1.歌詞と曲と演奏など
(ことば、ストーリー、ドラマ、情景描写、構成、展開、メロディ、リズム、演奏、アレンジなど)
2.歌手のこと
(声、オリジナリティ、感じたこと、伝えたいこと)
3.歌い方、練習へのアドバイス
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1.70年ほど前のイタリア映画「道」の主題曲に、歌詞をつけたもので、ジェルソミーナは主役の、少し知恵遅れの女性の名前です。悲しいストーリーですが、その哀愁に満ちた内容は、誰でもやるせなさに胸を詰まらせてしまうものです。カルメン・マキの歌う「ジェルソミーナ」の歌詞は、映画の内容を抽象的にまとめたものです。
2.「時には母のない子のように」で、一世を風靡したカルメン・マキのイメージとは、少し違う声で、彼女の他の曲を知らないと、彼女の声とは分かりにくい歌声です。「時には母のない子のように」では、特に、高音域での楽に張った声が、中低音のやや息混じりの声との対比で、とても印象的でしたが、「ジェルソミーナ」では、その高音域がほとんどないので、柔らかめの中低音だけでは、かなり物足りない感じです。しかし、この曲のイメージには、ぴったりかもしれません。
3.まずは、息混じりの声を使わずに、練習してみましょう。(♭Ξ)
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1.ゆったりとしたテンポの曲はフレーズ感が損なわれやすい傾向があります。伸ばす音で気持ちが途切れないよう、フレーズを大きく捉えて演奏することがポイントです。また3/4拍子で速度記号はTempo di Valzer lento(ワルツの速度でゆったりと遅く)なので、1小節を3拍で取るよりは、1小節を大きくひとかたまりとして捉えるとフレーズが進みやすくなります。
2.カルメン・マキは癖のない聞きやすい声だと思いますが、音程の取り方はややずり上げる感じがあり少し気になりました。曲の表現としてあえてやっている場合には、あまり多用すると聞き心地はよくないものになってしまいます。
3.ゆっくりめのテンポで音の飛躍もあるため、息を消耗しやすい曲だと思います。このような曲では子音Zでの練習がお勧めです。圧をかけて息を吐く感覚で、そのまま有声にすると子音Zになります。Z(ズ〜)でフレーズを歌うことでしっかりと息の流れを促すことができます。またその音幅に必要な息も増えるので、歌詞に戻ったときに声の進みやすさを実感できます。(♯α)
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1.ニーノ・ロータによって作曲され、フェデリーコ・フェッリーニ監督による映画「道」(La Strada)の劇中音楽として使われています。
2.一般的な日本人が、特に日本語の歌詞で歌おうとすると、伸ばしている音を徐々に抜いたり、語尾を抜こうとしたり息を吐きすぎてしまうところがあります。カルメン・マキの場合は、決して派手ではなく地味な歌い方ではありますが、音を抜くことが少なく安定している印象を受けます。
3.決して派手に歌うような曲ではないと思いますので、ロングトーンや語尾で音を抜かないことに注意しつつ、淡々と語るように歌えるといいのではないかと思います。また、曲の内容にあった語り方ができることにも配慮しましょう。(♭Я)
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1.1番、間奏のバイオリンソロ、2番後半とコーダという構成で、ジャズアレンジで歌われています。
ニーノ・ロータの作曲で優美なメロディで知られている曲です。ニーノ・ロータの代表的な作品としては「ゴッドファーザー」のテーマ音楽などがあります。
2.声の音色が少し暗めで、ジャズアレンジの曲にあっていると思います。
言葉の最初を下からしゃくるような表現をしています。日本語をあまりくっきり歌わず、あいまいに発音して曲の雰囲気を邪魔しないように表現しています。
3.このような曲を歌うためには身体の支えがしっかりと保たれなければなりません。いくら音を下からすくっていいとは言っても、音を保ったうえでのすくいでなければなりません。ある程度曲が頭に入ったら、楽譜を外し、音と音のつながりをなるべく途切れないように練習してみましょう。(♯β)
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1.なかなか凝ったイントロです。リズムもコードもメロディもはっきりしません。よく聞くと、シンバルが拍を打っているし、すぐに弦楽器によるメロディが聞こえるのですが、シンコペーションが多く、つかみづらく感じます。そこに歌が入ってきた時の解放感が凄いです。間奏も同様です。「愛の幸せに」と迷いなく入ってきて霧が晴れる印象です。
2.始めの深いブレス!「遠い日の」突き抜けるような透明感のある声です。下からずり上げて音程を取る癖がありますが、それがまたよい味を出しています。
3.歌い出しのフレーズを取ってみましょう。「遠い日の幻を探し求めて」深いブレスが取れているか。迷いなく出られているか。発声に無理がないか。シンプルな歌なので基本のチェックに使えるでしょう。(♭∴)
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1.ニーノ・ロータの映画音楽で、元来器楽曲です。トランペットのメロディが映画の中で重要な役割を果たします。歌詞は後からつけられました。
ジェルソミーナはこの映画「道」のヒロインの名前ですが、原義はジャスミンの花。エキゾチックかつ純真な花、そして女性のイメージです。
こちらのナンバーはジャズアレンジで、ヴォーカル、ピアノ、ヴァイオリン、パーカッションの編成となっています。
2.カルメン・マキの歌唱は気負わないしなやかさが魅力的です。物憂げな甘い声は、酸いも甘いも嚙み分けた大人の女性の魅力を感じさせます。意図的に外国語風に日本語を発音していると思われ、子音と母音の分離具合が面白いです。
3.半音の取り扱いに注意を払いましょう。ピアノで弾く(平均律の)正しい音程ではなく、和声のうちにあるべき場所に音が嵌るように、和音をよく聞きながら歌う練習をしましょう。(♯∂)