1.歌詞と曲と演奏など
(ことば、ストーリー、ドラマ、情景描写、構成、展開、メロディ、リズム、演奏、アレンジなど)
2.歌手のこと
(声、オリジナリティ、感じたこと、伝えたいこと)
3.歌い方、練習へのアドバイス
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1.「世界残酷物語」というおどろおどろしいタイトルの映画の、テーマソングとは思えない、愛に溢れた曲です。
2.3人を比べてみると、皆、一世を風靡しただけあって、3人共に安定した発声で、その限界を感じさせない、うまい歌いぶりです。
アンディ・ウィリアムスは、それほどには熱くなく、自然に歌い上げる感じで、少しオシャレな感じです。
ナット・キング・コールは、ジャズシンガーらしい、クールな感じで、まとめています。
トム・ジョーンズは、身体をうまく使って、一番歌い上げています。
3.キーの設定によって、熱く歌ったり、クールに歌ったりできるので、自分の声に合わせて、いろいろ取り組んでみるとよいでしょう。(♭Ξ)
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1.この曲は全体的に付点二分音符全音符が多く7度の飛躍も度々あるので、テンポが停滞しやすい傾向にあります。4/4拍子でModerato(中くらいの速さ)ですが、テンポは常に前に流れていく感覚で、7度の飛躍も軽やかに歌い進めることがポイントです。
2.ウィリアムスは癖のない美声で、全体的に旋律をレガートで歌っているのでその滑らかさも相まってとても聞きやすいです。
それとは対照的に、キングは語るような感じでフレーズを短く切り、リズムもより弾んだ取り方で特に歌い出しの印象がガラッと変わります。
トム・ジョーンズはレガートな歌唱に加えて、より情熱的な感情を乗せた歌だと感じます。例えるとウィリアムが大人の男性なら、トム・ジョーンズは彼よりも若く青年の等身大の表現のような印象を受けました。
3.歌手によって歌い方は様々ですが、キングの真似をしてフレーズを短く切ると息の流れを邪魔するので歌いにくい(声が進みにくい)です。歌詞の内容に沿いながら、必要な箇所ではブレスも入れますが、フレーズはなるべく大きく捉えて歌いましょう。この曲はテンポが停滞しやすいので、息の流れを促すためにも、いったん歌詞を外して子音Zだけで歌う練習をお勧めします。(♯α)
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1.非常にロマンチックであり情熱的な内容の歌詞を歌った曲です。三者ともアレンジや歌い方が全く異なっていますが、歌い手によっていろいろな解釈やメッセージ性を活かしながら歌うことによって、同じ曲でも非常に幅広い違いが生じるでしょう。
2.ウィリアムスは、基本的にはしゃべるような音域の声を使っていますが、ところどころファルセットに抜く歌い方にしている印象を受けます。
キングは、多少リズムも崩して、語るような歌い方をしていますが、少々跳ねたような歌い方をしているのが特徴的です。
トム・ジョーンズは、力強い印象を受けますが声が揺れており、これは正しいヴィブラートではありません。いわゆる「ちりめんヴィブラート」すなわちトレモロ状態です。
3.先にも述べたように、曲の内容は非常にロマンチックであり情熱的でもあるので、きれいに歌おうとしたり消極的に聞こえるような歌い方はしない方がこの曲には合うでしょう。ただし、無理に張り上げたり、ヴィブラートがヴィブラートではなく「揺れ」になってしまっていてはもったいないので、自分自身の楽器をしっかり活かして、「情熱的で甘く語ることのできるような歌い方」を研究して歌ってみるとよいのではないでしょうか。歌い手それぞれの解釈と表現が、この曲の持つ表現の幅を広げることに繋がると思います。(♭Я)
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キングは、ジャズアレンジでしっとり歌われています。後半はトランペットのコーラスが華やかさを加えています。
トム・ジョーンズは、ミドルテンポのアレンジで、ウィリアムスとキングの間ぐらいの激しさ具合です。トランペットの合いの手はミュートしていて楽器はそれほど激しくはないですが、歌唱は大変情熱的な表現になっています。
2.ウィリアムスは、レガート歌唱で歌っています。時に抜く声、ささやきのような表現です。
キングは、語る感じで歌っているのが特徴的です。文章の最初「more」「i」だけ話し声のような表現をしているので耳に詞が入ってきやすいかもしれません。音の伸びと張りが強めなウィリアムスとは異なり、フレーズの切れ目がはっきりしています。
トム・ジョーンズは、胸声を張り上げて歌うというよりも頭声を少し混ぜたような発声なので柔らかさがプラスされています。音の伸ばし、語尾の張りも他の二人に比べて一番強いです。曲後半からのアレンジが独自性があり魅力的です。
3.どのバージョンで歌うにせよ、まずはフレーズの始まりと終わりを頭に入れたら、そのフレーズの最後まで言い切るように表現してください。文章の途中で気持ちが途切れることのないように注意しましょう。そして永遠の愛を誓う強い気持ちを歌い上げる歌ですので、意志の強さを歌にも込められるよう、身体でしっかり支えられた声で歌えたらいいですね。(♯β)
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1.3曲ともアレンジがかなり違います。イントロだけに注目してみても、ウィリアムスは、コード進行が特徴的で、これから何が始まるのか、不気味な印象すら与えます。
キングは、ピアノと弦楽器のアコースティックなイントロが心にしみわたります。トム・ジョーンズのイントロは、リズムがかなり強調されていて面白いです。曲として共通していて印象に残るのは、サビに入るところの半音階です。またサビの1回目からの2回目に行くときのコード進行が「暗い感じ」で印象に残ります。
2.まず3人とも音域が違うことにお気づきでしょうか。
ウィリアムスは普通、キングは低め、トム・ジョーンズは高めのキー設定です。それぞれ自分の声の魅力が一番通じる音域を設定しているといえるでしょう。
ウィリアムスは、もっとも一般的な「歌のうまさ」があるので、通常の音域で美しい声を聞かせるように歌います。
キングは低めの声で、語りかけるように始めます。低い魅力的な声で魂が震えます。
トム・ジョーンズは、シャウトが情熱的でヴィブラートの幅が広く、豪快です。
3.一番練習に使いやすいのは、低い声のキングの歌いだし「more」を真似してみることです。以降、各フレーズの頭を語りのように歌っていますので、そこを取り出してコピーしていきましょう。薄っぺらい自分の声に愕然とするでしょう。そこからトレーニングと接点をつけていきましょう。(♭∴)
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1.原曲はイタリア語で「Ti guardero’ nel cuore」ですが、英語の「More」として歌われることの方が多いようです。
ゆったりとしたメロディラインと極めて単純な和声進行ながら、一度聞くと忘れられない浮遊感があります。
英語版の歌詞は、世界で一番偉大な愛よりもさらに大きな愛をあなたに捧げよう、といった内容です。
2.ウィリアムスは伸びやかな声でレガートが美しい。ハンサムな歌といった印象です。
キングはリラックスムードで優しく語るような歌い方です。
トム・ジョーンズは自在に高音を操るが、高い音を歌っているように聞こえないほど自由闊達です。
3.浮遊感の正体は7度の跳躍です。これが途切れずに滑らかに歌えるまで練習しましょう。z~などで練習すると切れずに歌うコツがつかめるかと思います。(♯∂)