おすすめアーティスト・作品 No.397

「ショア」(映画)

「ショア」はドキュメンタリー映画です。ナチスドイツによるユダヤ人大量虐殺、ホロコーストの生き残りをインタビューした映画です。10時間近くあります。ほぼ未編修で、つっかかっても、言葉が出てこなくても、そのままフィルムを回しています。(ホロコースト、という言葉は本来「(避けることのできない、必要な)いけにえ」という意味なので、正式にはヘブライ語で「大惨事」という意味の「ショア」というらしいです。)

絶滅収容所を生き残ったユダヤ人の床屋が語るシーンがあります。有名で衝撃的なシーンです。(ちなみに絶滅収容所にはユダヤ人の床屋さんが必ずいたそうです。殺す前に収容所内で髪の毛を切って、さまざまな用途に使うのですが、ガス室に入れるまで怪しまれないために、ユダヤ人を配置したそうです。それゆえ、床屋など、特殊技能を持ったユダヤ人は生き残っています。)

戦争が終わって何十年も経って、インタビューを受けた床屋は「友人の妻と子供が入ってきたとき、」と言ってから無言に。そして、何も語ることはありませんでした。

本当にひどいトラウマは言葉にできない、と聞いたことがあります。このインタビューを受けた彼は本当は「友人の」ではなく、「自分の」妻と子供の髪を切ったのではないのか。

戦争は悲惨です。先輩兵士の死体を食べて生き残った話。泣き声がうるさいからとわが子を殺さなければいけなかった話。

二度の世界大戦で「大きいことは、強いことはよい」ということからやっと脱却したかと思いきや、今度は経済競争であくなき欲望を満たすために戦い続けた人類。̬やっと今頃になって、やっと人類は、もう競争は、拡大は無意味であると悟り始めたのではないでしょうか。

これからやっと文化の時代が始まる、またそうあらねばならないのではないでしょうか。

 

「Tomorrow」 Sydnie Christmas(ミュージカル)

Britain's Got Talentの優勝者のSydnie Christmasがとても素敵だったので、お時間ある時に是非流してみて下さい!

 

「マネー シーズン2」(appleTVドラマ)

以前より、俳優さんの衣装が好きで視聴していました。シーズ2になり、自分の見方も変わったようで、俳優さんの豊かな表現力、特に顔の表情と声のトーンが、それぞれ個性的でとても学びになります。

 

「スーパーモデル」(appleTVドラマ)

スーパーモデルのインタビューで、モデルになったきっかけなどを思い出して語っているのを観て、魅力や才能がある人は、誰かに紹介されるということなど、仕事が人からの紹介や推薦で運ばれてくることを改めて知りました。

 

「和議」(YouTube

江戸時代の人たちの歩き方。なんば。江戸時代の日本人は無駄な体の筋肉をつかわずに、省エネで歩いていた。飛脚は江戸から京都まで3日で移動した。その時代の履物は草履。西洋から靴が入ってきて、かかとからの着地となり、日本人はかつての歩き方を失った。右足が出たら左腕が出るという、上半身をねじる動きに変わった。狂言の歩き方(腕はふらない、すり足)から、本来の歩き方を取り戻す。家では草履で歩いている。

 

「うつくしい人」西加奈子(本)

いつも他人の目を気にしている主人公は会社でもうまくいかず、やめてしまい、思いつきで離島のホテルに数日間滞在することにしました。

そこで出会ったドイツ人旅行者とバーテンダーと過ごす時間が心地良くなり、次第に自分を取り戻していきます。

そして小さい頃からの姉に対する思い込みが自分の感情を歪んだものにしていたことに気づき、姉と素直に向き合おうと決心します。

社会で生きている以上、多かれ少なかれ人の目を気にせざるを得ないので、人の目を気にせず自分を出せる自分だけの世界を持つことが大事なのでは、と思いました。

 

「無名」澤木耕太郎(本)

脳溢血で倒れた筆者の父を看取るまでの日々を描いたノンフィクションです。

幼い頃からの父と自分の関係を思い出しながら、父の生き方や心情、自分との関係に思いを馳せます。

父が読んだ俳句集を出版しようと思いたち、父の俳句と向き合ううちに更に無名であった父の人生について考察します。

世の中のほとんどの人は無名ですが、一人ひとりに豊かな人生があるものだと感じました。そしてここまで深く見つめてくれる人がいることは幸せなことだと思いました。

 

「開業医の正体」松永正訓(本)

大学病院や一般病院を経て、小児科を開業した著者が開業の方法、収入、良い医師、困った患者など、なかなか知ることが出来ないことが書かれています。

医師でもその専門と言えるまでに10年くらいかかる、というのは印象的でどの職業でも常に勉強しなければならないと感じました。

また、医師と患者、その家族とのコミュニケーションが1番大事だという言葉が心に残りましたが、進んでコミュニケーションをとってくれるお医者さんに出会うのは難しい気もしました。

 

「ミシンと金魚」永井みみ(本)

主人公は認知症で介護を受けている老女。

母は自分を産んですぐ亡くなり、夫は子供を置いて蒸発、その上子供に先立たれ幸せとも思えない人生を歩んで来ました。この認知症の主人公の視点で物語が進みます。

壮絶な人生を歩んできたのに、読んでいてあまり悲壮感を感じず、誰かを恨むわけでもなく、自分が出来ることをたんたんとやる主人公。認知症の人の思いが伝わってくる小説でした。

 

「働くということ 能力主義を超えて」勅使川原真衣(本)

能力によって選ばれた人だけが、高い地位と収入を得る、という選ばれた人とそうでない人双方にプレッシャーを与える能力主義から脱却し、様々な個性や得手不得手のある人々が互いに補いあいながら組織の中で生きていくことを提案しています。

そして今リスキリングがブームになっていますが、無理に新しいことを学ばなくても自分が今持っている力を生かすことが大事とも言っています。

私も収入や地位、生産性がある、ないだけで判断する世の中は生きていて楽しくないなぁ、と思います。ただ、実際に会社の中で実践していくのはかなり大変なのでは、とも思いました。

 

「はじめての目標達成ノート」(本)

原田メソッドの入門ノートです。目標設定や、本当にやりたいことの関連付けが結びつかず、これだから進む方向があやふやで、努力が闇雲になるのだと、思いました。いかに自分が、生活に流されて、考える力を使わず思考停止していたか思い知らされました。

 

「京都駅」

京都駅には多くの人がおり、乗り換え、食事、お土産物をみる、買う人それぞれの動線が考えられており、たくさんの人が行き来してもストレスにならないようになっていました。