No.260

CD

 

「音のない部屋 」ネルソングレード

尾崎豊の曲のカバーです。尾崎本人の良さと、ネルソングレード自体の良さが両方あり、それって非常に凄いことではないかと思います。人真似で終わらないあたりはさすが実力です。

 

 

「ベニャミーノ・ジーリ

良い声を日常聴いていようと思い、聴いています。大きな声と小さな声の落差があり、小さい声がとても印象的な美しさ、「a」の母音がとてもきれいだと感じます。

 

 

DVDCINEMATV

 

RENT

今までミュージカルにはあまり興味が湧かず観たことがほとんどなかったのですが、舞台版と映画版両方観て感動しました。歌やパフォーマンスなど素晴らしくて、何度も観ています。(全くできませんがover the moonなど真似しながら。seasons ofloveはハーモニーがとっても温かいのですね。私にとっては、やろうと思ってすぐ作れる温かさではないなぁと、口ずさみながら思っています。舞台版、映画版、それぞれに面白かったです。)

 

レ・ミゼラブル

それぞれの登場人物の歌が、ただの綺麗な歌でなく、それぞれの個性が出ていて面白かった。

ヒロインの歌より、悲恋に打ちひしがれる恋敵の唄の方がどうしようもない感情がドロドロ込められている気がして聴きごたえがあった。

 

題名のない音楽会

今年生誕400年で盛んに演奏が行われているヴェルディがオペラ以上に1番の作品、最高傑作は「音楽家憩いの家」という老人施設を残したことだ。。イタリアのミラノにあり、財産を残せなかった音楽家の為に余生を過ごす家。その家(といっても会館のような所)に住むヴァスタさんという80才の歌手は歌の指導もしており、ピアノを弾きながら日本人にもレッスンしていた。細かく止めて、歌に表情をつけてとか声がこもっているから前に出してとか、非常に理解しやすかった。その日本人女性はヴァスタさんを人間的にも素晴らしく尊敬していると言う。

若い時、オペラ歌手だったが指揮者と結婚した。「リゴレット」に出演していた時、相手のテノールの人に抱き締められたのを客席で見ていた夫が嫉妬し怒るので辞めて専業主婦になった。長いこと辞めていて一人になった時に又、歌手に戻った。レッスンしていたので声は出たそうだ。歌手として第二の人生を充実して過ごしいるようだ。コンサートするホールもあって「さようなら過ぎし日々の美しく楽しい夢よ」「天使の中の聖女よ」「世界でただ一人君を愛す」を歌った。そこの施設に住む人が観客だったがうっとりと感動していた。衰えを感じさせない美しいソプラノだった。番組の副題に「奇跡の声」というようなことが書いてあったと思う。私はヴァスタさんより全然若いのに声の衰えを感じたりして、たるんでいると思った。しかしあのような所には誰でも入れないだろう。やはり人を魅了して社会貢献出来る人でなければ。

 

 

BOOK

 

55歳からのハローライフ 」村上龍

昨年地方紙に連載されていた新聞小説。登場人物や背景の細かい描写がとても優れている。とにかくシビアな視点(特に金銭のやり取りのシーン 細かい金額まで記載)で淡々と書き上げている。クライマックスの直前部分まで緻密に事実を積み上げながら、肝心のメインイベントは何も触れず、終盤を迎えており、ひとつも描写をせずに読者に場面を想像させてしまう作者の力量に脱帽してしまう。

 

「歌手なら誰でも知っておきたいからだのこと」

今の私には難しく、やっと読んだ本でした。けれど、読んでおくことで、この先、またいつでも読み返せるし、何か疑問に思った時に調べることもできる。読後、自分の引き出しを増やしたように感じます。

 

