる。

 

DVDCINEMATV

 

「時代劇ニュースオニワバン!「桃太郎侍スペシャル」時代劇専門チャンネルオリジナル番組

当チャンネルでは懐かしい時代劇作品の再放送をメインにしており、それらの作品の合間に5分間の情報番組として、時代劇ニュースオニワバン!を放送しております。

今月は、昭和50年代に高橋英樹さん主演で大人気を誇った「桃太郎侍」放送にちなみ、オニワバン!の1時間枠でのスペシャル版として「桃太郎侍スペシャルが放送されました。

一番の見所として、英樹さんと東映剣会のベテラン殺陣師、峰蘭太郎さんの立ち回りを久しぶりに観ることができましたが、その前に英樹さんが番組司会のえなりかずきさんに殺陣の基本を特別指導しました。

演劇用の刀は竹光ですから目方も軽く、簡単に振り回せそうですが、英樹さんが強調したのは「本物の刀を抜くように重々しく抜くこと」でした。

この一言が自分自身の腹の中にズシリと残りました。実際に合金製の練習刀で「重々しく」抜こうとしても、その重みが実感できないのです。

これは意識の問題ですから、ただ物理的にゆっくり抜くとか、膝を曲げて腰を落とせば良いとか、そんな単純に説明できることではないと思います。

これは自分にとっても、大きな宿題になりそうです。

その他にも、この番組では、主演俳優としての英樹さんの仲間に対する気配り、主題歌を担当した歌手の三波春夫さんから受けた衣装についてのアドヴァイスなど、お芝居作りに関する貴重なエピソードが聴けました。

 

「チョコレートドーナツ 」

まだ同性愛者が偏見で人格が理解されてない頃の話。母親が麻薬中毒患者のダウン症の子供マルコをニューハーフ(オカマという感じだが)のショーダンサー兼歌手が母親逮捕で施設に引き取られそうになっている子供を無理矢理引き取る。恋人の弁護士と愛情を持って育て、3人仲良く幸せに暮らしていたが母親が刑を終えて出てきたのでマルコは母親の元に戻らざるを得なくなった。母親はそのとたんマルコをないがしろにしはじめた。絶望したマルコは可愛いそうな結果に。

こういう物語はリアリティーがないなと思ったら実話をもとにしたそうだ。主役のゲイの人も本物のゲイで現役のショーダンサーだそうだ。女性の声を流し口パクで営業していたが、彼氏の進めで自分の声で歌い出した時の歌は心がこもっていて心を打った。。この人の笑顔はとても優しい。マルコ少年も本物のダウン症の俳優だ。チョコレートドーナツという題名はマルコの好物で3人で暮らしている時、時々、食事として許された。

 

「かみさまとのやくそく」池川明医師等

前世記憶・胎内記憶をもった子供のドキュメンタリーフィルム。前世があるかないかということに限定されず、いろいろ考えさせられる映画。個人的には確信はないがそんなこともあるかもしれないという認識。子供が親を選んできたとか、数々のリアルな発言には驚かされる。関連図書を読んだりしているが、現時点では、人間は自分の能力(人格や知力等総合的に含めて)が高ければ選択肢が多くなり有意義な人生を歩むことができるのではなかろうかと理解している。

 

EVENT

 

「ドラスコ・ライブ」南青山マンダラ

オリジナル曲を中心に演奏するジャズユニット。鍵盤ハーモニカ、フルート、ギター、ベース、ドラム、パーカッションの各メンバーの音が複雑に絡み合って楽しい。一曲10分近く要しても飽きずに聴ける。ボーカルなしのライブを聞く時、ボーカルの役割って何だろう、といつも思う。今日のようなライブは全ての楽器が対等に影響しあっている。歌と伴奏楽器の関係とはちょっと違う。伴奏は歌を助けてくれるけれど、一緒にやって楽しいと思ってくれてはいない気がする。それは私が下手くそなせいかな。

 

シモン・ボッカネグラローマ歌劇場 )」

もともとは評判のソプラノ、バルバラ・フリットリを生で聴いてみたいと思い、お財布をはたいてチケットを買いました。しかし、バルバラ・フリットリは急病で降板してしまいました。ガッカリです。けれど、実際の舞台はとても素敵でした。東京文化会館の四階の最後列でしたが、歌い手さんたちの声は十分に届き、声楽の技術とはすごいものだと思いました。バリトンリッカルド・ザネッラートの声を聴いて、あっと思いました。低音なのに重くない、軽いように聴こえるけれど、ちゃんと聴こえて美しい。今まで、低音は重いという印象があり、自分自身の発声についても、低音は胸声で実音でしっかりした重さがあると思い込んでいました。トレーナーが低音は押さない、と以前からおっしゃっていましたが、このことかと思いました。

