No.261

<CD>

「フォーセンティメンタル・リーズンズ」リンダ・ロンシュタットジャズとポップススタンダードのアルバム。レッスン日の朝に聞いて、地声での高音がきつく聞こえましたが、レッスンで地声ばかり出した後で聞いたら、きつく聞こえませんでした。自分がどんな声を使うかによって、聞こえ方も変わるのかもしれません。

 

「この世の果てまで」ブレンダ・リー
最初に聞いた時はソフトに歌っているように聞こえました。何回も繰り返し聞いて、その後少し離れた所で洗濯物を干しながら聞いていたら、さっきより離れているのに声の輪郭がくっきりと聞こえ、声自体は強いことに気がつきました。

 

「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」エラ・フィッツジェラルド
三年前に聞いた時は良さがわからなかったけれど、今聞いたら、スゥイングのノリが楽しいと感じます。Wレッスンの効果で、リズムが感じられるようになったと思います。

 

宇多田ヒカル
昔聴いた時は、苦しそうな歌い方をする歌手だと思いました。でも、癖になります。
この歌い方は単なる歌ではなく、別物という感覚がします。個人的な感想ですが、歌詞は普通という印象なのに歌でしっかり伝わるので、凄いヴォーカリストだと思っています。

 

唱歌「スキー」 時雨音羽作詞・平井康三郎作曲
今この季節に唄ってみたい唱歌です。スキーと言えば昔も今も若者向けのトレンディなスポーツですが、この歌は唱歌らしく歯切れの良い歌詞に力強いリズムの曲が合せられており、ゲレンデの寒ささえ忘れてしまうほど元気になれる歌です。
久しぶりにこの歌を唄って、最近の寒波を吹き飛ばしたいものです。

<DVD・CINEMA・TV>

「"世界最強"伝説 ラスベガス 世紀の一戦」NHKスペシャル 
フィリピン出身の天才ボクサー、マニー・パッキャオ(Manny Pacquiao)にまつわるお話です。
ご存知の方も多いかと思います。 彼は6階級制覇を成し遂げた、史上2人目のボクサーであり、アリ、タイソンに並んで、歴史に残る天才ボクサーです。 そして同時に、1試合何十億(!)というファイトマネーを手にし、貧しい故郷、ミンダナオ島の発展に資金とエネルギーを注ぐ、フィリピンの国民的英雄でもあります。
いつか白黒映像で、街頭で力道山の試合に熱狂する戦後の日本人の姿を観たことがありました。フィリピンにおける彼の試合の視聴率は、時に60%を超えることもあったいうのですから、まさにその状況です。ガチの”国民的英雄”なのです。”国民的美少女”といった売り文句とは質が違うのです。ガチなのです。 
しかしそんな彼にも転機がやってきました。昨年12月、ついにマットに沈むのです。年齢の問題もあり、ピークを過ぎたとは言われていたものの、あそこまでの派手なKO劇を、誰が予想できたでしょう。 
試合の映像は、この番組の中でも流れます。フィリピン国民と彼とのつながり、さらにはその背景を見させられた後に、です。「やめてくれ~。負けんといてくれ~・・・。」という願いのような気持ちが、自然と込み上げてきました。映像は何度も見たし、結果も知っているがゆえに、何とも切ないのです。 彼はもはや1人のボクサーではなく、国民の期待を一身に背負った英雄。時間にしてたった20分。一瞬で決まったその勝ち負けは、技術論を超えて、ひたすら重い・・。  失意を胸に帰国するパッキャオ。国民の期待に応えられなかった無念。 そんな彼を迎える国民の反応はいかに・・・   
彼はボクシングを、「闘鶏と同じようなものだ。」と語ります。闘鶏とは、足にナイフを付けさせた軍鶏を戦わせる賭博。片方が死ぬまで、戦いは終わりません。観客はどちらかに金を賭け、その勝敗の行方に一喜一憂し、我を忘れる。 彼が国民的英雄であることは紛れも無い事実。しかしその反面、彼は人々を熱狂させ、その憂さを晴らすために命のやり取りをする、哀れな一羽の鶏に過ぎないのかも知れません。
国民的英雄と、一羽の軍鶏。ラスベガスと、ミンダナオ。富める者と、貧しい者。勝つ者と、負ける者。持てる者と、持たざる者・・・。  それらの、哀しいまでに極端な対比が織り成すドラマを、見せ付けられた気がします。 皆さんも、お時間あったら是非ご覧になってみて下さい。

 

レ・ミゼラブル
表現、声、俳優の気迫ともに圧倒的でした。
あくまで気持ちがあっての歌なのだと再認識できました。
伝えたいこと、感じたことが声に乗るとは、こういうことをいうのだと感じました。

 

題名のない音楽会
校歌の特集でいくつかある中、東北大震災で全校生徒犠牲者を出さなかった釜石小学校の校歌が感動を呼びます。徹底した防災教育で子供達がぐずぐずする親や祖父母を泣きながメールを送ったり早く高台に逃げるように誘導して命を救いました。釜石の奇跡の訳は?