「夢をかなえるゾウ・2」

ベストセラーの続編。サラリーマンから転職して芸人になった主人公が、成功を目指して不思議な神様たちの力を借りながら成長する笑いと涙のストーリー。夢がそのまま叶うとは限らないけれど、努力は決して無駄にならない、と思わせてくれます。私がドキッとしたのは、「他人に与えることは大事だけれど、他人から受け取ることも必要」。私は他人から何かをしてもらった時やほめてもらった時に、自分にそうしてもらえる資格があるのか、他にもっと相応しい人が…、とつい思ってしまいます。けれどそれは結局、他人の好意をはねつけているのだと思いました。何かしてもらったらありがたく受ける、ほめてもらったら気持ち良く受け取る、それが自分も他人も生かすことかなと思いました。「いい人は他人を喜ばせるのではなく、他人から嫌われたくないという気持ちから自分の欲求を抑えつけてしまう。抑え続けることで、どんどん「やる気」を失ってしまう。自分の欲求を口に出すと他人の欲求とぶつかり、いい人ではいられなくなるけど、そうやって欲求をぶつけながら、それでもお互いが喜べる道をみつけていくことが成功の秘訣。」人の間で生きていくって、こういうことなんだなぁと改めて思いました。

 

 

「間抜けの構造・ビートたけし」 

「間」は生き物、間を征すれば芸事を征す、人間関係もおそらくそうでしょう。著者の「間」への神経の研ぎ澄まし方は鋭く、他人の呼吸を読んでいます。ベテランの俳優がお互いの「間」を潰し合う話は凄い。私自身は間の悪い、間抜けタイプですが、著者が「間」の悪い人に向ける眼差しには温かみがあります。それはお笑いの世界においては、間抜けなエピソードも笑い話に使えるし、それで人生一発逆転もできるからでしょう。人生は生きて死ぬまでの「間」。バイク事故で死にかけた著者ならではの突き抜けた人生観です。

 「聞く力・阿川佐和子ビートたけしが「アガワさんと話すとつい喋りすぎちゃう」と帯に書いているベストセラー。対談のインタビュアーとしての数々の失敗を気取らずに披露しているところが読みやすく、親しみが持てます。人とのコミュニケーションで一番大切なのは、相手を受けとる力だと感じました。

 

「「つぶやく」時代にあえて「叫ぶ」 」齊藤孝

この著者の本は非常に面白いです。現代の人類に警鐘を鳴らしている気がしますが、良くなるためのポジティヴな提案をしてくれている気もします。

 

「作曲本 」野口義修 著

作曲に結びつく音楽の聴き方などが書かれており、初心者が作曲の入門書として読みやすい本。

 

EVEVT

 

「天才でごめんなさい」会田誠 

六本木で絵画展開催中、自分の高校時代の先輩に当たる画家。直接面識はないが、高校時代から伝説的(?)な存在だったので注目している。個人的には彼の作品を手元におきたいとは思わないが(すみません)、芸術とは何か、特に現代芸術のあり方(創造性とはいったい何か)を考えるきっかけにはなると思う。「天才でごめんなさい」というタイトルが非常に魅力的に感じる。一度公言してみたいとひそかに思ったりしている。

 

草間弥生展 」

全国展開中。地元で開催されたときに観に行ったがとにかくすばらしい。年齢を重ねるにつれて色彩感覚が優れてきていると思う。ドキュメンタリー映画の「わたし大好き」というフィルムも機会があればどうぞ。すばらしい(?)発言の数々にまた納得。(EX(自作の詩を朗読した後で・わたしって天才ね、とか、ウォーホールピカソよりも高みを目指す、とか今の心境は山の頂上に土を盛ってさらに高みに上がろうとしているわ、晩年なんかじゃないわよ、とか、うんと高く作品を売ってね、とか。)

やはり世界を目指す人は違うと思った。世界を視野に入れるにはこれぐらいのエフカシーが必要だと感じた。少なくとも心の中ではそのような気持ちを持ち続けたいと思う今日この頃である。年齢と若さや活力は関係ないと感じた次第。

謙遜も重要かもしれないが、少なくとも表現という世界ではマイナスに働く作用のほうが多いような気がする。