No.375

「大和田慧」(日本のシンガーソングライター)

デビューから数年経った頃に久しぶりのライブに出かけた際、涙が出る経験をしました。(精神的に辛い事があったというわけでもなく)表現力が格段に磨かれ、歌い手のその表現力とは何だろう?と疑問を持つきっかけになったシンガーです。

 

「Collaboard Shinagawa Vol.4」土岐麻子・アンサリー(ライブ)

透明感のある、さわやかな歌声に憧れます。

マイナスイオンがいっぱいのライブ空間に違いなく、楽しみです。

 

すみだ北斎美術館」(美術館)

葛飾北斎やそれにまつわる作品が展示されていた。ちょうど鬼の展覧会が行われていた。

人物の書き方や色の使い方と当時から多くの人に影響を与える理由がわかった。

雷の描き方が好きだった。

 

サンシャイン水族館」(水族館)

池袋にある水族館。水生生物を久しぶりにみた。海の中のような空間と生き物に癒された。また両生類の魅力に気づいた日でもあった。特にマルメタピオカガエルの見た目や変わった鳴き声に惹かれた。今後両生類と触れ合う機会を増やしていこうと思う。

 

「うつでも起業で生きてゆく」林直人(ビジネス書籍)

うつで失職して以来、二度とうつを再発させたくないために就職もせず、起業を考えておりましたが、就職による職場での人間関係の悩みがない分、就職の場合とはまた違った「全てが自己責任」というストレスが予測され、どんな起業ネタを考えてもなかなか実行できず、うつ病みに起業は無理なのだろうかと悩み、半ば諦めかけていたときに本書に出会いました。

うつ病みにとっての悩みは、人と直に会うことを苦痛に感じること、体調の良いときと悪いときのムラがあることなどである一方、元来真面目で手抜きができないために仕事には手を抜かず、最高の品質又は完成度の仕事をしようとするところなどの利点もあるため、うつの起業は以下のように進めれば良いと著者は考えました。

1.他人にとっては面倒臭くても自分にとっては面倒臭くないこと(自分が本当に好きなこと)で起業し、

2.人と直に会わなくても商材を買ってもらえる仕組みを作り、

3.体調の良いときに精一杯働き、体調の悪いときにはしっかり休む。

こうして、著者は対面のないネット上で難関大学受験のための学習指導をする「ネット学習塾」で起業し、同業者を圧倒してゆきました。

本書は未だ完読しておりませんが、自分の起業のヒントになればと思い、精読中です。

 

「時代革命」(映画)

香港で作られた映画なのに、香港では上映を禁止されている記録映画。カンヌ国際映画祭などでサプライズ上映されている。2019年に起きた「逃亡犯条例改正案」に反対するデモをきっかけに、運動の本質を撮ろうとキウィ・チョウ監督が撮影したドキュメンタリー。もし、改定が行われれば、中国共産党政府に反対する香港人を、地元警察が何らかの容疑で逮捕し、中国本土に送ることが可能になり、中国が香港の民主派の人々を標的に、引き渡し協定を利用するのでは、と懸念されていた。デモは香港の人口の三割を占める200万人が参加したが、リーダーがいない、という特殊性を持つ。当初は、和理非(平和、理性、非暴力)派と勇武(武闘)派に分かれていたが、警察による暴力から両派が行動を共にしていく成り行きも描かれる。デモ隊が立法会(議会)の庁舎内に突入した際、冷蔵庫の飲み物代をきっちり置いていくなどの礼儀正しさに、真面目な人たちのデモであることがうかがえた。親子でも中国共産党に対する考え方が違う反面、仲間同士でパパ・ママなど疑似家族を形成する。デモは次第に普通選挙の導入など、五大要求を求める大規模デモとなっていく。そして、デモ参加者と香港警察との生々しい対立が起きる。普通の学生や会社員が、自由や民主主義を守ろうと、デモに参加する。前線の勇武派の子供たちを、警察の暴力から守ろうとする母親や高齢者も街に出る。警察との衝突で飛び交う催涙弾、ゴム弾、火炎瓶、放水車からの水を浴びると身体中が痛くなる、至近距離からの銃撃シーン、警察とヤクザがグルになり市民をめった打ちにした地下鉄駅の暴力事件、新聞などで伝え聞いていたものが目の前に映像として現れ、息を呑む。現在は国家安全維持法により、逮捕や密告を恐れる人々は、無力感に襲われていることだろう。外国人にも摘要されるという法律だから、外国で暮らしていても安全ではない。今まで当たり前にあった自由が突然奪われる、それは遠い国のできごとではなく、すぐそばで起きている。自由に物が言える生活しか知らない自分は、政府の容認することしか喋れない事態になった時にどうするか、デモの最前線に出られるか、長いものには巻かれろと、本心に蓋をして大人しく暮らすのか。正直に言って、もう若くはないから、穏やかに老後を迎えたい、と思う反面、心に蓋をして良いのか、とも思う。本当に、その時になってみないとわからない。その行動が、正しいかどうかもわからない。

 

V032「ギターよ静かに」ニコラ・ディ・バリ

1.歌詞と曲と演奏など

(ことば、ストーリー、ドラマ、情景描写、構成、展開、メロディ、リズム、演奏、アレンジなど)

2.歌手のこと

(声、オリジナリティ、感じたこと、伝えたいこと)

3.歌い方、練習へのアドバイス

 

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1.タイトルどおり、ギターの伴奏で静かに始まる曲ですが、意外に、「A,A,A,B,B,A,B',B',」という、大きな構成の曲です。淡々と始まっていく曲なので、繰り返されるAの部分に、自然に引き込まれていくうちに、その魅力にハマってしまいます。

A部分は、低い主音の連続などから始まる安定感から、順次進行的な動きへと続く、綺麗なメロディーラインです。その後の第六音周りで、不安定感をかもし出し、さらに、分散和音的な動きで、ドラマの始まりを感じさせながら、低い主音に戻り、安定します。

これを3回繰り返してから進むBは、第六音から高い第二音への跳躍から、順次進行に近い下降音型に続き、次は高い主音への跳躍から、同様に順次進行に近い下降音型に。更に第七音への跳躍から、順次進行に近い下降音型で、第二音で不安定に終わり、同じ形を繰り返します。

最初のAを歌った後の、B'は、B同様、高い第二音、高い主音への跳躍から下降音型までは同じで、その後が、第七音の連続から高い第二音まで上がった後に、下降音型になり、さらに盛り上がりを見せます。

 

2.癖の有る声で、ややだみ声です。また、響きが磨かれていない、あるいは響きがほぼ無い感じの、よく言えばオリジナリティ溢れる、味のある声です。

 

3.歌い方は、気持ちの込め方など、とても参考になりますが、声は、なるべく真似しないようにしましょう。

(♭Ξ)

 

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  1. 失恋の歌ですが、メロディは甘く声を張るところもしっかりとあるのは、カンツォーネ的というかイタリア的な曲という印象です。Aメロとサビの差が大きい曲なので声の力が必要な曲です。

 

  1. とにかく美声の歌手です。甘い声の部分では軽い声で、決めるところは力強い声で、そしてそこにいくまでの盛り上がり方も力づくでなくナチュラルさをキープしたまま。イタリアの伝統的なベルカントな声という印象です。

 

3.個人的には、この曲そのものよりも二コラ・ディ・バリの歌声こそがこの曲の真価なのではと思ってしまいます。彼のための曲といってもいいくらい、彼の声のよさが際立っています。この曲を学ぶ上ではやはりレガートでイタリア語を紡ぐということを念頭において練習する必要があります。そして音色の明るさと支えでしょうか。明るさと浅さ、薄さが同じようになる人もいるのですが、しっかりとした支えがあってはじめて明るい声とレガートは同居できます。(♭Σ)

 

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  1. イタリア語による歌詞は、主人公の男性が恋人への想いに揺れ、その葛藤するさまが描かれた内容です。ギターを弾きながら相手を想い眠れない夜を短いフレーズで上に下にと音が動くことで、サビでは恋人と別れてしまうのか、どうなのかと葛藤するさまを長めのフレーズで下行形の音が波のように何度も畳み掛ける、そのことで、歌詞の内容をメロディがとてもうまく描写されています。

 

  1. 語るように歌う部分と、感情を乗せて伸びやかな声で歌う部分とのメリハリがしっかりとあります。それは無理な音楽表現ではなく、歌詞に沿ったものでいたって自然な流れであり、すんなりと歌が耳に入ってくるのです。

 

  1. 旋律だけ見れば大きな音の飛躍はなく、むしろ同じ音が続く部分(出だしはレレレレレミ ファレレ

レレレミファ)が多い曲です。このような場合は、歌詞をつけたときにメリハリに欠けやすい、単調な歌になりやすいという傾向があります。

例えば、出だしの「Chi-ta-ra(音はレレレ)」は音符は同じ長さですが、厳密にはレレレを均等に歌うわけではありません。発音のアクセントは2音節目にあるので、実際に歌うと2つめのレが少し長く3つめのレは少し短くなります。(二コラの歌唱もそう聞こえます。)正しい位置のアクセントで発音すると、自然とそうなります。ゆっくりめに、アクセントを意識しながらの発音練習を取り入れると格段に歌いやすくなります。(♯α)

 

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  1. 少々抽象的な表現ではありますが、慕う気持ちはありつつも別れを告げなければならない、その苦悩…、そんな愛しい人への思いをギターの音色に乗せて届いてほしい。そのような内容の曲です。

 

  1. 語り方がとても上手だと思います。切ない感じや思いを歌い上げる部分など、さまざまな色合いをもって歌っているのが印象的です。どのように語るとどのように聞こえるのかということ、言葉の溜め具合、緩急などのスピード感などを参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

3.まずは、イタリア語を繰り返し読む練習から始めてみるとよいでしょう。そして、詞の内容を表現できるように語ることを繰り返し、詞から受ける印象を自分なりの語り方で表現できるように練習してみましょう。切なさやていねいに伝える部分、強く思いを訴える部分など、いろいろな語り方が必要とされる曲です。語り方に変化がなければつまらない曲に聞こえてしまうので、自分の言葉でどのように語るかをよく研究してみるとよいでしょう。(♭Я)

 

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1.静かなギターのイントロから始まる美しい歌です。しかし、いくつかの点で変わっています。まず構成:Aメロ3回→サビ2回→Aメロ1回→サビ2回です。Aメロを2回ずつにした方が構成的には普通でしょう。さらに、最後に「L'ora」とサビの一事目だけを叫んで終わります。あまり見かけないですよね。またコード進行:I(ドミソ)→III(ミソシ)→II(レファラ)→V(ソシレ)なら普通のよくある進行ですが、ここではIIの代わりにドッペルドミナント(レファ(シャープ)ラ)が使われています。さらにVの後にIV(ファラド)が来るというのも変わっています。コードの「不自然さ」が狙いであるように思います。

 

2.語りかけてくる歌唱。歌うというより言葉を置いてくる印象。それがサビになるとダイナミックに体に刺さるように歌ってくる、この変化が聞きどころです。

 

3.はじめは語るように静かに、サビは思い切り朗々と歌う、という広いダイナミズムの練習ができる曲です。まずは歌いだし、伴奏が薄いところのヴォーカル、特に息をよく聞きましょう。伴奏とも微妙なずれも聞き逃さないようにしましょう。よく聞いてからまずは息でフレーズコピー、そのあと声も出してみましょう。同じようにサビの部分もやってみます。自分で体験してみると、語ることも、朗々と歌うことも同じで、ベースには深い息が必要であることがわかります。(♭∴)

 

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  1. 愛する人への秘めた思いをギターに託して歌う。西田敏行さんの「もしもピアノが弾けたなら」をイメージしていただくとテーマが理解しやすいと思います(もっともこの歌の主人公はギターが弾けるわけですが)。カンツォーネには珍しく内向的な歌で、どこかシューベルトの歌曲を思わせます。ギター一本で静かに始まる伴奏に、次第に控えめなオーケストラが加わっていく構成です。

 

  1. ニコラの歌唱は、一語一句間違わずに書き取れるぐらい言葉が明瞭であるのに、連綿と息が流れているのがよくわかります。どのトレーナーも口うるさく言っていることの一つの理想形だと思います。

大きな声を出さなくても素敵な歌は歌えるのだという好例です。

 

