1.歌詞と曲と演奏など
(ことば、ストーリー、ドラマ、情景描写、構成、展開、メロディ、リズム、演奏、アレンジなど)
2.歌手のこと
(声、オリジナリティ、感じたこと、伝えたいこと)
3.歌い方、練習へのアドバイス
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1.3連符が多用されている曲です。4分の4拍子の2拍目と4拍目が、ほとんど3連符になっていて、1拍目と3拍目は4分音符で、フレーズの終わりは2分音符と4分音符です。また。2拍目の3連符は、1拍目の4分音符からタイでつながっていて、2拍目の2拍目から始まります。
リズムの形はずっと繰り返されるので、身体に残りやすく、つい憶えてしまいます。サビになると大きく変わって、4拍目の2拍目からフレーズが始まり、1拍目の4分音符は2拍目の2拍目までタイでつながります。このように大きな動きはありますが、1拍目と3拍目が4分音符なのは変わりません。さらにサビの5フレーズ目からは、2拍目の3連符も、2拍目の2拍目から使われるようになり、倍の長さのフレーズになりますが、急き立てるように3連符が活躍し、サビ感を盛り上げていきます。
2.通常は、けっこう歌い崩されるカンツォーネが多いなか、Strofa-Ritornello 形式ではないためか、必ず2拍目と4拍目が3連符という形式が守られているためか、トニー・ダララも、微妙なテンポの伸び縮みはあっても、大きく歌い崩してはいません。残念なのは、随所にちりめんビブラートがみられることです。マイクを通すとあまり判りませんが、マイクなしで聞くと、なかなか輝きのあるきれいな声なのかもしれません。
3.音域は、主音から高い第3音までと少しだけ広めなので、高い第3音はもちろん、低い主音も余裕を持ってきれいに歌えるように、うまくキーを選択しましょう。(♭Ξ)
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1.曲名の「La novia」はスペイン語で「花嫁」という意味で、歌詞は愛していない人と結婚する女性を描写した内容になっています。曲の最後にはAve Mariaを4回歌いますが、全部が一辺倒にならないよう歌い方や表現を工夫してください。
2.この曲に関しては、ダララは少し独特な歌い方だと思いました。フレーズを短くきったり、単語の間にブレスを入れたりしているのは、主人公のやるせない気持ちやため息といった部分を表現しているのかもしれません。
3.この歌い方はひとつの個性なのでそれをまねするのではなく、まずはちゃんと歌詞を発音し、フレーズ感を持って歌うことをお勧めします。具体的には歌い出しの単語であるblancaは、blan-caのように音節の間でブレスを入れないことです。ひとつの単語は切らずに歌うのがまずは基本です。その少し後のnoviaについても、音にスラーがついているのでno-viaと音節で区切らずレガートに歌ってください。歌い出しはBlancay radiante va la noviaをひとフレーズとして捉えましょう。(♯α)
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1.原語はスペイン語です。「La novia」は「花嫁」。明るい曲調ではありますが、「彼女が愛したのは、彼(結婚相手)ではなく、この僕だったのだ」と、別な男性と結婚することとなった彼女の気持ちを代弁するかのように歌われている曲です。
2.ダララの歌い方の特徴として、声の揺れ、いわゆる「ちりめんビブラート」になっているところが気になります。他の歌手の場合であっても、この「揺れ」を正常なビブラートと勘違いしてしまう人が多いので勘違いしないように注意しましょう。
3.比較的歌いやすいと思いますし、音楽的に歌いたくなるような書き方になっていると思います。ですが、歌う際にはできるだけ清潔に淡々と語るようにということを心がけたほうが、結果的に歌いやすくなるように思います。ここでいう「歌う」ということの意味は「余計な節回しをする」ということや「音の出し引きをする」「言葉の入れ方と音程が不一致になる」というような意味です。
もし、音程が不鮮明であったり、ずり上げずり下げが目立つということを言われたとしたら、この辺りを気をつけてみるとよいかもしれません。(♭Я)
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1.a a b a codaの構成で成り立っています。よく耳にするメジャーな音源にある標準イタリア語の歌詞とはだいぶ異なるので、イタリア語の方言かスペイン語のように聞こえます。
2. 高い声はテノール歌手のように地声で張って出すというよりも、ミックスヴォイスで出しています。bパートは激しく情熱的に発音しています。言葉の頭などに、少ししゃくりを入れて強調しています。ave maria は息から入って,儚さを表現しています。繰り返すave maria最後に向かってより減衰し衰弱する感じを表しているように感じます。
3. このバージョンで演奏するには歌詞が独特なのでよく詩を読むことが大切です。標準イタリア語よりだいぶ柔らかい発音を心がける必要があります。
aパート(落ち着いたイメージ)、bパート(激しく情熱的に)、コーダ(はかなげで祈る思いも込めて)の歌い分けを明確にすることで曲の表現にメリハリがつくと思います。(♯β)
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1.シンプルなリズムのイントロです。3拍子だとわかりましたか。拍子感をつかむのは大切なことです。歌いだす前に、曲の世界に入り込むのです。
2.声の力も強い美声ですが、それよりも強靭なリズム感を持つヴォーカリストだと感服しました。ことばが跳ねています。その向こう側にあるリズム感を理解してください。語るようにシンプルに言葉を置いていっているようですが深い息で支えられています。
3.冒頭のフレーズ・コピーをしてみてください。言葉をよく聞いてまねしてください。おそらく「のっぺりした感じ」にしかならず、愕然とすると思います。リズムをたたく練習、おなかで声を出す練習、の2つが大切になります。
(♭∴)
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1.タイトルは、新婦の意。泣きぬれた美しい花嫁が今まさに祭壇で愛を誓おうとするが、その言葉は偽りだ、と傍観者の「私」は語ります。愛する彼女は無理矢理好きでもない男と結婚させられるのか、はたまた、この「私」はとんでもない勘違い男なのか。真実は歌詞からは読み取れませんが、「私」にとっては辛い結婚式の光景です。
音楽には教会の鐘の音が加わり、さらにシューベルトの歌曲「アヴェ・マリア」の一節がモチーフとして使われています。
ちなみにロマン派の作曲家ロベルト・シューマンが新婚の妻に捧げた歌曲「献呈」にも、同様にこの「アヴェ・マリア」が使われています。本来「アヴェ・マリア」は結婚式とは無関係なのですが、現在の結婚式でも定番曲となっており、結婚のイメージと強く結びついていることがうかがえます。
2.単純な曲ながら、ダララは、指をくわえて見ている男の様子が目に見えるかのように歌っています。ショックのあまり淡々と言葉を噛み殺しながら、あるいは溢れる思いをギリギリで抑えながら。そしてアヴェ・マリアに万感の思いを込めて歌い上げます。歌で感情のみならず視覚的な要素をも伝えるというのは、非常に高度なテクニックだと感じます。
3.一見、美しいメロディの甘い曲です。まずその要素をしっかりと出せるように練習しましょう。すなわちレガートに歌うということです。それができてから毒の部分を研究するといいでしょう。逆をやりがちですが、これは完成度を上げるために守るべき手順です。(♯∂)