1.歌詞と曲と演奏など
(ことば、ストーリー、ドラマ、情景描写、構成、展開、メロディ、リズム、演奏、アレンジなど)
2.歌手のこと
(声、オリジナリティ、感じたこと、伝えたいこと)
3.歌い方、練習へのアドバイス
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1.ご当地ソングのはしりでしょうか、イタリアの都市ナポリを題材にした曲です。歌のメロディは、いきなり主音の連続で、とても安心感のある始まりです。無駄に元気をあおったりするわけではなく、じわじわと元気の湧いてくる曲です。伴奏は小気味よいテンポで、ややあおり気味に進みますが、メロディは、どのフレーズも終わりはロングトーンが多めで、むしろ落ち着いた雰囲気さえ、かもし出しています。主音の連続で始まったメロディは、少しずつ下行していくため、さらに落ち着いた印象をあたえます。そのあとに続く3回の分散和音のメロディも、大きく変化せず、少しずつ音を変えているので、バタバタした様子にもならず、適度なインパクトで、再びの主音の連続に、うまくつながっていきます。
2.ジリオラ・チンクェッティは、イタリア人らしく、子音と母音のバランスがよく、楽に声が出ているので、日本人にも好まれたのでしょう。
3.キーもそれほど高くないので、女性ならこのまま取り組めるかもしれません。それでも、ジリオラ・チンクェッティのようには、楽にはいかないかもしれません。特に、子音も母音もバランスよく前に出すのは、キーを下げないと難しいかもしれません。うまくチャレンジしてみましょう。男性は、ハ長調辺りに移調して、取り組んでみましょう。 (♭Ξ)
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1.イタリアのカンツォーネというか、イタリアンポップスらしい明るく伸びやかな曲です。イタリア語のアクセントは伸びます。その特徴を活かした歌という印象です。
2.聞いた録音だと、声が若々しいという印象を受けました。ジリオラ・チンクエッティは明るい母音と伸びやかな長母音。そしてとても明瞭なイタリア語で歌う歌手という印象です。昔からイタリアの声を形容する「Recitar cantando」(語るように歌う)をそのままやっているような印象。
3.イタリアの歌手達の声のよさのポイントの一つは、イタリア語の文法がカギになっています。イタリア語の言葉は語尾の母音の変化で決まります。誰に言っているのか、何人にいっているのか。語尾の変化でわかることがとても多い。つまり、語尾の母音がしっかりと発語できて飛ばないと成立しないです。その意味で、歌うということよりもしゃべるということに意識をもって歌っていくと声が発達していきます。しゃべるのも日本語のようにではなくイタリア人がしゃべっているのをまねしてハッキリとしゃべっていくとよりよいと思います。長母音が短くなりすぎないように気をつけつつ、長母音も歌うのではなくしゃべりの一環だと思って発声していけるとよりよくなっていくと思います。(♭Σ)
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1.歌詞はイタリア語ですがナポリの方言が入っています。最初の歌い出しから曲名の「Napoli fortuna mia」で始まって曲中にも何度となく出てきますが、この曲の主軸であり耳に残りやすい旋律となっています。ぜひよい音程で伸び伸びとした声を乗せ、聞き手にとって印象的なフレーズとなるよう演奏したいです。
2.チンクェッティの声は癖もなく伸びやかで、とても聞き心地のよい声だと思います。彼女の明るい声の響きが、この曲のメロディや歌詞の内容をより引き立たせているように感じます。
3.歌い出しから短いフレーズですぐにブレスもあるので、最初のフレーズがぼやけないようはっきりと一音目から入ることを意識しましょう。特に出だしが苦手な人にはよい練習になる曲です。また歌詞の発音で遅れが生じる場合は、シンプルにLaやSaなどの発音を使って練習してみてください。(母音だけより、子音を含めた方がやりやすいです)その後で歌詞に戻ると、言葉の運びもよりスムーズになり遅れが解消します。(♯α)
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1.邦題では、「ナポリは恋人」と訳されていますが、オリジナルタイトルの「Napoli fortuna mia」を直訳すると「ナポリ、私の運命よ」となります。イタリア南部の都市ナポリに対する愛しさを歌った曲だと思います。
2.ジリオラ・チンクェッティは、声のポジションがコロコロ変わらずに歌えていることや、レガートで歌えることに長けた人だと思います。地声になったりファルセットになったりという変化が少ないこととレガートで美しく歌えていることから、聞きやすい印象を受けます。