3.ギターが弾ける人は是非弾き語りにチャレンジしていただきたい歌です。歌と同じぐらいギターが語る曲です。弾けない人もよく伴奏を聞いて、共に歩くようなつもりで歌ってみましょう。冒頭は強く息を使わず、しかし息交じりにささやくように練習すると、ちょうどよい力加減が見つかると思います。(♯∂)

 

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「福島英のヴォイストレーニングとレッスン曲の歩み」より(https://www.bvt.co.jp/lessonsong/

 

歌声というのをわざわざつくって、それで歌うのは、一つの方法です。日本ではそこで認められてしまうので、言葉のレベルに歌が処理されていない苛立たしさがあったのです。

私は日本人の言語音声力を高め、そのままメロディを処理して歌に入りたかったのでしょう。国際レベルで一流といわれる歌や、民族音楽のようなしぜん発生的な順序を踏もうとしたのです。

発声やヴォイストレーニングを学びながら、それを同時に否定する、つまり、技術などは見えてはならない、消化され、身についていなくてはいけないのに、それが見えるのは中途半端な完成度でしかないからです。そんな簡単なことさえ、わかる人が少ないのです。

 そこで、1オクターブの歌をいろいろと探したわけです。それなら、音域に苦しまないというか、高低を意識せずにアプローチができるはずだからです。1オクターブの歌というのは、曲だけでは、盛り上がりにくいから難しいのです。誰でも歌えるし、初心者向きに思われていますが、名曲中の名曲しか残りません。逆にプロでも、本当の表現力が問われるので、一石二鳥なのです。

 つまり、誰よりも大きな声や高いところを出せるなどというのは、何のメリットでもなく、誰でも歌えるところで、誰もできないオリジナリティを出すことこそが、ヴォイトレの究極の目的なのです。そのために、体、呼吸、発声、共鳴、さらに歌い方は、人並みではこなしきれないために、必要性が生じ、トレーニングとなるのですから。

 

 冒頭の「ギターよ、あの人に伝えておくれ、涙に」 これでほぼ1オクターブあります。つまり、欧米人は、会話の中で1オクターブを使っているために、歌でその1.5倍くらいは、言語レベルでこなせるわけです。(大きなイメージが入っているからこそ、テンポを落としても小さな声にしても、充分に歌がスケールが保てるのです)

ところが、私たち日本人が、この1オクターブを語ろうとすると、歌ってしまわざるをえないのです。というのも、子音に母音で1文字となる、間延びせざるを得ないから、ビブラートで歌を表現として保たせる術が、やたらと取り込まれてきました。つまり、ポップスを声楽家が主導した影響に加えて、安易にビブラートをかけることで歌らしく歌をしてしまい、本当の表現力を弱めたのです。

 それを戻すには、まず言語として表現しておくこと、それをことばの意味の力に頼らず、強弱という楽器レベルで音声伝達力を確保させること、次にその変化の一つとして、メロディがあるくらいに捉えることです。つまり、メロディを歌って、そこに言葉をつける日本の音楽教育が形をつけさせたことと全く逆の方向から身(実)を入れていくのです。

 

 ささやくように、あるいは語るように歌えるのは、ハイレベルな課題です。声楽で声が自由になっても、日本語の性格上、どうしても歌ってしまうのです。いわば、小さく語って、音楽にのせることができないのです。

 これは、発声よりも音楽センスと自分の声への徹底した理解と使いこなす力だとわかったのは、あとのことです。声量や声域があれば、問題が解決するというのは、ヴォイトレに入った人の陥りやすい罠といえましょう。もちろん、発声こそがそういうギャップを埋める効率的なトレーニングだからこそ、ややこしいのです。

 

 私は、今でもウィスパーヴォイスやハスキーな声で歌わせるような教え方は、是認しません。ビブラートのかけ方なども、ヴォイトレでは邪道と思っています。

 基本はしっかりと声を出せること、本人の声の可能性を目一杯、広げていくことです。その上である程度、タフになればその使い方は、再現性を損ねなければ、本人の表現上の必要性が生じ、変じればよいのです。

 ところが、器がないから技術に頼らざるを得ない日本では、プロやトレーナーほど、大きな勘違いを起こします。誰かのをまねてかっこよく計算して、音響の調整でカバーしてしまうのです。それは、自力の可能性をつきつめて限界をみてから、まさにカバーするために行うべきことです。しっかりしたヴォイトレもやっていないのに、そこに走るのは、より大きな可能性への自殺行為です。

 ただ、シンガーソングライターとなると、作詞作曲の能力とトータルで、声も微妙にセンスよくみせる術で、ヒットさせられる人がいます。こういう人は、本人とファンにはよいのですが、国際レベルでは認められないから、見本にはとらない方がよいのです。その人はその人で、そういう世界を認めさせられたのだから、それを実力として、私はよしとしますが。

No.374

「きたきた捕物帖」宮部みゆき(本)

日頃、フィクションものはあまり読まない。途中から、肩透かしをくわされた気分になることが多いからだ。けれど、これは一気に読んでしまった。主人公の北一は、冴えない男だ。気が弱い、嘘がつけない、こちらがしっかりしなさいよ!と、声をかけたくなる。それが、なぜか、多くの人に助けられ、事件が解決していく。続きを読まずにはいられない、こんな気持ちになるのは、書き手に力があるからだろう。歌でも、こんなふうに、聞かずにはいられないみたいな、吸引力があると、素敵だと思う。

 

「人はどう死ぬのか」久坂部羊(本)

死ぬときはあまり苦しまずに人生に満足を感じながら、安らかな心持ちで最期を迎えたい。できれば、人工呼吸器や酸素マスクやチューブだらけになって、あちこち出血したり骨折して最期を迎えるのは避けたい、と思っている。この本は、何人も看取った医師が、忌憚なく思うところを書いているので、きれいごとではない真摯さが伝わってきて、好感が持てる。私は以前、父を看取った際、容体が急変しても救急車を呼ばず、在宅医に連絡するように言われていた。その意味が、本書でよく分かった。病院は、治療する場所なのだから、死期が迫っている高齢者といえど、救急車で運ばれてきたら、X線検査、CTスキャン、血液検査、点滴、酸素マスク、気管切開。心臓が止まれば気管内挿管して人工呼吸器、カウンターショックと心臓マッサージ、強心剤投与などの医療行為がなされ、それは死にゆく人に苦痛を与えることが多いからだ。死を考えると、縁起でもない、と言われそうだけれど、人は必ず死ぬのだし、思い通りにならない人生としても、死に方くらいは自分で選びたいものだ。できれば、畳の上で死にたい。成り行きによるけれど、病院の見知らぬ医者に看取られるよりは、在宅孤独死がいいなと思っている。本の終章近くに、「コロナ禍で露呈した安心への渇望」という一文があり、思わず膝を打った。人は安心したいのだ。だから政治家も、安心して暮らせる社会などと言うのだ。安心できる言葉を聞きたい、と思いすぎるとフェイクニュースに飛び付く危険もある。肝に命じておこうと思う。

 

「言葉の花」サヘル・ローズ(本)

本当の悲しみを知っている人は優しい。著者は絶句してしまうような経歴の持ち主だ。彼女の養母も然り。経歴の下りだけでも圧倒されてしまうけれど、他者への眼差しにハッとさせられる。彼女は言葉が表面の意味だけではないことを知っている。だから、難民キャンプの子供たちが発する「I Love you」が、愛を求めている言葉なのだと、すぐにわかり、受け止める。私は、I love youは結果じゃない、他者への働きかけなんだということが、若いときには分からなかった。だから改めて思う。言葉は報告するためだけに使うんじゃなくて、働きかけるためにも使わなきゃ。

 

「犬王(アヴちゃん) 」(アニメ映画)

小説からのアニメ化で、主人公が室町時代能楽師の話であるが、映像やライブ演出がアニメならではの世界観を上手く活かしていて素晴らしかった。

何よりニューハーフの歌手アヴちゃんの表現が、伸びやかで、表現力豊かで自由に歌う声に感動しました。

 

「マスク用インナーフレーム」

使用したところ、十分に口の開閉ができた。

マスクはただ、布や紙であるのに、口の開閉においては障害になっていて

ほんのこれっぽちに影響を受けていたと自覚した。

マスク生活となり、各所で表情筋の衰えやたるみなど耳にしてきたことに半信半疑であったが、納得してしまった。

 

「火門拉麺」(ラーメン屋)

縁があって行くことになった。テレビで有名人が食べにきたお店らしい。人気のあるという胡麻坦々麺はすごく濃厚で初めての経験であった。豆乳みたいな感覚。六角が入っていると聞いて不安だったがアクセントとして味わえた。バランス次第では、どんなものも使えるんだなと勉強になった。

 

藤圭子さんの唄」

このコロナ禍の巣ごもり生活で多くの人の人生が激変したと思いますが、私にとってこの二年間(家に居るしかない)は、実に有難いプレゼントでした。

今さらにこれまで演奏して来た曲の楽譜を整理したり、SP版レコード等の古い音源生活を統括することができ、これからの10年をどのように勉強して行けばよいのかという指針を整理することができました。自分のジャンル以外の音楽もたくさん聞きました。今はYouTubeという大変便利なコンテンツがあるのであらゆるジャンルの声の表現を聞くことができます。

最近の一押しは、藤圭子さん、特に北島三郎さんの前でギターの弾き語りで唄う北島三郎さんの持ち唄「兄弟仁義」はすばらしい。今はAI音声花盛りです。それらの技術が遠くおよばない「サワリ」のついた声のすさまじさを見ることができます。

ミーシャがゴスペルで育ったのなら、藤圭子さんは浪曲で育っている。

次の時代には人のやっていないことしか世に出れないとすれば藤圭子さんの声の中にすばらしい鉱脈がねむっています。

 

V031「黒い鷲」バルバラ

1.歌詞と曲と演奏など

(ことば、ストーリー、ドラマ、情景描写、構成、展開、メロディ、リズム、演奏、アレンジなど)

2.歌手のこと

(声、オリジナリティ、感じたこと、伝えたいこと)

3.歌い方、練習へのアドバイス

 

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1.バルバラが、幼児の姪に捧げたという割には、大人のためのようなおとぎ話風の、不思議な歌詞です。音楽的には、とてもスケールの大きな曲です。

 

  1. バルバラは、シャンソン歌手で女優でもあるので、言葉をとても重視していて、声としての伸びは、なるべく使わないようにしています。声として綺麗に伸ばしてしまうと、歌詞として、あるいは話し言葉として、どうしても不自然になるからでしょう。言葉の最後のほとんどを、声ではなく息混じりで伸ばしています。

声としては、中低音は艶のある声ですが、やや高音域からは、息混じりも多く、柔らかい声にしている印象です。そして、ほぼウィスパーヴォイスに近いような、弱い声も使って、高音域で張った声を伸ばすことをしない分、ダイナミックの差が付くように、工夫しているようです。

歌詞に合わせて、声色を変化させている部分も見受けられますが、声としてではなく、言葉として取り組んでいるので、声としての統一感を失わせる結果になってしまうようです。

 

3.シャンソンとして歌いたい場合は、声の技術の上達を考えると、岸洋子など他の歌手を、まずは真似るのがおすすめです。エディット・ピアフは、同じシャンソン歌手でありながら、しっかり声を重視しているので、こちらも、真似することはお勧めです。そのあとで、バルバラを参考にする方がよいでしょう。(♭Ξ)

 

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  1. フランス語独特の言葉の出し入れが美しく聞きやすい曲です。メロディもリズムもそんなに難しい曲ではないですが、独特のうねりがある曲だという印象です。

 

  1. 小さな声や、小さな表現でも息を流し息を止めないように歌っている印象です。もともとの声が深くとても美声ですが声に頼らない表現が素晴らしい。低い喉、低いポジションの声は日本人ではなかなか聞けない声かと思います

 

3.バルバラの声を見習うのは素晴らしいのですが、この表現は声帯がひらきやすく、間違えると喉を傷めやすくなるので自分の声で自分の表現を考えてトレーニングしたほうがいいと思います。しかしバルバラの深い声や力みのないまろやかな発声は大いに学ぶことが多いです。日本人の場合ソフトに歌うと喉が高くなりやすいので、そうではない声と表現を学ぶのにとてもいい教材です。(♭Σ)

 

