ヴォーカルの耳づくりと歌唱の学び方

ブレスヴォイストレーニング研究所のトレーナーや受講生によるライブラリー

おすすめアーティスト・作品 No.400

ポストモダン・ジュークボックス(PMJ)」

Postmodern Jukeboxはピアニストのスコット・ブラッドリー(Scott Bradlee)が率いるニューヨークの音楽集団で、最新のヒットチャートをはじめとしたあらゆる音楽を、ときにはジャズ風、ときにはオールディーズ風、ラグタイム風など、ちょっとレトロなアレンジで聞かせてくれます。その音楽的質の高さもさることながら、100年前にタイムスリップしたかのような映像が目を楽しませてくれます。YouTubeに毎週のように精力的に動画をアップしています。

メンバーは流動的で、ヴォーカル、楽器共に数多くのアーティストが参加していますが、中でもガンヒルド・カーリング(Gunhild Carling)のパフォーマンスは、圧巻の一言。

彼女はヴォーカリストトロンボーンプレイヤーで、トランペット、ベース、ピアノ、そしてタップダンスまで、何でも恐ろしく高いレベルでこなします。一曲の中で八面六臂の大活躍を見せてくれることが多いので、毎回驚きの連続です。一聴の価値ありです。

 

「シサム」(映画)

江戸時代前期、松前藩アイヌと交易していた。シサムとはアイヌ語で隣人。アイヌは文字を持たず、日本語とは全く別のアイヌ語を話す。兄と共に交易に出掛けた松前藩の若者は、兄の仇に重症を負わされ、アイヌの人びとに助けられる。アイヌの村で暮らす中で、異文化を理解し、争う無意味さを知っていく。アイヌ村の人びとは全て日本人の役者が扮しているが、アイヌ語で会話する、その自然さに驚いた。感情を乗せてアイヌ語でお互い会話しているのだ。役者ってすごい。誰でもできる仕事ではない。全く別の言語を違和感なく聞かせられるとは。(字幕が付くので何を言っているかわかる)。映画の中にアイヌ独特の世界観、命への向き合い方、他者への関わり方が見え、それを日本人の役者が自然に体現していることに、感動を覚えた。あらゆるものに神がいると考え、自然と共に暮らすアイヌ文化を学びたくなった。

 

「ブラックウェルに憧れて」南杏子(本)

男性優位の社会で働く4人の女性医師の物語です。女性だからと実力を認めてもらえなかったり理不尽な扱いを受け、家庭では育児や介護に悩まされる毎日。その中でそれぞれが最適な道を探して生きていく姿にはやりきれない思いがしました。

彼女たちの恩師である女性教授の言葉「男性の脳と女性の脳には差がない」には励まされましたが、これが作者からのメッセージなのでは、と思いました。

 

「木」幸田文(本)

幼い頃から木に親しんできた作者の木に関するエッセイ。全国あちこちの山を訪れ、木の専門家に話を聞く作者の木に対する思い入れには敬服しました。特に印象に残ったのは、木にも家族があり、隣同士の兄弟のような木が協力しあったり、競争したりしながら生長していくことや、歳を重ねて倒れてからも後の世代のために生き続けること。また、木の表皮の模様は木によって異なることを恥ずかしながら初めて知りました。近くの公園で気をつけて見ると実際に木の幹の模様は木によっていろいろ違うことがわかり、自分の観察力のなさに情けない思いをしました。

 

「走ることについて語るときに僕の語ること」村上春樹(本)

世界的にも有名な作者がフルマラソントライアスロンをこんなに苦悩しながら続けているというのは驚きでした。天才的な方かと思っていましたが、小説を書くために身体をはって努力なさっている姿を感じ、生き方について考えさせられました。小説とは違った味わいのある内容です。

 

「オスカー・ピアストリ」(F1レーサー)

アゼルバイジャングランプリで優勝しました。レースを配信で観ました。無線での、本人とスタッフとのやりとりの声が聞けるのですが、他の選手が優勝した時には、嬉しさのあまり叫んだり、歌ったり、感情的になることがほとんどですが、ピアストリは、優勝のチェッカーフラッグの後、叫ぶこともなく、落ち着いた声で話しており、とても驚きました。表彰式インタビューでも、スタッフへの感謝や、自分を成長させてくれたことについて言及しており、20代前半とか、F1参戦2年目とか関係なく、精神的に落ち着いていると、見える世界が違うのかなと思ってしまいました。