 

アイネ・クライネ・ナハトムジーク」大谷康子(ヴァイオリン)

ミューザ川崎モーツァルト・マチネで聴きました。指揮者のいない演奏会で、第一ヴァイオリンの大谷さんが指揮者替わりも勤めました。正指揮者のいないせいか?東京交響楽団管弦楽陣はのびやかな演奏、大谷康子さんはヴァイオリンを弾いているというより、自分の体をのびやかに使って楽器を十分に鳴らしているように見えました。不思議です。以前、津軽三味線の奏者が三味線と一体化しているように見えたことがありましたが、大谷康子さんは自分の体がヴァイオリンの弦のようでした。

 

白川英樹(ノーベル化学賞受賞者)講演会」 

運よく講演会を聞くことができたが、観察力や着眼力にすごく驚いた。子供のころにご飯炊きや風呂焚きの手伝いをしていたとのことでまきを燃やすときの炎色反応が面白くて化学の道に入ったとの話があった。日本国民のほとんどがまきを燃やす生活をしていながらほとんどの人にとってはノーベル賞につながる体験ではなく、単なる炊事に終わっているところに考えされられるところがあった。セレンディピリティの話が取り上げられていたが、幸運をつかむためには圧倒的な知識の量が必要→つまりことの重大性がわかるためには知識が必要ということを強調していたのが印象的だった。

 

 

<店>

 

千疋屋総本店(フルーツパーラー)」池袋

高級果物を販売するお店として日本一有名だろう千疋屋、そのフルーツパーラーの池袋店。外装や内装に特別感はさほどなく、意外にもシンプル。メニューはやはり果物が中心で、カットフルーツの盛り合わせや、旬の果実を使ったデザート物が大半を占める。中にはサンドイッチやオムライスのような軽食メニューもあるが、そういった食事ものに関しても、具材や隠し味として、必ず果物が入れ込んである。実際に食べてみると、軽食からデザートからジュースまでの一通りが、どれも濃密な味を持った果物で構成されていることが分かる。全てが果物を活かすための料理であり、盛り付けであり、味付けである、どこまでも果物が中心のお店。一般に普及していないような珍しい果物が使われているわけでは

ない。だから、口に入れてみて知らない味ということもない。誰もが知っている王道の果物、しかしその中で全く質の異なる最高級の果物を扱う。それを、最大限に活かす。偏っているが、特化して突き抜けているがために、「美味しい果物なら千疋屋」という確固たる地位とイメージを築いているのだろう。

 

「とうふ屋うかい(和食)」八王子

うかい系列のお豆腐やさん。このお店は何をおいてもまず、コストパフォーマンスに優れているように思う。味と空間、サービスを含め、お店で提供されるものとその対価とを考えたとき、これほど安く感じる飲食店もなかなかない。八王子の地下水を使って作られる豆腐は、その水ありきでお店をそこに作ったというだけあって、非常に美味しい。「寄せ豆腐」は初めて食べたが、味もさることながら、量も食べきれないほどにあり、じっくりと堪能できる。美味しいものを一口ずつだけ、というのも贅沢な楽しみ方だけれど、口いっぱいに頬張って思う存分味わうというのもまた、高い満足度を得られる楽しみ方だと感じた。一言で「豆腐」といってもその種類も調理法も無数にあり、豆腐料理だけで飽きの来

ないコース料理を提供できるのがこのお店の強み。季節ごとにコース料理を新しく変え続けても、様々な角度から多様な表情を見せる豆腐の魅力は、尽きることがないらしい。

 

sky(イタリアン)」東銀座

表向きはイタリアンとのジャンル分けが為されているけれど、実際のところイタリアンとフレンチの折衷のような印象。三井ガーデンホテルのメインダイニングである。料理が綺麗で、美味しくて、サービスの質も高いという、ホテルレストランの見本のようなお店。基本に忠実で、その基本のレベルがとても高い。オープンキッチンの部分があり、厨房の様子が覗けるのだが、またその料理人の愛想が良いので印象も良くなる。自分の目の前に出される料理をどんな人が作っていて、どうやって作られているのか。場所柄、目や舌の肥えたお客さんも多いので、見せることがマイナスになってはならないが、その透明性を付加価値の1つとするだけの自信があるのだろう。着々と料理人の手が進むにつれ、待つ側

には期待感が募る。意外にもここは、美味しさに加えて「楽しい」お店だった。