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1.歌詞の内容は、ある日湖のほとりで主人公がウトウトしていると黒い鷲が現われ、その鷲を通して「彼」への過去の記憶が蘇る、といったもので全体的にどことなくおとぎ話のような雰囲気も感じられます。さらに旋律によって、事実なのか夢なのかという不思議な間合いをより引き立てているように思います。

 

  1. バルバラは、彼女独特の歌い方があると感じました。子音に重さを乗せてすぐに軽くし、押す波引く波のような感じで、波の揺れの中に歌声があるような印象を受けました。それと同時に、情景を思い出しながらキャンパスに一筆ずつ色を落としていくようなイメージもあり、(歌い方の好みは別として)彼女の歌い方がこの歌詞の内容にとてもマッチしているのではないかと思いました。

 

  1. プロ歌手の歌い方を模倣するのも勉強になりますが、バルバラは独特の歌い方があるので、そのまま模倣すると不自然さが出てしまうように思います。オリジナルの歌手として参考にしつつもそれには捕らわれずに、音程と歌詞を切り離して練習し、それぞれを明瞭にさせていくことをお勧めします。特に歌詞に関しては仏語で日本語よりも子音が多いため、リズム読みでの練習が効果的です。その後でようやく音程に歌詞をつけて歌うと、もたつきや曖昧な部分もなくなるので、曲全体を仕上げる意味ではとても近道です。(♯α)

 

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  1. 穏やかに語るような部分もあれば、激しく語るような部分もあり、曲調としては変化に富んでいると思います。抽象的な表現なのですが、この曲に何度も出てくる「鷲」とは一体、何なのかを考えて、聞いたり歌ったりしてみるといいのかもしれません。

 

  1. 語るような音域をメインに、比較的低音域も出せる人だと思います。音域が高めな部分は抜くように歌う部分があり、音程や声の質がやや不鮮明に聞こえる部分があるように感じます。

 

3.穏やかに語るような部分、少し訴えかけるように激しめに語るような部分などがあると思います。声質や歌い方で変化させるというよりも、語り方で変化させるように心がけてみてはいかがでしょうか。また、同じ言葉が何回も出てくるのが、この曲の特徴の一つかもしれません。それをどのように表現して歌うのかは、歌い手の表現方法に関わってくるので、工夫してみるとよいでしょう。やや抽象的な表現で書かれた詞のように感じますので、それぞれの感じ取り方で曲の表現はいろいろと変わってくるだろうと思います。(♭Я)

 

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1.黒い鷲が舞い降りてきたという幻想と、過去の思い出。湖のほとりでまどろんでいるうちに、懐かしいあの頃に、子供のころに帰りたくなってしまった。ノスタルジックな曲です。コード進行が面白い。壊れたレコードのように、Aメロを繰り返すごとに、全音ずつ上昇していきます。不自然な転調はしていないように聞こえるのが凄いところ。しかし二箇所だけ、不自然な転調に聞こえます。サビを繰り返すところ(ここからテンポが上がります。)と、盛り上がりの絶頂から頭のキーに戻るところ。この二箇所が、ストーリー上でも転回点になるのが面白い。一箇所目では、急に過去の思い出がよみがえり、二箇所目では、そこから我に帰り、また冒頭の歌詞を同じキーで歌い始めます。静かに始まり、盛り上がり、また静かに。時間も長く、ボリュームのある曲です。

 

2.パワフルなところとささやくような息。このどちらも備えているのがバルバラの魅力です。歌いだしの静かに語りかけるような息。オクターブのフレーズでしっかり下が響いている。フレーズが繰り返されるごとに、テンションが少しずつ上がっていく。長い曲なのに構成感が見事。静かに戻ってきた時も、また冒頭とは歌い方を変えています。よく聴いてみてください。

 

3.有名なシャンソンです。フランス語を覚えて、とにかく、通して歌ってみて下さい。体力が必要なこと、いかに転調についていくのが大変かわかるでしょう。そしてリズムの感覚をフレーズごとに変えていくことも。「足りないもの」がたくさん見えてくる曲だと思います。(♭∴)

 

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  1. ギリシャ神話の、大神ゼウスが白鳥に変身してレダを誘惑したというエピソードを彷彿とさせる歌。夢か現か判然としないなか現れた大きく高貴な黒鷲とともに辿る幻想。

天空へと昇っていくかのような広がりと飛翔感のあるピアノ伴奏に乗せて、歌はシンプルなメロディを繰り返す。

 

  1. 美しい、という表現はバルバラの声にはふさわしくないかもしれない。もっと深いところからくる畏れや諦念が含まれたような声は、バルバラの「美しくもなく、善良でもなく」という歌を思わせます。この歌に出てくるAnge du désespoir(絶望の天使)という言葉が、彼女の声や歌を言い表しているように感じます。

 

3.メロディは単純明快です。突き抜けるような爽やかさと力強さが出せるといいと思います。声を作らず、シンプルに前に出すように歌ってみましょう。入りはすべて裏拍からですので、表拍に来る休符をよく利用します。大きなゴムに柔らかく弾かれるようなつもりで休符を体に感じましょう。(♯∂)

No.373

「気分上々↑↑」EIKO starring 96猫(曲)

パリピ孔明というアニメのEDで使われている曲。原曲も知っていて良いと思うが、個人的にはこっちの方が好きだなと感じた。聴いてる人が気持ち良くなる響きが所々で聞けるのと歌ってる人の楽しさやテンション感が声にのっていて、技術も伴ってるいるのが素敵だなと感じた。後、イントロが短く疾走感があり今っぽさがあるのも良いなと思う。

 

「stand.fm <http://stand.fm>」(アプリ)

最近教えてもらった音楽やラジオ等を配信するアプリ。収録とライブの両方ができ、アプリ内の音楽を使ってBGMをつけることができたりすごく便利。YouTubeより気軽にできたり様々な人に知ってもら得る機会になるなと感じた。環境が整い次第やってみたいと思う。

 

美保神社島根県)」(神社)

美保神社のご祭神は太鼓等の鳴り物を好む神ということから楽器や歌舞音曲(音楽)の守護神として古来から篤く信仰されているとのことです。また縁結びで有名な出雲大社美保神社は祀られている神が親子という関係で、両参りすると運気Upするとのこと。

米子、松江、玉造温泉出雲大社に行く機会がある方は是非!車がなくてもJR堺港駅からコミュニティーバスを乗り継いて(30分ほど)簡単に美保神社にアクセスできますし、繁忙期は米子空港美保神社を往復する「えびすライナー」というバスが発着しているようです。

620902

終戦記念日

今年も終戦記念日を迎えました。今現在日本が交戦状態でないことに感謝する一方で、世の中にはまだ戦争で苦しんでいる人々がたくさんいます。一刻も早い世界の平和を願うばかりです。

平和のために文化の力を!とはよく言われますが、ここでは歌や声を含む「文化」がどのように平和に貢献できるのか考えてみましょう。

普段、芸術で生きている人は、「自分勝手」「好きなことばかりやって」と社会から白い目で見られることが多いと思います。実はこれこそが戦争に対抗する力になるのだと思います。

「他人のために」という考え方は立派なようですが、「人の目が気になる」ため兵役を拒否できず、また「他人のために」は「お国のために」となり、たくさんの悲劇を生みました。

私たちアーティストは、ただ単に「自分の好きなことをやりたい」ゆえに、基本的に戦争に行きたくありません。世界平和の胡散臭い歌など歌わなくてもよいのです。「やりたくないことはやらない」と決意した人が増えていきさえすればいいのです。第二次大戦中、フランスにアンドレ・ヴェイユという数学者がいました。彼は兵役を拒否しました。理由は「私は数学の問題を考えたいので兵隊に行きたくない。」というものでした。これって素敵だと思いませんか。これこそが文化の役割だと思います。
学徒出陣の軍服と、就職活動のスーツが、私にはパラレルに見えます。徴兵、神風特攻隊、もっと逃げる人たちはいなかったのでしょうか。従順に就職活動し、従順に「嫌いな仕事」に通っている日本人は、「みんなが行っているから」という理由で兵隊に行ったのでしょうか。神風特攻隊に行く前の夜は若い兵隊は涙で枕をびっしょりにして、翌朝けなげに旅立ったということです。死にたくないという感情に正直に、なんとか逃げることはできなかったのでしょうか。

私たち一人が「自分のやりたいことをやる」ことこそが平和への近道に思えてなりません。一刻も早い世界の平和を祈りつつ。

V030「生命をかけて」 オルネラ・ヴァノーニ

1.歌詞と曲と演奏など

(ことば、ストーリー、ドラマ、情景描写、構成、展開、メロディ、リズム、演奏、アレンジなど)

2.歌手のこと

(声、オリジナリティ、感じたこと、伝えたいこと)

3.歌い方、練習へのアドバイス

 

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1.激しい恋・不倫の歌かもしれません。中低音で、小さな上向と下向を繰り返した後、一歩ずつの上向でサビへと盛り上がっていきます。サビは、高音域への跳躍を繰り返して歌い上げ、最高音のロングトーンが、一番の聞かせどころになっています。その後、同じパターンの跳躍の繰り返しから、中音域のロングトーンで曲は終わります。

 

  1. 本人の意思かどうかは判りませんが、一節も二節も、息混じりの声から始めています。声がないわけではないので、もったいない気がします。また、録音の都合か、感情がこもり過ぎているのか、高音域がきつく、伸びやかさが足りないのは、残念です。他の録音では、伸びやかな高音が聞かれるので、たまたまなのかもしれません。あるいは、彼女は、女優でもあり歌手でもあるので、声よりは気持ちを優先してしまうのかもしれません。特に高音域では、声の美しさや迫力よりも、気持ちを込めた声や発音になっているのが、わかります。

 

3.まずは、気持ちを込めずに、きれいな声で歌えるようにすることから、始めましょう。歌い始めも、なるべく息交じりにせず、艶と張りのある声で、楽に歌えるようにしていきましょう。最高音で、楽にがんばれるように、キーの設定も大切です。(♭Ξ)

 

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  1. イタリア語を学んだことがある人なら大体の意味が想像つくくらい、割とストレートなイタリア語の歌詞です。ビートルズの曲の歌詞が、中学英語レベルで大体の意味がわかるような感じでしょうか。イタリア語を学ぶ際に聞いてみてもいいかもしれません。イタリア的なラブソングといっていいと思います。何度もでてくる「di piu」(もっと)ということばがとても特徴的だなと思います。最後に何度も出てくる「molto di piu」(さらにもっと)も、とてもイタリア的な表現だなと思います。

 

  1. とてもダイナミックな歌をうたう歌手だなという印象です。歌手というよりも役者さんが歌っているイメージでしょうか。イタリアに行くと日本よりも歌番組がとても多いのですが、役者さんもよく歌番組で歌うのです。そのような人々の声に近く感じました。

 

3.イタリア語は基本的にポップスでもクラシックでも言葉のレガートさがないとうまく聞こえません。その意味では歌う前にイタリア語をレガートに喋れることがとても重要です。お腹で支えて息で言葉を流すというイメージでやってみるといいと思います。

パワフルな曲なので、しっかりとしたお腹の支えも意識して練習してみてください。(♭Σ)

 

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  1. 想いが届かないとわかっていてもなお相手の男性に熱い想いを注ぐ、そのような女性の心情を歌った歌詞だと思います。前半はフレーズが短く音の動きも静かで語っているような静けさから始まるのに、サビになるといきなり1オクターブ近い音の飛躍があり、全体的に音も高くなって途端に激しくなります。このメリハリが歌詞の内容をより一層引き立てて、それがまたこの曲の魅力でもあると思います。

 

  1. ヴァノーニの「生命をかけて」は、柔らかさ・繊細さと、力強さ・大胆さ、このどちらも味わえる歌唱ではないかと思います。また、音程をつけて歌っているのにまるで語っているように聞こえて、旋律の流れと歌詞の発音が一体化しているかのように感じられます。

 

3.メリハリのある曲ではありますが、サビになって急に頑張るということではないので、単純に小さい声から大きい声へ、弱い声から強い声へ、といった捉え方にはならないことです。サビの部分で急に大きい声(強い声)にしようとしても、喉への負担になりかねません。練習の始めの段階では、音の強弱はいったん横に置き、歌の出だしからしっかりとした声で練習する、という過程を踏んでください。(♯α)