【釜石小学校校歌】
 井上ひさし作詞
 宇野誠一郎作曲

まさに津波の時はこの校歌が役立ったと思います。校歌って懐かしく思うばかりではなかったのですね。命を救った校歌です。ちなみにこれを作ったのは「ひょっこりひょうたん島」の歌のコンビです。私の家の近くの高校が日本一難しくて簡単に歌えない校歌に選ばれていました。合唱曲になっていました。歌の力はすごいです。

 

古典落語「あくび指南」 五代目古今亭志ん生
好奇心旺盛なのは良いが何をやっても長続きしない八っつぁんが、友達の熊さんを誘って習い事に行こうとする。何の習い事かと思えば「あくび」だという。
あくびなんぞ習うほどの値打ちもないといって嫌がる熊さんを無理やり連れて「あくび指南」という看板のある一軒の家に入門を願い出て稽古を始めた八っつぁんだが、先生のお手本のように上手くはできない。挙句には何を間違ったかくしゃみをしてしまう有様。
外から稽古の様子を見ていた熊さんが業を煮やし、「おめえたちの馬鹿馬鹿しいやり取りを見てるおいらの立場になってみろい。退屈で退屈でならねえや。ファーーーッ」とやった瞬間、先生が「こりゃお連れさんの方が筋がよろしいようで」といったところでオチがつく。
思えばこの落語のネタを書いた人は話術や健康法としての「あくび」の重要性をテーマにして書いたのではないのだろうか。そんな気がしました。

 

<BOOK>

「中野剛司」
かなりお勧めです。多角的に政治や経済を語っていて、分かり易く面白いです。

 

「 高岡英夫は語る すべてはゆるむこと」松井浩著
武術、スポーツ、勉学や芸術など全ての達人は皆体がゆるゆるにゆるんでいるという本です。発声含めあらゆることに通じる内容です。具体的にどうすればいいかというのは書いてありませんが、気付きの為の書物です。

 

「ビジネスマンの父より息子への30通の手紙」城山三郎訳・新潮社
研究所の言葉のトレーニングにも掲載されています。
朗読のトレーニングにも使えるばかりか、内容が人生への挑み方など生きる指針となる本です。

 

「人生二度なし」森信三著・致知出版
昭和初期の教育学者・哲学者の本です。
あくまで現実に立脚し、自分の天分を生かして、生きることの大切さを説いています。
覚悟を決めていくことの大事さを痛感しました。

 

「38歳までに決めておきたいこと」小倉広著・日本実業出版社
組織コンサルタントの方の本です。
この方の本はどれれも自分の失敗談を事例に書かれているので、
非常に共感しやすいです。
自分が36歳というタイミングもあり、手に取りました。
40代で生き方の腰が定まっていないことへの危機喚起をしてくれる本です。
天命といって大げさに構えるのではなく、自分の仕事の中に見つける事ができると説いてくれます。

 

「 よりよき人生」
その人にとって何が幸せなのか
何を選択するか
とてもとても心に響き、とてもとてもリアルでした。

 

「朗読ダイエット」ドリアン助川
研究所のレッスンを自分の身体を通して、素敵な言葉にしています。わかりやすいです。腹式呼吸は「横隔膜を友にする」。息を吐くイメージは「息の上に大きなシャボン玉が乗っていて、息の勢いでくるくる回る」。「お腹に大きな空気袋があり、それが胸を縦に貫く肉管楽器につながっている」「体の中にエッフェル塔を立てる」「声は縦に発射する」。そして「大地からエネルギーを得る」というこの部分は以前、会報のレッスンレポートに載っていて、なんて素敵な感覚をレッスンでつかみとっているんだろう、と感じていました。その人がこの本の著者だったのですね。私も大地と繋がりたいものです。読後、早速マイ譜面台を買いに行きました。両手を自由にするために。どうして今まで気がつかなかったのか、と思います。

スタンフォードの自分を変える教室」ケリー・マクゴニカル・著 神崎朗子・訳 大和書房
潜在能力を引き出すための「意志力」即ち「やる力」、「やらない力」、「望む力」を強くするにはどうしたらよいかを、心理学、脳科学の観点から説明している面白い本です。
まず人間は自分が本当に幸せになるための目標を考えます。しかし、その目標も様々な妨害に遭って、いつしか目先の利益にばかり釣られるようになってゆく。
その中でも特に人間はどのような誘惑によって、尊い将来の目標よりも、つまらない目先の利益に釣られてゆくのかを考察し、目標を達成するために必要なことを「やる力」、有害なことを「やらない力」、本来の自分の目標を継続的に「望む力」、即ち「意志力」鍛錬の戦略を提案しています。