3.歌詞を語る要素を土台にしつつ、愛しい街ナポリに思いを馳せるという曲の内容も相まって、全体を通して朗々とレガートに歌うことを心がけてみるとよいでしょう。この曲の特徴として、二重子音(nuttateの「tt」、stelleの「ll」、terraの「rr」が比較的目立ちますが、これらの発音を明確に行なうことを心掛けましょう。また、表現を行なう際にはこの二重子音を上手に使って表現ができると、演奏効果が高くなると思いますし、何よりも歌いやすくなるので一石二鳥です。(♭Я)
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1.4小節だけAメロの歌入りイントロ、Aメロ8小節、Bメロ8小節、半音上げで転調し、Aメロ、Bメロ、コーダで終わります。フルートの16分音符の細かなオブリガードが華やかで、この曲の高揚感を出すのに効果をだしており、打楽器の合いの手も軽快なリズムで聞くものをあおります。
2.発音がとても明瞭で,特に母音がクリアな歌唱です。ところどころ南部の方言のような発音で歌っています。泣きの入った声で表現をして語頭を際立たせています。その、泣きのせいなのか、ちょっと音程がフラットぎみに聞こえるところがあります。サビに戻るとき、つまりBメロからAメロに戻るときには、極力メロディを繋ぐイメージで、ノンブレスで歌っています。
3.この曲を歌いこなすには、まず、カンツォーネならではのフレーズの長さを最初から頭に入れて歌いだす必要があります。2小節刻みに似たようなリズムが反復されていますが、2小節単位でフレージングしてしまうと、聞いている方は何度も同じリズムを聞かされ単調に感じてしまうので、なるべくAメロ、Bメロの8小節を視野に入れたうえで歌いだしましょう。その方が息ものびやかに歌えるはずです。(♯β)
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1.まず曲を聞くときには「この曲の変なところ(特徴)はどこだろう」という耳で聞いてみてください。はじめのコーラス「ミア」のコードが変わっています。途中でマイナーコードがメジャーコードに変わります。構成が変わっています。コーラスがサビを歌うのですが、その後にまたソロがサビを繰り返すのです。ソロのサビからコーラスのサビという順番はよくあるのですが。よく聞かないと、同じメロディであるにもかかわらず、別のメロディに聞こえる(Aメロが始まったように聞こえる)ので注意しましょう。
サビとAメロは歌い方が違います。サビはテンション高く始める。(ベートーヴェンの「運命」など。)一方Aメロは静かに語るように歌い始めるべきなので、ヴォーカリストはどちらかをわかっておく必要があります。また、伴奏をよく聞いてみましょう。工夫に満ちています。リズムパターン、たまに入ってくる笛、ストリングスの速い音型。
2.つやのある声。大きな声は伸びやかに前に進むし、ささやく声は控えめで表現力がある。全体に伴奏に対して、やや遅れ気味に入ってくるのが、これ以上だとやりすぎだが、ちょうど「ていねいな感じ」でよい。
3.息がよく聞こえる箇所として「ファム~」のフレーズコピー。すべての呼吸とパターンが入っている。息をよく聞いてまねしてみましょう。(♭∴)
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1.ナポリの街の美しい夜の光景や幸せな雰囲気を描いた底抜けに明るいナンバー。星降る夜、サンタルチアの歌声、懐かしい光景といった歌詞は、少し古い時代のカンツォーネ・ナポリターナへのオマージュでもあります。そのままナポリ観光のCMに使われそうな、ナポリに今すぐ行ってみたくなるワクワク感にあふれています。ダンスのビギンのリズム(タタータ、タタタタの2拍子)で書かれており、疾走感があります。
2.チンクェッティの歌声は少し甘えるように鼻にかかった音色で、とても伸びやかです。耳に柔らかく当たる声ですので嫌味がありません。
3.おそらく誰でも気軽に口ずさめることを念頭に作られた歌だと思います。一度聞いたら覚えてしまうメロディで、音域は狭いです。ぜひカンツォーネ初心者にチャレンジしていただきたい曲です。「ナポリ」の「a-o-i」という母音の変化が美しく歌えるように、母音間で響きのムラが生じないように研究しましょう。(♯∂)
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「福島英のヴォイストレーニングとレッスン曲の歩み」より(https://www.bvt.co.jp/lessonsong/)
21.ジリオラ・チンクエッティ
ヒットを連発、16歳でのこの歌唱力は、天才としかいえません。
「ナポリは恋人」弘田三枝子のと比べるとよいでしょう。リズムに注目。
「夢見る想い」は日本語版もあります。伊東ゆかり、弘田三枝子がカバー。
他にチンクエッティの代表作は「ローザ・ネーラ」「雨」「落葉の恋」「薔薇のことづけ」「太陽のとびら」と美しいメロディの曲が並びます。