 

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  1. 「もう、間違いなんてしたくないと思ったけど、この人生をかけた愛を、あなたに捧げます」という思いを伝える、非常にドラマチックな曲ですね。抒情的に歌う技量が要求される曲だと思います。

 

  1. 変に歌おうとするような印象がなく、全体的に語り方が自然であって、そっと語るような歌い方も、ドラマチックに語る歌い方も印象的です。

 

3.そっと語るような要素も、ドラマチックに語るように歌い上げる要素も必要な曲です。聞いている人の心を揺さぶるくらいのドラマチックさが、語り方の時点で醸し出されていて、それが歌になってより昇華していくような状態で歌えると理想だと思います。聞いている人が、思わず涙を流してくれるように歌えたらよいですね。そのためにも、まずは、しっかりと内容を理解した上で歌詞をドラマチックに語れるように研究し、練習してみてください。「命がけの恋」です。淡々と歌うような冷めた歌になってしまっては台なしです。そうならないように注意しましょう。(♭Я)

 

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1.イントロのリズムを聞いてください。このリズムを一人で手と足で表現できるようにしてみましょう。Aメロとサビからなるシンプルな曲です。サビの部分が相対的に長いので、短いAメロをうまく盛り上げてサビに進まなければなりません。そのことに対してどういう工夫をしているか、という視点から聞いてみましょう。

 

2.「息でフレーズを作る」ということをこの歌唱から理解してください。まずはAメロ初めの1フレーズをよく聞いてみてください。小さめの声からあふれる息を、まずはただ息そのものを意識して聞きましょう。その後に、この1フレーズ、5つの息から成り立っていますが、この5つの息をどのように1つのフレーズに並べ、それが1本の太い線になっているか感じようとしてみてください。

次にサビを聞きましょう。ここは3つの息で1つのフレーズです。音の高さが下がっていきますが、息の強さはどんどん強くなっています。

 

3.サビをフレーズコピーしてみましょう。(オクターブ下げればキーの高さも問題ないはずです。)特に1番より2番のサビの方が、この曲で一番盛り上がるところです。どういう工夫をしているでしょうか。

まず、リズム。はじめio ti daroは伴奏に対して食い気味に入っていること、そして最後のmolto di piuが逆に完璧に伴奏とあっていることを確認し、真似してみます。次にフレーズの処理。フレーズの終わりをずり下げるように処理しているところがあります。やりすぎは禁物ですが、アドリブの方法の1つとして、テクニックを持っておきましょう。(♭∴)

 

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  1. 愛の大きさの釣り合わない男女の物語のようで、切々と気持ちを歌い上げる女性を、男性は軽く扱っている様子。「私を浪費して何ひとつ与えてくれないあなたに、それでも何もかも捧げたい」といった内容。そういった言葉に対し音楽は皮肉なところは全くなく、ひたすらまっすぐに思いを届ける歌。

 

  1. ヴァノーニの声は低音域と中音域で大きく様相が変わります。

滑り出しの低音は静かに話すような様子にもかかわらず、深く豊かな響きをたたえていて実に魅力的です。おそらく普段の話し声も知的で美しいのでしょう。

これに対してリフレインで用いられる中音域は、太くはないものの筋肉質に締まった強い音色です。どこかエディット・ピアフを思わせる指向性の強さと揺らぎのある声。熱のこもったダイナミックな歌唱のせいか、若干音程が不安定になる瞬間があります。

 

  1. AメロBメロで大きく音域が変わる曲です。一般的に、声区を跨ぐと大きく音色が変わってしまうのは褒められることではありません。この点は真似しなくていいと思います。

Bメロを頑張りすぎると、Aメロに戻ったときに低音が出しづらくなります。練習はAメロBメロわけて行い、最後にバランスをみながら続けて歌えるように調整する必要があります。(♯∂)

 

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「福島英のヴォイストレーニングとレッスン曲の歩み」より(https://www.bvt.co.jp/lessonsong/

51.オルネラ・ヴァノーニ 「生命をかけて」

 

オルネラ・ヴァノーニにスケールの大きさを学びましょう。「素敵なあなた」「生命をかけて」「カーサ・ビアンカ」「チェルカミ」(「逢引き」は、2004年「オーシャンズ12」にも使用)

 「ローマよ今夜はふざけないで」「アモーレ・ミオ」

 「強く抱きしめて」「リトルネライ」

 「エ・ヴェーロ」最初のエ・ヴェーロの6回くり返しのところです。

 似たフレーズで、アリダ・ケッティの「死ぬほど愛して」(1960)のところ、「アモーレ・ミオ」最初のアモーレの4回のくり返し「…アモーレ・ミオ、やさし君に…」、「生命をかけて」のサビ。

 

No.372

NHK ドラマ「忠臣蔵狂詩曲No.5 中村仲蔵 出世階段」(中村勘九郎上白石萌音 )(TV)

特に上白石萌音の劇中の唄がとても良い!若村麻由美の師匠役も板についている。こういう踊りのお師匠さんいそう(笑)

勘九郎も私のイメージを逸脱しており、この役は特に好印象でした!

 

「生き物系YouTuber」(YouTube

最近、何か疲れた時やリラックスしたいときに自然の中で生き物を捕まえたり食べたりする番組を見ている。ホモサピさんやおーちゃんねる等、ただ生き物を見るだけではなく、実際に体を張って捕まえたり食べてみたり。自分の体を使って様々な感覚を伝えてくれるものに惹かれる。行動や、感想を伝える時に伝播する熱量や力が見ている人の気持ちを動かしてくれる。好きなことをやって輝いている姿は魅力的に映るし、みんなの知らない生き物の豆知識がちょうどよく刺さる。自分も実際に行動していけるようになりたいなと感じる。

 

「大河への道」(映画)

千葉県香取市の街起こしプロジェクトとして、初の日本地図を完成させた伊能忠敬大河ドラマに、という企画が進められる。ところが、調べるうちに、伊能忠敬は完成の三年前に亡くなっていたことがわかる。その事実を伏せて弟子たちが奔走し、執念で完成させた。クスッと笑えて、じーんとなって、邦画っていいなと思った。原作は立川志の輔創作落語

 

「シン・ウルトラマン庵野秀明(映画)

メフィラスとウルトラマンが公園で喋ってる時のアングルや、雰囲気がとても親しみのあるものを感じ、より引き込まれた瞬間だったなと思う。庵野さんの作品は自分らしさがポジティブに伝わってくるものが多いのかもしれない。すごくシンプルに内容が伝わってきてよかった。

 

「LaLaLand」(映画)

最初は噛み合わなく感じた、途中の歌やダンスが、後半は前半で流れた音楽が流れると、キャラクターやストーリーにも合って良かったと思いました。

V029「ラスト・ワルツ」 エンゲルベルト・フンパーディンク

1.歌詞と曲と演奏など
(ことば、ストーリー、ドラマ、情景描写、構成、展開、メロディ、リズム、演奏、アレンジなど)
2.歌手のこと
(声、オリジナリティ、感じたこと、伝えたいこと)
3.歌い方、練習へのアドバイス

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1.出会いから別れまでの、せつない恋の歌ですが、軽快でおしゃれな感じで、恋が破れた深い悲しみ感は、表には出てきません。曲の始めの4つのフレーズでは、全ての開始にある、やや低めの2音の上下の繰り返しが、裏拍から始まるスキップのリズムの連続に乗せて、揺れ動く気分を醸し出し、それに続く高音への跳躍からの下向音型が、絶妙に、恋心の不安を表しているようです。対照的に、サビの音型は、長めの音符が主体で、優柔不断さはなく、はっきりとした気持ちを歌い上げています。 

2.無理をしていない楽なハイバリトンの声で、マイクも活かした歌い方です。力強さには少し欠けますが、伸びやかな高音が、圧倒的ではないので、人間味を感じさせ、かえって人々の心を惹きつけるのではないでしょうか。

3.エンゲルベルト・フンパーディンクは、高音域は、輝かしいひびきではありませんが、伸びやかに歌えているので、基本的には、真似をしてみるのがまずは第一歩でしょう。もし、余力が有れば、艶のある声で、しっかり前に出せるようにしていくとよいでしょう。がんばり過ぎないように、気をつけましょう。(♭Ξ)

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1. 失恋ソングですが、日本人の失恋ソングと違い、音楽そのものは決して暗いものではないです。シャンソンのような恋愛ソングとも違い、甘さが全面にでる抒情的な曲という印象です。一見リズミックな曲に聞こえるのですが、このリズムは歌い手の歌詞さばきからきているので、この曲そのもののリズムは比較的難しくはないと思われます。音域も広すぎないので歌いやすい曲ではないでしょうか。

2. フンパーディンクの声は、カンツォーネ歌手のような圧倒的な声の力というのは感じませんが、なんて甘い声だろうというのが第一印象です。声一辺倒で歌い上げるというよりは、ことばのさばきかた、リズム感、テンポ感がすてきな歌手です。軟口蓋が下がり気味になり、鼻声に聞こえる箇所も多いのですが、それが声の甘さにも関与していると思われます。

3.しっかりとことばをさばけることが重要です。歌う前に歌詞を何度も読んで、朗読のように読めるレベルにまでもっていけるとよいでしょう。何度も聞き、何度も同じ速さ、リズムで読めることをおこなってみてください。歌い手自身が語学が堪能ならば問題ありませんが、そうでないならネイティブな外国人の発音からくるリズム感は、私たちには理解しても実践することは容易ではありません。
その言語からくるリズムや語尾、子音のさばきなどは真似して覚えるほうが早いです。何度も聞いて、口にだして耳と体で覚えていきましょう。(♭Σ)

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1. 歌詞は男性目線の内容で、失恋した後もなお抱く彼女への想いを歌っています。曲名にワルツとあるように、実際に3拍子のワルツのリズムに乗って曲が展開していきます。歌い出しから旋律のリズムに割と動きがあるので、3拍子を意識しながら歌うと、一緒に演奏する楽器(伴奏者)とも息が合いやすくなります。

2. フンパーディンクの声質に加えて、歌詞も音の運びも流れるような歌い方が相まってとても聞きやすい、曲が耳に入ってきやすいという印象を受けました。声を張って歌う部分も("~playing"の箇所を除けば)無理が感じないということも聞きやすく感じる理由の一つだと思います。

3. 歌えるようになったけど全体的に単調になってしまう、ということが起きやすい曲かと思います。その場合には3拍子を意識して練習してください。歌い進めるときに、1拍目に向かって歌う、1拍目に重さを乗せて歌うようにします。リズムに乗れば声が進みやすくなり、また歌にもメリハリが出てきます。実際に3拍子を意識して音源を聞くと、楽器の伴奏も1拍目にやや重さが乗っているように聞こえると思います。(♯α)

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1. 旋律的にはロマンチックな感じで書かれていますが、歌詞の内容的には、うれしさと切なさと儚さのようなものが合わさったような曲ですね。どのように表現しながら歌うのか、歌手の表現力が問われると思います。

2.フンパーディンクは、やや鼻声に聞こえる部分もありますが、全体的にはいい意味で歌い上げる歌い方のできる人の印象です。英語という言語でありながら滑らかに発音することのできる人という印象も受けます。英語の発音の美しさという意味では他に上手な歌手を思い浮かべますが、このように英語を滑らかに発音する人は少ないのではないでしょうか。

3.いきなり歌う前に、歌詞を英文の朗読として何度も繰り返し読むことをお勧めします。意味を理解するのはもちろんのこと、ことばの発音やセンテンス、文脈などを踏まえてそれを表現しながら語ることができるようになってから、初めて音楽的に歌うような段取りを組まなければ、我々日本人が英語の曲をネイティブの人にも伝わるようにはなかなか歌えないと思います。
せっかくなら、日本語なまりで終わらせず、発音からことばのフレーズに至るまで、しっかりこだわって勉強した上で歌うとよいでしょう。甘さや切なさなどを表現するとき、日本人は内向きになりやすいと思いますが、そういった部分も、しっかり外側に向けて表現することを心がけましょう。(♭Я)

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1.物悲しいストーリーです。帰ろうと思った酒場で、最後にバンドが演奏した曲、それがこのワルツ。最後に演奏されたワルツだから、ラスト・ワルツです。片隅に座っていた女性と目が合い、一緒に踊り、恋に落ちます。ラスト・ワルツで出会った男女は愛し合い、しかし、最後は別れることになります。最後にもう一度ダンスを踊ろう。2人が最後に踊ったワルツだから、ラスト・ワルツ。このストーリーを表すのが、雄大な3拍子にのった情景豊かな音楽です。

2.正統的な美しい声で朗々とひびく歌唱です。高音で伸ばす声はつやのある迫力の声ですが、低音で話すように歌うことばに息の勢いがあります。まさにお手本にすべき声といっていいでしょう。
リズム感も優れています。躍動することばのリズムによって、伴奏とずれるように聞こえます。伴奏と歌手のリズムのずれを聞き取ってみましょう。

3.日本人が苦手とされる3拍子系の曲です。有名な曲で、英語、かつ音域もそんなに広くなく難しいリズムが多用されているわけでもないので、どの分野の人もレパートリーや練習曲としてこの一曲を持っておくといいかもしれません。(♭∴)

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1.セブンスを多用したコード進行で長調短調の間を曖昧に揺らぐようなAメロに始まり、Bメロは力強くも感傷的なワルツ。
恋の始まりと終わりをダンスになぞらえた失恋の歌ですが、メドレーでは全く違う歌詞で歌われています。

2. フンパーディンクの声は、甘く伸びやかです。クセがないので万人に愛される歌唱と感じます。かといって特徴がないわけではなく、一聴してフンパーディンクだとわかる色香があります。その香りの正体は柔軟性ではないでしょうか。かすかに息交じりの柔らかな声が、曲のどの部分においても和声やリズムといった器を満たす液体のように変幻自在にフィットしているのです。我の強さを感じさせない歌唱です。

3.センチメンタルな曲ですが、音楽そのものに十二分の切なさが含まれているので、歌い手は素直な声を出すことに徹した方が引き立つと思います。頻出する音の跳躍は、ポーカーフェイスで歌える(=余計な筋肉を動かさなくても対処できる)ことを目指して練習しましょう。(♯∂)

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15.エンゲルベルト・フンパーディンクメドレー 「リリース・ミー」「ラスト・ワルツ」
 
 私がヴォーカルに目覚めた深夜放送で、オリビアニュートンジョンに続けて、かかったのが、彼のメドレーでした。「リリース・ミー」「ラスト・ワルツ」「愛の花咲くとき」「太陽は燃えている」「スペインの瞳」など、メドレーが秀逸です。
 レッスンでは「Quand Quand Quand」(68年)(元はカンツォーネ、トニー・レニス(62年)です)をイタリア語、英語、日本語で比べます。「いつか二人で…」の出だし、日本語の難しさを痛感させられます。
 「ラスト・ワルツ」、深く張りのある低音から高音まで統一した声は、日本では、尾崎紀世彦が近く、正統的な感じがします。声のポジション、共鳴、縦の線、すべて、そこでは包括されているように思うのです。

No.371

「Die Schatten werden länger」jubiläumscast wien 2012 elisabeth(曲)

エリザベートというミュージカル作品の曲。

ミュージカルには全く無知だったが、先輩からお薦めされて聴いてみた。ドイツ語は正直わからなかったが、呼吸の深さや迫力、繊細な表現、数えきれないほど魅力的な所があった。多言語のもの持つ魅力的な表現を感じた。特に立体的な表現、綺麗だが綺麗になりすぎずに感情をのせて表現している感じがたまらないと思った。

 

 

「大丈夫、あなたの心は必ず復活する」橋本翔太(本)

著者は公認心理師で、自身も家族間でのトラブルやいじめ、故郷を襲った東日本大震災の影響などで精神疾患に苦しんだ経験を持っているのですが、その中でも著者が人間の悩みの大きな原因として重視しているのは、「心のエネルギーの枯渇」です。

確かに、精神疾患その他の悩みの原因として、過去のトラウマ、例えば歪んだ親子関係や学校でのいじめなどが考えられ、そこで思考や認知の歪みが起きることで、自分に自信が持てなかったり、自主性を持てなかったり、何をやっても楽しくないなどの悩みが発生するわけで、著者もそれらの原因を重視してはおります。

しかし、過去は最早変えることはできず、過去を恨んで自分を正当化(言い訳)しても自分の心は楽にはなれません。

また、人生で成功できようとできまいと、生きている限り「不安」はなくなりません。

そこで著者は現実的な問題解決法として、「不安に寄り添うこと」と、それを可能にするための「心のエネルギーの充実」を推奨しております。

心のエネルギーが充分であるときは、過去のことも良い思い出に感じられ、未来にも希望が持てるし、適切な問題解決方法も思いつけると言います。

逆に、心のエネルギーが不足しているときは、過去のことも忌まわしい思い出に感じられ、未来に絶望し、問題解決方法など思いつけないと言います。

心のエネルギーの補充のために、著者は栄養(食事)で補う方法を推奨しております。

また、万一心のエネルギーが枯渇してしまい、心が「炎症」を起こしているとき(=悩み苦しんでいるとき)には、それを何とか解決しようとせず、そのまま「そっとしておく」のが一番治りが早いと言います。

ここから先はまだ読んではおりませんが、発声や発語の際にも「台詞や音程、リズムを間違えないように」と不安に神経を尖らせてしまいがちですが、それを一旦止め、「間違っても良いからやってみよう」という姿勢で、ありのままの自分で動き始めると不安は縮小し(とは言ってもなくなりはしないが)、悩みは自ずと解決してゆくのだそうです。

年老いた母の介助のこと、お金のこと、これからの仕事のこと、自分には重たい課題が複数ありますが、まずはそれらに悩むことを一旦止めて、自分のありのままの姿と向き合い、質素でも栄養のある食事を摂り、休養を充分取りながら、今できることから積み重ねてゆきたいと思います。

 

 

安房直子コレクション」 偕成社(本)

絶版になっていた巻数が昨年度に再版され買うことができた。

改めて読むたびに別の世界にいるように感じる。

 

 

「天気100のひみつ」学研まんが(本)

気象に関しての基本知識は分かりやすく豊富で分かりやすかった。文字で論理的に理解するのも大切だが、まずはわかりやすく頭に浸透させること、絵や画像を通して知るということは大事な要素だなと感じた。

V028「ラヴィアンローズ」  ルイ・アームストロング(サッチモ voとtp)

1.歌詞と曲と演奏など

(ことば、ストーリー、ドラマ、情景描写、構成、展開、メロディ、リズム、演奏、アレンジなど)

2.歌手のこと

(声、オリジナリティ、感じたこと、伝えたいこと)

3.歌い方、練習へのアドバイス

 

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1.エディット・ピアフの大ヒット曲で代表曲の1つです。多くのフレーズが長めの付点四分音符に続く八分音符の連続です。この八分音符の連続を、ルイ・アームストロングのトランペットでは、スキップのリズムにしたり、装飾的に細かい音符にしたりしています。

始まりの長い音は、主音から始まり、下に、七音、六音と進み、上の二音に上がって、また主音、七音、六音と下がり、長い音符は順次進行で下っては戻る、穏やかな流れになっていて、ゆったりと満ち足りた気分に包まれた、愛の歌にふさわしい構成になっています。

 

2.ルイ・アームストロングのトランペットの基本的に輝かしい音と対照的な、無理にがんばっていない掠れた声が、優しさを醸し出しているようです。マイクがなければ、成立しない声ですが、本人は、トランペットで輝かしい音をいくらでも出せるので、声が輝かしくなくても、気にならないのでしょう。

 

3.ルイ・アームストロングの歌うこの曲を聞いて、気に入った人は、この声も真似したくなるかもしれませんが、できれば避けましょう。本家のエディット・ピアフも悪くはありませんが、ちりめんビブラートは真似しないようにしましょう。他にも多くの歌手がカヴァーしています。岸洋子は、発声的にはオーソドックスに近いので、真似してもよいと思います。(♭Ξ)

 

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1.リズムもメロディも楽譜にしてしまうとさほど複雑ではないです。しかしこれを語るように表現するのはとても大変なことです。単純であればあるほど、難しくなるものです。そういう意味では歌唱力や表現力といったものが必要とされる一方、そこだけでなく声の力や声そのものの魅力が歌い上げることで成立する曲だとも思います。

 

  1. 荒れた声の印象ですが、低い喉と甘い表現で色気さえ感じさせます。発声の中でよく言われる共鳴や支えなどを考えているとは思えない声ですが、しゃべるように歌う声の力強さとそれを支える体と息の強さを感じます。おそらく彼自身が管楽器奏者ということが大いに関係していると思われます。ブレスの強さは横隔膜の強さと、その息を支える体の強さとイコールなので、それが歌にも活かされている印象をうけます。

トランペットの前奏では美しく張りのある音でメロディックに演奏して、歌では違う表現の仕方をしてみせるのが、とても素敵な演出だと感じました。

 

 3.声そのものをまねることはおすすめしません。しかし、彼の声の魅力は荒れた声とその根底にあるブレスと体の強さです。その意味では歌の練習というよりもブレスとそれを支える強靭な体と声の強さを鍛えなければいけません。単純な言葉でいいと思います。「ハイ」や「yes」でよいので、体の低い場所からだしていけるようにトレーニングを重ねましょう。(♭Σ)

 

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  1. 歌詞は女性の目線から見た内容で溢れるような愛、未来への明るい希望といったものがゆったりとしたテンポの中で歌われていきます。

3分半ほどの曲なのに前奏と後奏が多く占めており、実際に歌う部分は1分ちょっとです。短い中でも短いと感じさせない、聴き入ってしまうような魅力的な歌い方が求められると思います。

 

  1. アームストロングの声はカサカサと雑音が聴こえて美声ではないが、とても味のある声、まさに人生と歌うことを積み重ねてきた声だと感じられます。たとえよい声でも、技術をとことん磨いても、それだけでは聴き手の心に届く歌にはならない、最終的にはその曲をどう表現するかという歌い手の表現力が問われるのだと改めて思わせてくれます。

 

3.なんとなくで歌うとあっという間に終わってしまう曲です。「And when you speak,~」にしっかりと盛り上がりを持っていく(声量だけではなく表現的にも)ことを意識して音楽作りをしてみてください。もし人前でアームストロングと同じ音源を使って歌う場合には、この長い「前奏・後奏」を含めた形で練習する時間も取りしましょう。前奏も後奏も音楽の一部なので、人前で歌っていることを想定し、どう自分が立ち居振る舞うのか、前奏・後奏はどう表現者としてあるのか、を準備してください。それが本番への大きな助けとなります。(♯α)

 

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1.「La Vie en rose」は読んで字のごとく、フランス語で「バラ色の人生」を意味します。歌詞もフランス語です。

恋をし、愛しい人のことを見たり想うと人生がばら色のように輝く。そんな幸せに満ち溢れたドキドキ・ワクワク・キュンキュンを、詞と音楽に乗せて表現できるとよいのではないでしょうか。

 

2.アームストロングはトランペット奏者、歌手、作曲家として活躍した類まれなる才能の持ち主だと思います。

トランペットの演奏と歌唱を一人で両立できるのは彼の強みですね。トランペット演奏部分の音楽の歌い方にも表れていると思います。

彼の歌声は、声質・音楽性など複合的に組み合わせた彼独特のものであり、他人がまねをしたところで同じような演奏ができるようなものではないと思います。

 

3.この曲を演奏しようとする人は、彼の独特の声をマネをしたがる傾向が強いように思いますが、彼の魅力はもっと他にあるように思います。言葉の語り方や音楽的な部分など、もっと学ばなくてはいけないようなことがたくさんあるように思います。人の心を引きつける歌い方の本質を、しっかり研究して歌ってみてください。(♭Я)

 

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1.有名なシャンソンです。「あなたとの生活、幸せよ」といったような単純な内容の歌です。

トランペット奏者でもあるアームストロングは、まずトランペットで吹いてから、同じように歌います。まずはトランペットを聞いてみてください。詰りがちなリズムの伴奏の上に乾いたビブラートのトランペットの音が始まります。おそらく生の音はすごかったのだと思いますが、この録音では単純に「タイミング」と「強さ」(音のアタック)だけを聞けば充分です。絶妙なリズム感と音色の選択、盛り上がるところは盛り上がり、そのために少しずつリズムを切迫していきます。

 

2.特徴的な声は一度で印象に残ります。性格俳優のような声。しかし、それだけに耳を奪われては本質を誤ります。すごいのは、「不潔な」声ではなく、頂点を目指して直線的に素直にまっすぐ盛り上がっていく、非常に清潔なフレージングです。サビに至るまでの3フレーズの微妙な変化。くどくなく、それでも1フレーズごとに静かに盛り上がっているのがわかるでしょう。

 

3.トランペットソロを「ラララ」で真似してみましょう。リズムと音色に集中できるので、歌よりも教材として優れているといえるでしょう。タイミングと強さだけでいいので、完璧にコピーしてみてください。(♭∴)

 

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1.元はエディット・ピアフの歌唱によるシャンソンで「薔薇色の人生」という意味で、内容は、恋することで世界は薔薇色に見える、といったものです。数多くの歌い手にカヴァーされており、ジャズスタンダードとしても扱われています。歌手でトランペッターのアームストロングによるこの演奏は、前半がトランペット、後半が歌唱という構成になっています。

 

  1. アームストロングの嗄れた声は美声とは言い難いものですが、なんとも言えない心地よさがあります。オシロスコープで見た波形の美しさだけでは、歌は計れないものだな、と思い知らされます。

特筆すべきは、トランペットも歌も区別なく扱って音を出しているということです。

 

3. 天才的なトランペッターのウィントン・マルサリスに言わせると、アームストロングのプレイは真似しようのない次元にあるとのこと。これはトランペットについてのコメントですが、彼の歌について私も同感です。

少し角度の違うアドバイスではありますが、歌以外の楽器、特に管楽器を勉強してみるのはとても役に立ちます。トランペットはどちらかというと「息が余る」楽器なので、より歌に近い笛系の楽器(フルートやリコーダー)、あるいは、尺八がおすすめです。(♯∂)

 

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「福島英のヴォイストレーニングとレッスン曲の歩み」より(https://www.bvt.co.jp/lessonsong/

19.ルイ・アームストロングサッチモ) 「ラヴィアンローズ

 

 ジャズのトランペットプレイヤーでヴォーカリストスキャット唱法を生み出した人です

 エラ・フィッツジェラルドとの「ポーキーとベス」も著名です。マイルド・デイビスに「しゃべりまでジャズになっている」と言われました、しわがれた声をまねた白人たちが喉を壊したというので、発声のコピーにはお勧めできません。

 「バラ色の人生」(ラヴィアンローズ)は、ピアフ、美空ひばりと比べてください。

 彼のトランペットを聞いて、彼の歌唱で聞くと、楽器のプレーと声の歌唱のことについて、多くを学べるでしょう。トランペットは、初心者には音が出せない金管楽器です。音を出すこと、次に音を伸ばすこと、そして少しずつ長く強くしていきます。声も、すぐに歌うという前に声をきちんと出して、フレーズにしていくというプロセスをふまえることと同じです。

 スキャットというのは、ことばのない歌です。ハミングと同じで、発声、声の音色でメロディを聞かせるのによいと思います。

 

 参考:スキャット「夜明けのスキャット由紀さおりの「ルールールルルー」(1969、2011ピンク・マルティーニ)(THE YELLOW MONKEY吉井和哉香西かおりほかカヴァー)

No.370

「Phantom Of The Opera Original London Cast」(音楽)

先輩がカラオケで歌っているのをきっかけに、聴いた。気持ちよい声だなと、無理してる感じもなくよく響く、深い所から声が出ている感じがした。発生のヒントがたくさん詰まっているなと思った。

 

 

天皇の料理番杉森久英・原作 佐藤健・主演 (TVドラマ)

2015年にTBSで放映されたドラマで、最近ケーブルテレビで再放送されているのを視ております。

実在した料理人秋山徳蔵さんをモデルにした、架空の人物秋山篤蔵を主人公とし、福井県出身の一青年が厳しい修行の後に昭和天皇の料理番になるまでを描いたドラマです。

篤蔵に最も大きな影響を与えた師匠は、小林薫さん扮する華族会館の料理長宇佐美鎌市。

初めのうちは食器洗いなどの雑用に嫌気が差していた篤蔵に、宇佐美料理長が放った一言が、篤蔵の心に刺さり、根付いてゆきます。

「料理は、真心だ!」

上達を焦るあまりに周囲といざこざを起こした篤蔵は解雇されてしまいますが、その後も大衆食堂やパリで修業を重ね、遂に大正天皇即位式に出す料理のために宮中に召し出され、世界中から参列した人々を唸らせます。

「料理は、真心だ」・・・それは最高の料理でお客さんに喜んでもらうために、最善を尽くすということ。

自分は今こそ失職中ですが、日々料理や掃除、買い物などの家事をこなしてゆくうちに、家事にも「真心」か必要なはずであり、それでは、母と二人の暮らしの中で「真心」とは何か?ということを意識するようになりました。

主題歌はさだまさしさんの「夢見る人」で、この歌詞の中には「愛」とは何かについてを説いた2つのフレーズが出てきます。

今まで何かを本気で「愛した」こともなく、「愛」という言葉の意味さえ解らなかった自分の心に、このフレーズが温かく響いてきました。

「愛するとは夢見ること。」

「愛するとは信じること。」

それは、自分の人生を諦めないことではないのかと感じました。

 

 

「空白」吉田恵輔(映画)

責任という言葉がすごく刺さった。承認欲求というのは何かすごい力があるのかな、作為のないありのままの気持ちや言葉に救われることってあるなと感じた。

 

 

我孫子市鳥の博物館」(博物館)

世界には10000種ほどの鳥類が存在し日本では630種ほどが確認されているらしい。

その4割が日本で繁殖しており、渡り鳥が多いらしい。

日本の固有種

ヤマドリ ヤンバルクイナ アマミヤマシギ アオゲラ ノグチゲラ ルリカケス メグロ アカコッコ

アオゲラが固有というのが意外だった。

意外で言うと、日本のどこでも一年を通してみることのできるヒヨドリも、実は日本周辺でしか見ることができないといわれており他国からすると珍しい鳥らしい。驚きだ。

身近な鳥の飛び方も良くみると、真っ直ぐ、波状、滑空等様々。疑問を持って、考えたり、よくみたり、調べたり、常に探究心を他の生き物にも自分にも持ち続けていきたいと思った。

 

V027 「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」 トニー・ベネット/ブレンダ・リー

1.歌詞と曲と演奏など

(ことば、ストーリー、ドラマ、情景描写、構成、展開、メロディ、リズム、演奏、アレンジなど)

2.歌手のこと

(声、オリジナリティ、感じたこと、伝えたいこと)

3.歌い方、練習へのアドバイス

 

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1.ロングトーンが多用され、下向音型が特徴的に何度も繰り返される、甘い恋の歌です。音域も、適度な広さで、キー設定を間違えなければ、それほど歌うのには苦労しないからこそ、多くの歌手にカバーされ、スタンダードとして定着し、愛される曲なのでしょう。

 

2.トニー・ベネットは、よく知られるフレーズの前の、低音でのメロディから歌っていますが、よくこなれた発声で、息混じりなどでごまかすことなく、無理のない中低音を歌っています。そして、よく知られる「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」の歌詞の部分からは、気持ちよく充実した張りのある声で、ときには息混じりの声も織り交ぜながら、自由自在に、歌いこなしています。これでこそジャズという感じでしょうか。

ブレンダ・リーは、よく知られる部分から歌っていますが、こちらは張りのある声を使うだけではなく、声色をいろいろと変えながら、変化を加えて、オリジナリティを出そうとしているようです。

 

3.「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」の歌詞の部分から歌うことは、ロングトーンをきれいに張りのある声で歌う練習が大前提になります。初心者には、なかなか難しいことです。ある程度、自信のある人は、ぜひ取り組んでみましょう。トニー・ベネットのように、前半の中低音部分を、無理なく歌いこなすのは、なかなか大変ですが、意欲のある人は、真似をしてみるとよいでしょう。(♭Ξ)

 

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  1. スタンダードなジャズナンバーなので、歌詞の歌いまわしなどで歌手の個性が出やすい曲です。かなりゆっくりな曲なので声の基礎力としてロングトーンの技術が、とても重要です。しかし、ゆっくりがゆえに歌詞はとても聞きやすい曲です。

 

  1. トニー・ベネットは、とても甘い声の美声な歌手という印象を受けます。弱く歌っても強く歌っても、とにかく甘い。でも、日本人のように息を多量に混ぜるということではなく声は出しながら、息で逃げずに声で強弱をコントロールしています。どこかしっとりとしたジャズバーなどで歌われていそうな曲なので、このコントロールされた声は聞きやすいと思います。

ブレンダ・リーの声は明るい響きをもちながらも表現として暗さを出せる声という印象です。一見、甘さが全面にでそうなこの曲を自分の曲として声で勝負しているのは素敵だなと思いました。この歌手もトニー・ベネットと同じく声門閉鎖がしっかりと行われ、息漏れがないのが素晴らしいです。

 

3.この曲の特徴であるスローテンポと歌詞の甘さは、声の基礎力がとても必要です。ロングトーンの多さも曲の特徴の一つなので、母音で保つという訓練として取り扱ってほしいです。しかし、発声の面ばかりがクローズアップされるとこの曲がもつ甘さが表現しきれないので、そこが難しいと思います。まずは、しっかりと歌いきることを重視してトレーニングして、そこから表現を考えてはいかがでしょうか。(♭Σ)

 

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  1. 原曲は4分の3拍子だったのが、後に4分の4拍子にアレンジされたものが広く認知されたので、世間では後者の方が演奏を聞く機会が多いでしょう。3拍子と4拍子では印象が違ってくるので、それぞれ歌ってみると感じ方の幅が広がると思います。

 

  1. トニー・ベネットは、4分の4拍子の中、ゆっくりとした歌唱でフレーズをしっかりと繋いでいます。テンポが遅くなるほどに曲の印象は散漫になりやすいので、より技術も表現力も問われるところですが、何も気にするところなく落ち着いてゆったりと聞けます。

ブレンダ・リーも、ゆっくりとしたテンポですが、トニー・ベネットと違い4分の3拍子での歌唱なので、よい意味でテンポに乗って聞きやすいという印象を受けました。母音から始まる単語は喉に当てる感じが多いですが、表現の一部として意図的に行なっているのかもしれません。

 

3.よいと思う歌手の歌いまわしを真似してみるのは、勉強になります。ですがトニー・ベネットのテンポだと息が続かない、とてもゆっくりに感じるという人はわざわざ無理をしないことです。さまざまなアレンジやテンポで歌っている歌手がたくさんいるので、自分のしっくりくるテンポで、ぜひ歌ってみてください。(♯α)

 

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  1. この曲の歌詞で一番言いたいことは、最後に出てくる“In other words, please be true In other words, I love you”ですね。それをさまざまな比喩を用いながら、それまでに歌っています。

 

  1. トニー・ベネットは、基本的には、語るような歌い方の印象を受けますが、少々声門閉鎖が弱すぎてしまう部分や支えが浮きやすい部分などが感じられ、ビブラートではなく声が揺れてしまっている印象を受けます。

ブレンダ・リーは、ことばや節回しを少々、喉で区切ったように歌うのが、この人の歌い方の特徴のように感じます。

 

3.音域はそれほど大変な曲ではありませんし、リズムも複雑ではありません。ですので、歌うというよりも、いかにロマンチックに語れるかというのが大事になると思います。語れる要素が薄くなってしまうと、演奏効果が薄れてしまうように感じます。

先に述べたように、この曲の歌詞で一番言いたいことは、最後に出てくる“I nother words, please be true In other words, I loveyou”です。そこへ向かうまで経過する比喩表現をどのように語るか、そしてどのような結末につなげていくかという語り方の段取りには、研究が必要かと思います。歌うよりも先に、朗読として、この内容が表現された状態で語れるように練習しましょう。(♭Я)

 

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1.ジャズのスタンダードナンバー。歌詞の雄大さストレートさは、現代から見るとやや時代がかっていますが、その直接的な情熱的な部分がこの曲の魅力でしょう。前に強く訴えるサビと、ささやくような「I love you」の対比が鮮烈な曲です。

 

2.アレンジの違いに耳を傾けましょう。このアレンジの違いが、まさに2人の声と歌い方の違いを際立たせるようになっています。

トニー・ベネットのピアノ伴奏アレンジは、彼の圧倒的美声とダイナミックな歌唱を際立たせています。ちなみに冒頭のピアノソロから「よいフレーズとは何か」を学べます。少しずつ早くなったり遅くなったりし、音色や強さも変えています。微妙な差を聞きわけられるようになってください。(一般に歌のフレーズを楽器の演奏から学び取るのはよい練習です。)

ブレンダ・リーはリズムがくっきりわかるアレンジで、彼女の甘ったるいハスキーヴォイスにぴったりです。彼女のアレンジはサビから始まります。また中間部の音読もセリフの練習に役立てましょう。

 

3.サビの「Fly me to the moon」を歌ってみましょう。基礎練習の発声と同じところでとれているか。また最後の「I love you」を歌ってみましょう。かすれるかかすれないかのところでたくさん息を吐き、体を使って言ってみましょう。(♭∴)

 

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  1. 歌詞は前半に韜晦するような詩情溢れることばが連なっており、“in other words”(つまり、言い換えると、要するに)以降は「抱きしめて」「キスして」「あなたが好き」といった直接的な表現へと変化します。

あまりにも有名でさまざまなアレンジや歌唱で知られており、ジャズスタンダードあるいはボサノヴァとして扱われている名曲です。

ここにあげる2人の歌手もオリジナルというわけではありません。原曲はシンプルな3拍子で、現在、聞くことのできるものの中ではフランク・シナトラが歌ったものがオリジナルに近いと思われます。

トニー・ベネットは、ゆったりした4拍子にアレンジされています。ピアノ伴奏に少しのストリングスが加わった編曲で、前半部分がつけ加えられています。美しい半音進行が印象的です。

耳にする機会が多いのは、アップテンポの4拍子で、ボサノヴァふうにアレンジされたものでしょう。

 

  1. トニー・ベネットは、ほんの少し掠れのある音色が、力強い歌声を耳当たりよく和らげているように感じます。“Fly”で長く伸びる声の飛翔感や、“Hold my hand”のピアニシモの巧みさ、“adore”ということばを震えるように発語するセンスなど、超一流とはこういうことか、と思わせる貫禄です。また、発音が非常にクリアで語尾まではっきりしていることが歌唱に端正さを加えています。

ブレンダ・リーは、おそらく声帯に問題があると思われる声ですが、それをうまくコントロールして魅力に変えているように感じます。例えば音の入りで軽く引っ掛かる瞬間が多々あります。これは声帯が閉まりきらないために起こる現象です。しかし、それがチャーミングですらあります。

 

3.この曲を名曲たらしめている要素の一つが半音階的に動く和声進行です。特に“Jupiter and Mars”のところの、えも言われぬ艶めかしい音の運びは、よく練習して正確に滑らかに。あとはどの音、どのことばに重さが乗るかを考えながら練習するとよいでしょう。(♯∂)

No.369

「My Funny Valentine 」カーメン・マクレエ(CD)

10年くらい前に聴いて、ジャズヴォーカルに憧れた記憶がある。久しぶりに聴くと、あれ?、こんなに声を張ってないんだ、と思った。stayのロングトーンは、小さく細くまっすぐに伸びていて、訴える力が強い。もっと大きくて強い声なstayだと思っていた。それだと相手が逃げちゃうか。昔は、太い声で押すように感じていた、それが今聴くと、そんなところは見当たらない。ほんとに、わかってなかったんだなぁ、と思った。

 

 

EuphoriaBTS ジョングク(K-pop

韓国語の歌詞と、ジョングクの柔らかい発声を勉強しています。きれいな曲です。

 

 

トッツィー」(映画)

ダスティンホフマンがとにかくきれいなことと、規律正しい女性と売れない役者の男っぽさを演技と声でしっかり魅せていてすごいと思った。

 

 

「her~世界で一人だけの彼女~」(映画)

音声だけのAIとの恋を通して、離婚した相手への気持ちや自分自身と向き合い本当の愛を知っていくようなお話でした。心を開けない主人公の気持ちがよくわかり一緒に切なくなりました。

 

 

モンスター上司」(映画)

信じられないくらい、パワハラ・セクハラ・違法な上司の下で働く3人の主人公たちが、お互いにそれぞれの上司を殺そうと計画する話。コメディですが、嫌な目にあってる時の本当に嫌な感じや、嫌な上司役を振り切ってやってる役者さんたちの演技が面白かった。

 

 

グッドウィルハンティング」(映画)

幼少期に虐待を受けて育った主人公の傷に寄り添う、カウンセラーのロビンウィリアムスがよかった。才能を発揮できる場所と、安心できる仲間がいる場所が違っていて、その中で揺れている主人公の気持ちがせつなかった。最後は一番手に入れたいものに、しっかり向かっていけたので気持ちがよかった。

 

 

「ロッキー」(映画)

思っていたより、試合のシーンが短く、ロッキーが何となく想像と違う性格でした。

 

 

「ドントルックアップ」(映画)

Netflixオリジナルの映画作品

彗星が地球に衝突しようとしていることが発覚してから始まる物語。

自分の利益を優先する人 家族や大切な人との時間を大切に過ごす人 様々。

忘れては思い出すの繰り返しだが、すでに自分は恵まれているということに気づく機会は非常に大切だと感じる。

「みんな何でも持ってたんだな」というセリフは非常に印象的であった。

 

 

平家物語」(アニメ)

現在放送されているアニメ。平家の主要な部分を簡単に知ることができる。シンプルに面白く、文章でも呼んでみたいなと思った。

 

 

ドラゴンボールGT」(アニメ)

久々に、視聴。

今のアニメと違って時間の感覚が遅い感じ。

画でみせたり、音楽で空気感を作ったり、会話での間や、相手を見て考えるという時間感覚がすごくリアル。アングルだけが動く時間等。情報量を減らすことで、それぞれの良さをみれる感じがした。時間経過がリアルであるからこそみている自分の気持ちが自然に動くなと思った。今になってわかることも増えているから、色々と復習したい。

 

 

情熱大陸」金尾祐之(TV)

困難な症例を取り扱ったり、高い技術の腹腔鏡下手術を行う婦人科の最前線で闘う医師。

番組の最中に、よく言葉にしていたパッションという言葉。これが最も大事であると。

患者さんに対しての熱意。誰かに対して、どのようなものを提供できるか考え、試行する。思いが強ければ強いほど行動も変わってくるのかもしれない。結果を見るのではなく、過程をどうするかで結果は自ずと決まる。やり続けているその瞬間に力を入れて、通り過ぎていけば世間的な結果は勝手に決まるんだなと思った。本当に今この瞬間が大事だなと。

 

 

「日本人の鳴き声」中野純(書籍)

歌の上手い人を日本では「喉が良い」と言うことの蘊蓄など...。

 

 

「ひとりでしにたい」カレー沢薫(書籍)

タイトルが暗い希死念慮を感じさせるのでギョッとしますが、内容は書名から受ける印象とはまるで違います。

主人公は30代独身女性ひとり暮らし。特に大きな苦労もないため楽観的で、ほどほどに仕事と趣味に生きてきた彼女は、伯母の死をきっかけに将来について深く考えるようになります。

子どもの頃に憧れたキャリアウーマンの伯母は孤独死し、発見が遅れたため浴槽で「スープ」になっていたのです。このままでは伯母の二の舞である。結婚した方がいいのか、それとも?

結局、独身だろうが結婚していようが子どもがいようが、人は死ぬときに誰かしらの手を煩わせます。それよりも問題なのが、その日までよりよく生き続ける算段の人。収入は?保険は?医療は?介護は?葬儀は?公的支援は?

元気なうちに家族と話し合っておくことの重要性や、何よりも社会で孤立しないためのコミュニケーション作りなど、じわじわ考えさせられる作品...なのに、この作品の本質はギャグ漫画です。

今後死ぬ予定のある人は是非ご一読を。

著者のカレー沢薫氏は漫画家、エッセイストとして活躍し、エッセイは切れ味の鋭い視点と、オタク文化に精通した軽妙な文章で読ませます。漫画作品では、自身の発達障害について書いた『なおりはしないがましになる』も興味深いです。

V026「愛は限りなく」  ジリオラ・チンクェッティ/ドメニコ・モドゥーニョ

1.歌詞と曲と演奏など
(ことば、ストーリー、ドラマ、情景描写、構成、展開、メロディ、リズム、演奏、アレンジなど)
2.歌手のこと
(声、オリジナリティ、感じたこと、伝えたいこと)
3.歌い方、練習へのアドバイス

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1.原語と日本語の歌詞では、かなり意味が違っています。もともとは、歌詞も曲も、ドメニコ・モドゥーニョの作で、神に対する、愛の曲です。日本人には、なかなか理解しにくい内容なので、日本語の歌詞は、男女の悲しい恋の曲を連想させるような、言葉が並べられています。
音域が広めで、低い主音から高い第五音までの1オクターブ半あります。高い第五音がロングトーンで使われるのはもちろんですが、低い主音も、一瞬使われるわけではなく、八分音符4個連続に続けて四分音符3個分のロングトーンを出さなければいけないので、それなりの充実した声が出せないと、歌いにくい曲です。
さらに、高い第四音・高い第三音・高い第二音それぞれのロングトーンも、繰り返し出てくるので、その辺りをわりと楽に出せるキー設定にしなければならないので、ますます広めの声域が必要になります。

2.ジリオラ・チンクェッティは、日本でとても愛された歌手ですが、艶と張りのある声で、息混じりの声もうまく、歌詞の内容を知らなければ、悲しい恋の曲だと連想してしまいます。
ドメニコ・モドゥーニョは、楽に歌いこなしていますが、曲の内容を知らずに聞くと、ジリオラ・チンクェッティの方が、胸にせまるものがあって、好感を持ってしまいます。しかし、歌詞の本来の内容を考えると、彼の歌い方が、本筋だろうと感じます。

3.音域は1オクターブ半ですが、わりとしっかり出せる低音から、2オクターブ近く声域がないと、楽には歌えない曲です。幸い、同音連続が多いので、声を充実させる練習には、よいかもしれません。
歌い方は、本来の、神への愛の曲として歌うなら、ドメニコ・モドゥーニョのようにやや客観的に、男女の恋の曲として割り切って歌うならジリオラ・チンクェッティを参考にするとよいでしょう。(♭Ξ)

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1. 「Dio come ti amo」という何度もくりかえされる言葉がとても印象的な歌です。カンツォーネというよりもイタリアンポップスらしい曲といってもいいかもしれません。メロディもリズムも現在のJポップスや韓国のポップスほど細かくありませんが、だからこそ声の力が必要な曲です。

2. チンクェッティは声をはる場所、そうでない場所で歌い方、声のニュアンスを明確に分けているのに対し、モドゥーニョは最初から最後まである一定の声の質を保っているのが一番の違いです。
どちらが音楽的かと聞かれたら、チンクェッティです。どこか息交じりの声から、サビでの強烈な声へのもっていきかたはとても素敵です。その対比があるからこそ、より声の強さが際立つ部分も好感がもてます。
しかし、声の技術でみるならばモドゥーニョをおすすめします。なんといってもイタリア語のレガートが美しいです。子音が母音と母音の流れを阻害せずつなぎの役割をしている。これは、とても高度なテクニックです。これができないとレガートにはなりません。ある一定の声をキープして全音域を歌いきれるのは声の基礎力が高い証拠です。

3.正確にリズムを練習するというよりも、言葉のどの母音が伸びているかを正しく理解する必要があります。その伸びた母音の箇所が言葉に意味を込めて、音楽をつくっているからです。
長母音と呼ばれる母音の形ですが、ここがしっかりと伸ばせて、支えられないと声も音楽も貧弱になってしまいます。(♭Σ)

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1.歌詞はイタリア語で歌われており、原語の曲名は「Dio come ti amo」で直訳すると、「神よ、あなたを愛している(どんなにあなたを愛していることか)」となります。歌詞の内容は神への想いを歌ったもので、短調の旋律に乗せて演奏されています。
男女問わずに選べる曲ですが、人間の恋愛や愛の歌とは違うので、歌詞の発音を真似して歌うだけでは表面的な演奏になりかねません。演奏にあたっては、歌い手がしっかりと歌詞に向き合い、内容を自分なりに掘り下げる作業が必要です。

2. チンクェッティは語るように歌うので、言葉も旋律も流れるように耳に入ってくるという印象で、声にメリハリもあって聴き入ってしまう表現だと感じました。
モドゥーニョは、何となく誇張しているような感じを受けます。子音を強調していることやフレーズを短く切ることが、聞いている人にもウッと息が詰まる感覚を与えます。苦しいほどの神への想いをそこに出した表現かもしれません。個人的にはチンクエッティの表現の方が、この曲にはしっくりきます。

3.子音Vが多く出てくるので、子音Bにならないよう、ていねいに発音練習をしましょう。子音Vは下唇に上前歯が当たった状態で息を吐き、それが有声になったものです。子音Bとは、かなり発音の仕方が異なります。
歌いながらではなく、まずはリズム読み(音程をつけずにリズムに合わせて歌詞を発音する)で練習することをおすすめします。
また音が高くなり盛り上がる部分で、もしも息が続かなかったり喉に負担を感じる場合には、無理せずに「che vanno verso il sole(v)chi può cambiar l’amore」「un bene cosi vero (v)chi può fermare il fiume」このようにchi~の前にブレスを入れるといいです。息が足りている状態でしっかり歌い進めた方が、発声としても安全で表現もしやすくなります。(♯α)

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1. 内容としては、際限ないほどの「愛」を訴えかけるように歌われた曲です。日本人の感覚からすると少々難しいかもしれませんが、イタリア人ならでは、の募る「愛」を切々と訴えかけるようなニュアンスで語られると、聞きごたえがあるのではないでしょうか。

2.チンクェッティは、一見、丁寧に「詩」で語るようであり、表現豊かな印象を受けますが、表現に寄りすぎた結果なのか発声的には少々息もれが多いような印象も受けます。モドゥーニョと比較すると、これでも少々歌いすぎているのかもしれません。
モドゥーニョは、チンクエッティに比べると、より語りの要素を重視した印象を受けます。語りの土台に節と音がついたような印象です。これらが融合した結果、歌に聞こえるという印象です。

3.まず、内容の解釈ですが、「Dio」とは直訳すると「神様」、「ti」は「あなた」という意味で、「神様、あなたを愛しています」と訳してしまうと、おかしなニュアンスになってしまうように思います。ですので、「Dio」は感嘆詞的な意味合いで解釈するのが自然ではないかと思います。基本的に愛を切々と語っている歌ですので、詩から湧いた印象の「愛」を訴えかけるように語れるかというのが、土台として大事になるのではないかと思います。(♭Я)

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1.かなり難しい歌詞だと思います。日本語訳を読んでも、失恋なのか恋愛中なのか。イタリア語を直接見ても抽象的でわかりにくい。このような曲を歌うときには、強引でも構わないから自分のイメージでストーリーを作ることと、逆に単語ごとのイメージを伝えていこうとすることです。
アレンジに関しては、以前聞いたことのあるものは、リトルネッロがもっと激しいものでした。今回のように淡々と続くアレンジもいいと思いました。今回の2人のアレンジは似ていますが、よく聞いてどこが違うか聞き取っていくのも楽しいでしょう。

2.どちらの歌手も、拍からいかに自由になっているかを聞き取ってください。伸ばすところを長くしたり、入るタイミングをずらしたり。ぜひ伴奏の基本のリズムを手でたたきながら、歌を聞いてみてください。
チンクエッティは、たんたんと言葉を置いて行っている印象。サビのクライマックスでは、伸ばしている拍を2拍ずつ省略していて(伴奏も)変拍子のようになっています。
モドゥーニョは、伴奏まで変えてしまってはいませんが、普通に流し聞いていては追えないほど、伴奏とずれています。この抜群のリズム感と歌いこむ熱い歌唱がモドゥーニョの魅力だと思います。

3.語りのまま歌にする曲だと思います。地声やせりふの声はよいのに、歌になった瞬間、固まってしまう方がいます。そのような方はこの曲でイタリア語の音読(ローマ字読みで構いませんので)から歌にしていく感覚を身につけられるといいでしょう。(♭∴)

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1. 神への愛を歌った、カンツォーネによる讃美歌。この世界のさまざまな美しい風景から感じる畏怖や感謝の念を、跪いて歌い上げるような内容。作曲者のモドゥーニョ自身が歌っている録音のアレンジは、ギターを中心とした簡素なオーケストラ。クライマックスではスペイン風の雄々しいリズムが急き立てます。

2. チンクェッティは息交じりの柔らかな低音域から、艶めくしなやかな中音域にシームレスに変化していくさまが、とても美しいです。神への愛というよりも男女の愛を思わせる歌い方で、振り向いてくれない恋人に縋りつくような表現に聞こえます。
モドゥーニョの歌唱は、子音によるタメの使い方がリズミカルで印象的です。子音を鋭く立てる訳ではなく、ゴムのように強靭に使っており、マッチョな語感です。

3.大いなる存在の足許にひれ伏すというカトリック的な感覚は日本人にはなじみが薄いため、こういう歌を歌うと卑屈な感じになりがちです。小さな自分が大きな愛を見上げているのですが、彼らは自分が大好きです。この「自分が大好き」という感覚が抜け落ちないようにするといいと思います。技術的には、大きな単位で捉えてゆったり演奏するように心がけると歌いやすいと思います。(♯∂)

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「福島英のヴォイストレーニングとレッスン曲の歩み」より(https://www.bvt.co.jp/lessonsong/
21.ジリオラ・チンクェッティ「愛は限りなく」

ヒットを連発、16歳でのこの歌唱力は、天才としかいえません。
 「夢見る想い」は日本語版もあります。伊東ゆかり弘田三枝子がカバー。「ナポリは恋人」弘田三枝子のと比べましょう。リズムに注目。
 他にチンクエッティの代表作は「ローザ・ネーラ」「雨」「落葉の恋」「薔薇のことづけ」「太陽のとびら」と美しいメロディが並びます。

  出だしの部分を、イタリア語で歌ってみて日本語で置き換えていく、日本語はセリフとして読んでみて仕上げてから、入ってみてください。
「雲が流れる空をあなたの胸の白いハンカチのようなその白さが胸に染みる」
 この白を重ねていくのがポイントです。

 またサビの展開構成のところは、とても勉強になると思います。

No.368

「わいたこら。」新庄剛志(本)

実はこの書籍、まだ購入したばかりでまえがきしか読んでいないのですが・・・。

今年の目標の一つに、これから自分が社会復帰するためのヒントとして、「逆境から立ち上がった人」の伝記又は自叙伝を読むことを設定しました。

選んだ人物は3人。

度重なる転職や65歳での破産など数々の波乱を乗り越え、世界的な外食企業KCF(ケンタッキー・フライド・チキン)を創業したカーネル・サンダース氏。

主君を7回替えた末、外様大名でありながら徳川幕府の中枢を担うまでになった戦国武将の藤堂高虎公。

そしてもう一人が、ニューヨークメッツなどで活躍した元メジャーリーガーの新庄剛志さん。

いつも絶えることのないあのさわやかな笑顔、いつでも周囲の人を楽しませてくれるあの魅力はどこから来るのか。

今年から古巣の日本ハムファイターズに監督として復活することになった新庄さんですが、実は12年前の2010年、バリ島に移住するとほぼ同時に、とんでもない災難に遭い、普通の人なら到底立ち直れないであろうどん底に落ちてしまいました。

それでも諦めず、「良い学びを得た」と考えて自らを切り替え、今、幸せいっぱいの笑顔で日本の球界に帰ってきた男、新庄剛志

こんな人に会いたい。そして、こんな人になってみたい。自分はそう思っております。

 

 

「僕たちはどう生きるか」吉野源三郎(本)

コペル君の経験・学びを通して、自分自身が背筋を伸ばした。余計なことを考えずに目の前のことを解決していくことはとても大切だと感じた。自分を良い方向に変えていくのも大切だが、良くみせようとせず今の自分を理解してもらうというのも信頼を生み出すことなのかもしれないと思った。

 

 

タクシードライバーぐるぐる日記」内田正治(本)

人気の日記シリーズ、今までに、交通誘導員、非正規介護職員、ケアマネージャー、出版翻訳家、を読んでいるが、このタクシードライバーが自分は一番面白かった。毎日何人もの人を乗せ、ほとんどが一期一会。世の中には本当にいろいろな人がいるものだ、読みながら感心した。日頃、限られた人間関係の中で生活しているので、連続した関係を築かずに、人と接し続ける仕事の話は興味深い。タクシーに乗った時に、自分はどんな顔を見せるのかな、と考えて、ドキッとしたり、もある。横柄な態度で乗るのだけはやめよう、と思った。

 

 

「マンガでわかる認知症の人の心の中が見える本」 川畑智(本)

認知症になると何もかもわからなくなるわけではなく、本人の行動には理由がある、ということが、マンガでわかりやすく解説されている。

徘徊といっても、ご飯を作りに家に帰る主婦だったり、病棟を回る婦長だったり、その人の以前の生活が反映されている、という話は、目からウロコだった。ボケるといっても、生活の延長上に理由があって、時間軸や認識がちょっとずれてしまっただけだったりするようだ。長寿社会において、親や配偶者の認知症は他人事ではなく、認知症イコール狂ってしまうこと、ではないと考える方が、気持ちが楽になる。自分が高齢になって、夕方に徘徊していたら、それは研究所にレッスンに行くつもりなのかもしれない、などと考えると、徘徊という行為が、自分の身近に感じられた。

 

 

「沈黙」遠藤周作(本)

江戸幕府によるキリシタン弾圧が激化する中、日本にやってきた宣教師ロドリゴは、目の前でキリスト教徒が殺されていくのを見ることしかできない。神はなぜ"沈黙"しているのか。葛藤に苦しむロドリゴが出した答えは。"神はいるのか"を究極のテーマとしている。

 

 

うちの3姉妹松本ぷりっつ(本)

著者による3姉妹のバタバタ子育てを漫画化している。子育て大変すぎて楽しむなんてできないけど、これを読むと少し肩の力が抜けます。

 

 

サントリーの「上を向いて歩こう」」(CM)

有名な方や芸能人の方々がワンフレーズごとに切り替わっていきます。

上手さなどではなく、長年活動をされていた方々は言葉の重みが違うなと強く感じさせられました。

 

 

「セルフプロデュース」バービー(YouTube

自分を分析する事が、凡人が戦っていく上で続けていく大事な作業だと感じた。

 

 

「正直者は笑い死に」近藤良平(ダンス演劇)

体を使って表現するということの魅力を感じた。言葉にしなくても、気持ちをもっていれば笑いも起きるし、様々な感情が伝わる。新鮮で学ぶことが多かった。ハートは大事だなと。立体的な視点から、体を動かすダンスなどを学んでみたくなった。

 

 

ボードゲームカフェ」(カフェ)

新宿にあるボードゲームカフェに行ってきた。カフェ自体には600種類ほどのゲームがありまず選択肢で悩んでしまった。戦況を見ながら自分が勝つための蓄えを作っていくという脳をフル回転で使った日であった。勝つためには、目標を持ち、それを達成するための行動をする。その中で、相手との競合、リスク管理、会話を通した心理戦、良い経験ができたなと思いました。情報量が多く時間制限のある中で、余計な思考(先を読みすぎない 相手や数の大きさに影響を受けない)をなくせるかが非常に大事になるなと感じた。自分自身が日常で間違った方向に行く際の対処と、ある意味結びついているので、トレーニングになるなと思った。そこで動揺を見せずに戦えるのは今後必要だなと感じました。

 

 

ジブリパーク」(愛知県)

ジブリの作品の主人公になれるらしい。楽しみにしている。

 

 

「鬼金棒」(ラーメン屋)

神田と池袋にある辛シビ味噌ラーメンのお店。

店名のイメージに沿った目立つ作りのお店。和太鼓のbgmが流れる中絶品のラーメンを頂く。らーめんは香ばしい香り、舌で感じるしびれ感と辛み、耳では中華鍋で炒めらる音とbgmの臨場感、そして黒を基調とした金棒などが飾られた異空間のような店内、全身を通して満たされるエンタメであり、芸術だなと感じる。食べに行くたびに学ぶことが多い。なぜ良いのかを自分自身で理解できるまで行きたいと思う。全身が喜ぶ中毒スポット。